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ボルチモア顛末記

家探しや学校探しなど、どこへやら。
行ってまいりました、港町ボルチモア。

今回の目的は、

・ベーブルースの生誕地とその記念館
・全米3位の規模を誇る国立水族館
・マチスのコレクションでは全米1位と言われる美術館

さすがに日帰りじゃあ無理だから、と1泊したわけ。
週間天気予報で、旅行初日と、翌日とで、最高気温が10度も違うことに気付き、「おいおい、まさかね」と思いつつも、念のため、フリースやらセーターを持参したら、これが大正解。
Tシャツでも汗ばむ陽気から、一夜明けたらコート姿もちらほら。
ほんとに10度寒くなったよ。
恐るべし、アメリカ。

初日はアムトラック(鉄道)でボルチモアに。
ホテルで荷物を置き、最初にベーブルースの生家(記念館)に行ってみました。
ほんとは、ボルチモア・オリオールズの野球場カムデム・ヤードの球場ツアーに参加したかったのだけれど、これは9月末で終わっていたようで、ああ、残念!

ベーブルースでびっくりしたのは、彼が高校時代に使っていたというグローブ (キャッチャーミットもあった。彼は、ピッチャーだけでなく、キャッチャーもやっていたのねえ)。
ほとんど皮っきれみたいな感じ。
息子が 「昔はこんな道具で野球をやってたんだ……」とぽつり。

そうなのよ、あんたたちの時代はむちゃくちゃ恵まれてるのよ、だから道具は大事に大事にしなきゃダメなのよ、とついつい教訓を垂れそうになるが、ここはぐっと我慢。

ルースが高校時代に使っていたというバットがあって、それを握れるような形で展示してあったのはありがたかった。
握ってみたら、すごく太い。
「ひええええ」。
息子はもう、それだけで感動。

メジャーリーグの歴史もよく知らない親子なもので、どこまで理解したかと問われれば自信がないけれど、子どもから中年おやじ、爺さんの世代まで、アメリカ男たち (見事なまでに男ばかりだったわー。休日だと女性もいっぱいいるんでしょうが) が実にうれしそうに展示物を愛でているのを見ると、なんか、いいよなあ、と心で笑っちゃったのだった。

息子をある程度満足させたら、その足で一気に美術館へ。
こちらは、館内にあるレストランが結構有名だと聞いていたので、絵を見る前にランチを食べた。

もちろん、注文したのは、ボルチモア名物、クラブケーキ。
いわば、蟹のケーキ、ですな。
蟹肉をほぐして、タマネギだの、パセリだの、ハーブなどを混ぜて、ビスケットみたいな形で焼いたもの、と聞いていたのです。
が、高い。
おしゃれなレストランで、サイドディッシュ付きとはいえ、1個18ドル!!
おいおい、2000円かい?

レストランの姉ちゃんに、「ねえ、どのくらいの大きさ?」と聞いてみたら、姉ちゃんは小さいわっかを指で作って見せてくれた。
直径が小指の長さくらい、か。
そんなもんが2000円もするのか?
そんな小さなものを、親子で半分に分けるのはむちゃくちゃひもじい。

ちなみに2個だと30ドル。
私、勇気出していいました。
「2個ちょーだい」

……しかし、これはほんと、おろかなことでした。
そのクラブケーキ、確かに直径は小指の長さくらいだったけれど、厚さが人差し指の長さくらいあったの。
つまり、円柱。
こんなの、インチキだーーーっ!

