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米国のビンゴゲームと、トヨタの話

先日、息子の小学校のPTA行事で、ピザビンゴ大会があった。
何かというと、ビンゴをやりながら、ピザやレモネードなどを飲み食いするイベント。
ビンゴ大好き少年の息子は、風邪で学校を早退しているにもかかわらず、「ビンゴだけは絶対に行く!」と言い張ってきかない。
ゆえに親子で参加した。

アメリカのビンゴゲームは、日本のそれとだいぶ違う。
単に一列のマス全部が開けば良い、という普通のルールに加え、「ビッグX」(X字状に9マス開かねばならない)、「5コーナーズ」(4隅4マスが開けば良い)、「ブラックアウト」(1面25マス全部が開かねばならない)など、どんどんルールが変わる。
ルール変更がすべて英語にて告げられるので、もう、こっちは必死。
おまけに最初はルールの内容も分からず、あっちこっちに聞いて回り、えらく疲れるビンゴ大会だった。

日米最大の違いはたぶん、全員に商品が当たるわけじゃない、ということだろう。
日本だと、ほら、子どもたちは 「リーチ!」とか「ビンゴ!」とか盛り上がるものの、心のどこかで、「まあ、全員が何かもらえるわけだし」 と思っている。ゲームも佳境となれば、最後に残った数人の子どもたちの表情も固くはなるが、それを見ているほうも、当人たちも、「何か必ず当たるんだから」という安心感がどこかにある。

しかし、米国では、そうじゃない。
5人ほどビンゴの人が出ると、「じゃあ、もう一度最初からやるわよー」 と合図があり、全員がビンゴのボードをクリアする。
せっかくリーチで後一歩、というところで、また一から出直さねばならない。「いつか当たる」という保証はどこにもない。

この夜、我が親子は圧倒的に運が悪かった。
次々と「ビンゴッ!」の声が上がるなか、息子や私のビンゴカードは、ちっともマスが開いていかない。
賞品は次々消えていき、最後は、ブラックアウトのルール変更が告げられた。いまだ賞品をもらってない十数人の子どもたちが、次々に読み上げられる数字に必死で食らいつく。
いやはや、盛り上がる盛り上がる!

息子はあと2マス、というところまで詰めたけれど、結局そこでゲームオーバー。
親子して何ももらえない夜となったのだった。

これって、この学校のローカルルールなのか、それともアメリカ流のビンゴなのかを知りたくて、在米知人に尋ねてみたら、あちこちから、「全員の子どもに商品をあげなきゃいけない、という発想はすごく日本的なんだよ」 と指摘された。
やっぱり、そうなんだー。
主催者にもよるだろうけれど、少なくとも、日本で学校や、PTAあたりが企画したビンゴゲームであれば、子ども全員分の商品を用意しないと、子どもだけでなく、親からも文句が出そうだものねえ。

時を同じくして、こんな記事を見つけた。
トヨタ会長の張さんの講演会を報じた記事

アメリカのトヨタ工場で、皆勤賞の社員向けに金一封を等しく出そうとしたら、米国人幹部が「それじゃつまんないよ」と言ったんだそうだ。「それより、抽選で10人にカムリ(という車)をプレゼントするほうが面白いし盛り上がるし社員も喜びますよ」と。
それを聞いた日本人役員はこぞって、「そんな不公平な! 何も当たらなかった社員から文句が出るのでは……」と案じたらしい。
が、米国人役員全員の賛成で、試しにこれをやってみると、現地の労働者たちに大好評。それ以来、毎年恒例イベントになった、っていうような話。

ビンゴとトヨタ。
全然、舞台は違うけれども、つまりは、機会の平等か結果の平等か、という話。日米のお国柄の違いを象徴的に示すエピソードだなあ、と思った。
(日本で結果の平等が、米国で機会の平等が、完璧に保証されてるか、というのはまた別の話としても……)

ピザビンゴ大会の片隅から、この国を見つめた夜。
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ビンゴ文化論

ふむ、機会の平等と結果の平等かぁ。なるへそ、と思いました。このように小学校のころから、機会がオープンなら結果は問わないというふうにはぐくまれる訳ね。これぞ当地で生活していなけりゃ分からないお話。この手の話がいままであまり伝わらなかったなぁ。

ビンゴで全員賞品?

私の周りではないなぁ<全員賞品@ビンゴ。
町内会の懇親会で広く浅くってのはあるけれど・・・。

なんだかとーーーってもくじ運のない家族なの。
島田社長@楽天に全部持ってかれた感じ(苦笑)。
#来年は強いぞ~!

さすが、視点が深いなぁ..。
しかし全員に当たるっていっても、
携帯用ティッシュペーパーだったりしたら
ちーっとも嬉しくないけれどね(爆)
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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