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若者英語に囲まれて

今日はほんとに怖い経験をした。
周囲は、アメリカ人の兄ちゃんと姉ちゃん。
歳の頃は、18か19。
私が22歳で出産してたら、ちょうどこんな娘や息子がいたのねえ、というような感じ。
彼らに混じって7人一組にグループ分けされ、色紙や色マジックや真っ白い段ボール紙を与えられ、「グループごとに協力して、かっこいいポスターを作ってね! 優秀作品には25ドルの賞金が出るよ!」 だって。

何はともあれ。
ポスター作り、は、この国ではお馴染みの課題だ。
多くの場合、模造紙や、段ボール紙など大きなボードに、プレゼンテーション用の視覚的な資料を作る、というものだ。

先日は、息子がポスター作りの宿題を持って帰ってきた。
図書館で何かハウツーものの本を借り、それを元に自分でプロジェクトを考え、手順をポスターにして、クラスの前でプレゼンテーションをしよう、という宿題だった。英語がまともにわからないだけでなく、日本でいた頃でさえクラスの前で発表するのが苦手だった息子には、あまりにレベルの高すぎる宿題なのだった。

「やっぱりアメリカは show&tell の国ねえ。この歳でプレゼンの練習なのねえ」
息子の宿題にはすっかり感動した私だったが、まさかこの歳になって私までが 「ポスター作り」 なんかやらされる羽目になるとは!!

おまけに、二回りも違うこの国の若者の会話ったら。
全然、ほんと全然わかんない。
少しでも建設的な会話をしてる時はまだ、話の筋が追えるの。
ところが、ちょっとした冗談や、周囲の大人への揶揄、テンションの高いバカ騒ぎ……。
ぜーーーーーーーーーーーんぜん、わからんわ。
耳に残るのは、

Cool !  とか
Sweet ! とか。

何を聞いても、どんな話題でも、全部、「Cool !」 で片づけちゃう若者に、おばさんとしては、「言葉の乱れだわ! ぷりぷり」 とか言いたいところだけれど、乱れどころか、おばさんは全然言葉が分からない状態なわけで……。
ああ、みじめ。

「どこの高校を出たの?」
「おれ、○○。君は?」

当然、おばさんは出身高校の話題になんかついていけません。
高校時代? もう四半世紀も前だわ。

「ポスター作りかあ。子どもの時、よくやらされたよねー。思い出したくもないわ。ああ、嫌だ」
「そうだよな。スッゲー時間をかけたのにさ、クソみたいに先生に鼻で笑われたりしてさ」

あんた、「子どもの時」 っていうけど、まだ子どもじゃん……。

深まる疎外感。
この国に来て、ここまで周囲の英語についていけなかったのは初めてかも。
思わず、英語をまったくわからないまま現地校にたたきこまれた息子の気持ちを思ったよ。
あんた、毎日大変なのねえ。
母ちゃんもやっと分かったよ。この辛さ。

どうにか会話の端々から彼らがどんなポスターを仕上げようとしているかを理解し、何とか手助けらしいことに参加したものの、いやはや、参った参った。
グループ内に1人だけ韓国からの留学生の女の子がいて、たぶん彼女の英語は私とトントンのはずなんだけれど、何というか、むちゃくちゃきれいでグラマラスな子でさー。
黒髪はつやつや。
肌はぷるぷる。
腰回りはほっそり。
男たちはもう彼女に夢中。やたら、ちやほやするわけよ。
あんたら、私に対する態度と、えらい違いじゃねーか。

……よけいに募る疎外感 (落涙)。

前振りの文章、長すぎよね。
「どんな場面の出来事か、読んでも全然わからんぞ! 説明しろ」 と思った方、ごめんなさい。
実はこれ、何かというと、近所のモンゴメリーカレッジの新入生オリエンテーション。

結局、あれこれ悩んだ末、私、とりあえず1~5月はカレッジのパートタイム学生となることに決めちゃった。今年半年を英語強化月間と位置づけ、毎日、近所のカレッジで英語を使ってお勉強する空間に身を置いてみようかな、と。

というのもね。
外国人同士でしゃべってるうちは英語に不自由をそれほど感じないのに、ネイティブ同士の会話に混じろうとするともう全然たちうちできない、という状態がとにかく苦しい。これをどうにかクリアしたい。
となると、「英語を学ぶ」 のではなく、「英語で学ぶ」 ことが大事だろう、と思ったわけ。

周囲からは、もっと建設的な選択肢を随分と提示していただいた。

この1月からアメリカン大学のマスターコースに入学を決めた同世代の韓国人の友人は、このカレッジで3年間、パートタイム学生をやった経験を踏まえて、こう言った。
「あのね、自分の息子や娘の歳の学生さんたちとじゃ、話も合わないし、絶対あんたに向かない。今あんたがやるべきなのは、toefl の勉強をみっちりやって、スコア100をクリアしてマスターコース入りを目指すことよ!」。