バターたっぷりで焼いたため、ものすごいボリューム。
おまけに、蟹食いで有名な息子は、ハーブの味や香りがダメだったのか、一口で 「俺は、要らない。母ちゃんが食べなよ」。

絶対に残してなるものか、と全部食べたら、胸がもたれて死ぬかと思った。
あーあ、こういう時、だれかもう一人大人がいたら、シェアして、おまけにビールとか飲んで盛り上がっちゃうんだけどなー。
こういう時、母子2人旅行はなんか、ダメダメなんだよなあ。

ま、それはそれとして。
マチスはすごかった。点数にしてどのくらいあったんだろう。
でも、数点あったゴーギャンのこの作品が、ものすごく良かった。
ポスターなどの色では絶対に分からない、ものすごい強さを持っていて。あと、タヒチの妻を描いたもので、マンゴーを持ってる絵もすごく色が良かった。

子ども向けのワークブックが無料で配布されていて、「絵の中で一番強い色をマチスはどこに塗っているかな」「一つの絵に模様が何種類含まれているかな」みたいな質問に答えていくうちに、マチスの色遣いの独特な世界や模様へのこだわりについて自然と理解できるようなものに仕上がっていた。
これはすごい。

マチスは、東京・上野に来た時にも、息子を連れて行って、「これは子連れ向きだなあ」と思ったことがあるが、子どもとマチスは絶対に相性がいい、と再度確信した次第。

地元の路線バスをあやふやながら駆使してホテルへ。
休憩後は、夕陽の落ちる港を散歩。
ほんとは海を見ながらシーフードでも食べるつもりだったんだけど……。
昼ご飯を食べ過ぎて全然お腹がすかず、私はこの夜、夕飯を抜きました。2個30ドルのクラブケーキも、2食分だと思えばあきらめがつくか。とほほ。

翌日は、息子が楽しみにしていた水族館へ。
9時開館というのに、6時前から息子は目がぱっちり。開場の9時ぴったりに入館しました。
結論からいえば、この日は入館時間がすべてを決した、という感じ。

ハイシーズンには入館までに待ち時間も生じる、という噂の人気の水族館ですが、さすがに平日の朝の開館直後となると、観光客などほとんどゼロ。
水族館の常で、そこは薄暗い、不気味な空間。
おまけに、妙に不気味なBGMなんかまでかかっていて、おいおい、大丈夫かよ……って感じ。

地の底に沈んでいくように、ホホジロザメやシュモクザメ、ノコギリエイが泳ぐ巨大水槽に降りて行った時はもう、息子もびびって、私の手をずっと握ってました。
いやはや、興奮したーっ。

といっても、わずか2時間後には、小学生の集団がわんさかやってきて、ワイワイガヤガヤと普通の観光地になっちゃってましたけどね。

まあこんな感じで、つつがなく終わったと思われたボルチモア旅行でしたが……。
ボルチモアの駅に着いたら、唖然。
乗るはずの電車が、40分遅れ、という。

がぁあああああああん!
子連れでね、40分も駅で待つのは、なかなかと面倒なのよ。
水族館で買った鮫やイルカの本を日本語訳してやりながら、まだかなぁ、まだかなぁと電光掲示板を見ると、

あーん、「40分遅れ」がいつの間にか、「50分遅れ」になってるー。
あと数分後には、1時間遅れ、になりかねない雰囲気なのだ。

ふと、電光掲示板をよく見ると、私が乗ろうと思っていたワシントンへの急行(みたいな感じの)電車以外に、通勤快速のような電車が走っていることに気付いた。
この電車、通勤時間帯のみ走る電車で、所要時間は少々長いが、その分安い。
「そうか、こっちの電車に切符を替えてもらえばいいんじゃん」
そう気付いた時には、この通勤快速の発車5分前!

息子に荷物を託し、私はチケット売り場へ。
しかしそこには数人の人が並んで待っている。
あーん、間に合うかしらん。

その時、若い女の子が現れ、列に並ぶ我々にこう叫んだ。
「ごめん! 誰か次のワシントン行きに乗る人いる? 発車まで時間がないの。先に窓口に行かせてもらえない?」
彼女が叫んでる意味までは分かるんだけどね。
「いや、私もその電車なのよ。悪いけど、私の次で我慢して!」とお願いするだけのとっさの英語力 (というか勇気だろうな)はない私なのだった。
こういうシチュエーションじゃあ、日本でだってこの一言、言えないんだよなあ、私。

ということで、結局、律儀に並んで、窓口にたどりついたのは発車2分前。
「電車が遅れてるの。だから通勤快速のほうにチケットを替えたいんだけど、そういうことってできるの?」
焦って叫ぶ私に、窓口のおじさん、びっくり。
おいおい、もう、発車時間間際じゃん、という顔で時計を見ると、大急ぎで、

べらべらべらべらべらべらべらべらべらべら~~~。

いえね、普通だったら私、いいますよ。
ぷりーずすぴーくもあすろーりー。
しかし、なにぶん、時間がない。
スローにお話くださったら、こっちも困る。
結局、「べらべらべらべら」の中で聴き取れた「14ドル」を頼りに、14ドルをキャッシュで窓口に放り込む。

おかしいなあ、通勤快速の切符は、私の持ってる急行の切符より安いはずなのに、どうしてさらに、お金を取られるんだろう、と思ったが、こうなったら運を天に任せるしかないじゃーないか。

さて、窓口で私に手渡されたものは……。
1分後に発車予定の通勤快速の切符。
そして、私が窓口に出した、もともとの急行の切符。
つまり払い戻せない、ということか?
二重に料金を払えということか?
日本で「払い戻し」と言えば、発車時刻前というのが原則だもんなあ。でも、電車が遅れてるわけで、厳密には「発車時刻前」じゃん。
ちくしょー、どうなってるわけ?

さすがに、もう一度説明を求めようとしたら、窓口のおじさんが叫んだ。
「早く! 早く! ゲートはCだっ! 走れっ!」

弾かれたように走る私。
ゲートC近くで、スーツケースを転がしながら途方に暮れている息子を見つけ、「別の電車に乗るから、はい、この切符持って、ゲートCに走れ!」
わけもわからないまま、必死で走る息子。

そんなこんなで無事、通勤電車に間に合ったのでした。
ちなみに電車の中で、乗務員さんに事情を話したら、「ワシントンの駅で発券した切符だからね、そっちの駅でなら払い戻ししてくれるんじゃない? インフォメーションで聞いてみて」 だって。

なるほどー。
ボルチモアの駅のおじさんは、そう言ってたのかも。

さて、無事ワシントンに到着後、駅のチケット窓口。
「発車時刻を過ぎたチケットの払い戻しはだめ、と言われたらどうしよう。だいたい、むこうの電車の遅れが原因なんだからさ、絶対に負けないぞ。完璧に英語で説明してやるっ!」と意気込んでいた私。
いよいよ、説明開始。
「私はこの電車でワシントンに来ました(通勤快速の半券を見せる)。しかし、インターネットですでにこちらの電車の切符を購入済みでした(急行のほうの切符を見せる)。が、この電車が1時間以上も遅れたため(と、主張する時は少々大げさに言うのが、アメリカ流かな、と)、仕方なく、別の電車の切符を買わざるを得ませんでした……」

さらに延々と私の説明は続く予定だったんだけどさ。
窓口で、端正な顔立ちのお兄ちゃんが、私の差し出したチケットを見て一言。
「つまり、リファンド(払い戻し)? オーケイ」

………。
もしかして、発車時間後の払い戻しとか、全然問題ないわけ、この国は?
単に私は、りふぁんど・ぷりーず、と言えば済んだわけ?
なんだよー。必死で説明して損した~。

とまあ、最後は妙に疲れた1泊ボルチモア旅行だったのでした。
めでたしめでたし。

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いやー、さすが、バックパッカーやってただけのことはあるねぇ。その行動力、とても見習えません。。。。
(私は小心者のA型なのよ。)
でもほんとにお疲れ様でした。いまだにメトラにも一人で乗れないし、高速なんて運転したこと無い私には尊敬ものですわ。

初めまして。
一気に拝読してしまいました。
毎日毎日が 刺激的。
& 素晴らしい行動力。すごい・・。

アメリカの東半分には行ったことがなく
テレビで見るだけの世界なのですが
拝読していて ほんとに 面白いです。
(ありがとうございます。)

楽しそうね

元気にやってるね~。うらやましいわ!

とりわけクラブケーキが懐かしです。
高くてなかなか食べられなかったけど、私は大好きでした。日本ではお目にかかったことないよねえ。

早く家が見つかるといいね。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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