妹のかつての主任教授だった学者夫婦は、「カレッジに通うくらいなら、同じ学部レベルでも、もう少しきちんとした大学で、フルタイムの学生は無理でも、週に1クラスだけでも聴講(audit)してごらん。学ぶところは大きいはずよ」 と。

一方、カレッジのESL(外国人向け英語クラス) の一番エライ先生は、「あなた、すでに大学出てるんでしょ? カレッジはここで教養科目の単位を取って2年間で卒業し、大学に編入を目指す人のための場所なの。あなた、今更、教養科目レベルの勉強をしたい? 英語を学ぶのが目的なら、ESLの中でレベルの高いものを選べばいいじゃない!」 と助言してくれた。

どの意見もほんと、ありがたかったし、それぞれにおっしゃるとおりなんだけど。
でもね。
マスターの学位を取るべく正規入学を目指せば、3年間(たぶん)のアメリカ暮らしが勉強一色に染まってしまうことは不可避で、コーラスだ、ピアノだ、旅行だ、アウトドアだ、と欲張りな私にはかなりハードルが高い。
大学でのaudit、という案は将来の選択肢。
ただ、どうせお金払うなら、単なる audit ではなく、単位取得を目指したほうが自分にうまく負荷をかけられるはず。将来、パートタイム学生なりを目指すのならば、まずは近所のカレッジで単位取得向けクラスに挑戦してみるのも、現実的なステップかな、と。

また、ESLの先生のいうように、「今更教養課程のお勉強ですか?」 という見方はもちろんあるわけだけれど、英語を学ぶために英語を学ぶ、ってのも、私の場合、あまり性に合わないのよね。
カレッジは、高等教育の学費の高いこの国で、大学4年間の授業料を払えない若者たちのための、大学入学へのワンステップになっている。それゆえ、多種多様な学生たちがやってくる。モンゴメリーカレッジは、いわゆるカレッジの中ではレベルも高いから、外国からの留学生もたくさんいる。
人間観察の場としては、案外おもしろいかな、と。

さらに。
渡米3カ月を過ぎても、現地校に適応する気配のない息子を見ていると、アフタースクールやベビーシッターを活用してまで、あれこれ手を広げる勇気はさすがにわいてこない。
遠くの大学に通うよりも、まずは毎日近所 (車で10分!) のカレッジで英語空間に身を置いてみようか、ってな選択なのだった。

しかし……。
思った以上に、アメリカのティーンエイジャーの会話についていくのは困難だった。
会話だけでなく、その文化についていくのも。
壇上で演説する先生を、身もだえポーズで冷やかす男の子がいたり、黙々と吹き矢らしきものを作って、装飾用のバルーンを割ろうとしてる男の子がいたり、ひっきりなしに甘そうなキャンディーをなめまくってる女の子がいたり。
そうだよなあ。
この子たち、ほんの最近まで高校生だったんだもんなあ。

韓国人の友人の 「あんた、自分の息子や娘ほどの子と話が合うと思う?」 という一言が脳裏によみがえる。
でもまあ、いいさいいさ。
この子たちって、私にしてみれば、日本で取材していた思春期の学生さんや若者とほとんど同じ世代なのよね。

だったら、聞きたいことはいっぱいある。
知りたいことも、教えてほしいこともいっぱいある。
もちろん、伝えたいことも。

どんなに所在なくても、疎外感を感じても。
そこが私の 「現場」 だと思ったら、私は、そこにいられるし、その空間や、人間を愛おしむことができる。その時間を、存分にスリリングに楽しめる。
新聞記者という仕事を選んで良かったなー、とつくづく思うのはこういう時。

というわけで、ほとんど20年ぶりの学生生活が始まります。
どうやら学生仲間の会話にも行動にも、ほとんどついていけそうにありません。
どうなることやら。
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お友達になlqe

と、いうか、お友達になりたいです。ははは

そうそう、「英語を学ぶ」 のではなく、「英語で学ぶ」・・・だぁ~い賛成。

それに、こういうクラスに入らないと異なる属性の人たちと通り一遍以上のふれあいは難しいと思う。

私も、まねしたい~です。
Let's enjoy !!

いいですね~!
読んでいてうんうん、と納得してしまいました。
内容的にそのうち物足りなくなってくるだろうけど
勉強1色になってしまうのも・・・というお気持ちわかります。

そういや私がカレッジ行ってのは30そこそこだったからまだ20代の子とそれほど年かわらなかったし~
しつこく電話かけてきた人とかいたし^^;
夕方以降夜クラスをとることが多かったので
それなりの事情がある大人がクラスメートに多かったからもう少し落ち着いていたでしょうか。

きっとすばらしい出会いがありますよ!
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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