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記事244◆飼い犬の世界にもお受験?!、の記事

かつて、犬を飼う世界と、人間の子育てとの類似点について、本を書けないかと思ったことがあります。「公園デビュー」から「過干渉」まで、何でもありですから。それでも、犬は「お受験」とは無縁だと思ってたんですけどねえ……。


■掲載年月日 2006年10月04日
■犬もお受験ブーム!?
■「賢さ」にこだわる飼い主
■人間の子育てと同じ、期待はほどほどに…


 犬の「賢さ」にこだわる飼い主が増えている。犬の知能指数(IQ)診断が人気を集め、犬用の知育玩具まで登場。子犬が通う幼稚園も大人気だ。もしかして犬の世界も「お受験」ブーム?


□「個性尊重、ほめて育てる」

 ここは「犬のようちえん」(東京都目黒区)。女性トレーナーが指を立てると、じゃれ合っていた子犬たちが次々とお座りして見せた。トイプードルにチワワにヨークシャーテリア。毎日、人気の犬種の子犬たち約20匹が通う。送迎バスで登園、ドッグフードの弁当を食べ、散歩や昼寝をし、連絡帳だってある。ホンモノの幼稚園そっくり!
 お座り、待て、伏せなどの指示やトイレ習慣のほか、社会性を身につけるのが目的だ。週3回計36回の小型犬向けコースで授業料は約26万円。決して安くはないが、「楽しそうに通う愛犬の姿がうれしい」「しつけに迷った時の心の支えになってくれる」「幼犬のうちに正しいしつけを教えられる」と飼い主たちの評判は上々なのだ。
 運営するアニマルプラザによると、00年に開園した当時は「日本初の試み」(同社)だったが、6年間で同社だけでも5園に増えた。幼稚園や保育園を名乗る同業他社も増え始めたという。
 「犬のようちえん」の教育方針は「個性を尊重し、ほめて育てる」こと。ホームページでは「最近急増中の『キレる犬』や『犬見知りする犬』になりません」と宣伝する。これを見た時は、1児の母である私も驚いた。これじゃまるで人間の子育てだ。
 そういえばここ数年、犬の飼育と子育てが段々と似通ってきている。飼い主同士が「○○ママ」「○○パパ」と呼び合うのは序の口。約10年前、育児雑誌が「公園デビュー」向けの服装やマナーなどを特集した時には、ペット雑誌も飼い主向けの公園デビュー特集を組んだっけ。

□一緒にDVD

 「犬の飼育は今や、人間の子育てと全く同じ」と断言するのは、かまくらげんき動物病院(神奈川県鎌倉市)の石野孝院長だ。「実は、初めて犬を飼う人の間で最近、『どうやってしつけたらいいの?』という育児ノイローゼが増えているんです。一方で、犬とダンスする教室やフライングディスク大会など、犬関連の競技会が過熱しています。犬の世界でも『お受験』ブームと言えるほどです」という。
 そんな石野院長のアイデアで6月に発売されたのが「ポチ教授の犬Q(ワンキュー)診断」(4980円)という名のDVD。犬とDVDを見て、画面で突然鳴り出す赤いサイレンに犬がどう反応するか、飼い主が着ぐるみを着て犬に接した時、犬は飼い主と気付けるか、などの質問に答えるうち、犬のIQや性格が分かる、という商品だ。レンタル用も含めて約1000枚が売れた。特に犬を我が子のように育てる夫婦や年配者に人気だという。
 このDVDを2歳のミニチュアダックスフントに試した都内の会社員女性(43)は、「IQは82でした。性格診断は『マイペース』と出て、なるほど当たってる、と思いました。犬を3匹飼ってる友人にDVDの話をしたら、彼女も『おもしろそう。やってみたい!』と言ってましたよ」と語る。
 飼い主はなぜ、犬の「賢さ」が気になるのか。石野院長は「犬の社会的な地位の変化」を一番の理由に挙げる。「犬はかつては番犬でした。でも今は共同生活者。マンションで暮らしたり、レストランに一緒に入るためには、しつけは欠かせません。また、消費者金融のマスコット犬、くぅ~ちゃんのようなスター犬が登場したことで、自分の犬を他の犬と差別化したい飼い主も増えているのでしょう」

□本当の愛情って

 そんな折、売れ始めたのが犬向けの知育玩具。欧米諸国からの輸入商品しかなかったが、数年前から国産品が現れた。業界関係者は「右肩上がりが期待されるマーケット」と口をそろえる。多くは押したり転がしたりして中のエサを取り出す仕組みで、犬の学習能力を高める効果があるという。
 ただし、飼い主たちが犬の英才教育のために買っているかというと、案外そうではないらしい。開発販売に取り組む大手ペット関連会社「ドギーマンハヤシ」(大阪市)の営業企画部長は「犬の能力開発という以上に、犬が玩具に熱中してくれると、その間は飼い主も楽ができる、ということでも喜ばれています」。ドキッ。これって、親が子どもに玩具を与える時の心理に似ているかも……。
 さて、子どもにも犬にも親(飼い主)の思いが重くのしかかるこの時代。自らも犬を飼い、「本物の愛犬家」を自負する哲学者、池田晶子さんは「犬の潜在能力を知りたい飼い主の気持ちもよく分かるし、IQ診断や玩具を通して犬と飼い主が一緒に楽しめるなら、それはすてきなことだと思う」と語る。「ただ、子育てにおける『お受験』みたいになってしまったら、それは犬への純粋な愛情かしら?」とも。
 子どもにも、犬にも、期待するのはほどほどがいいかも……。

◇目指すゴールは違うから
--帝京科学大アニマルサイエンス学科・横山章光助教授

 子育てと犬を飼うことは確かに似ていますね。特に最近は、人間の子育て並みの過剰な期待を犬に寄せる飼い主もちらほらみかけます。
 ただ、親(飼い主)が子ども(犬)に求めるものや、目指すゴールは、やはり違う気がします。人間の場合、子どもは親の死後も生きる。だから子どもに施す親の教育が、子の将来にかかわってきます。一方、犬の場合、犬は飼い主より先に死ぬことがほとんどなので、飼い主の死後の犬に生活力があるか、自立できるかなどの問題を考える必要はありません。
 IQ診断などに人気が集まっているのも、自分の犬の優秀さを確かめたい、という思いが強いというよりは、できればできたでほめ、できなければできないで「かわいいねえ」と笑う、そんな犬を通したコミュニケーションが楽しいからではないでしょうか。
 過剰な期待や方向性を押しつけている、という点では、僕はむしろ犬の飼い主より、人間の子育てのほうが心配です。犬の飼い主のほうが、「できないところが、これまたかわいい~」という心の余裕があるように見えるから。
 その点では、人間の子育てのほうが犬の飼育に学んでもいい時代かもしれませんよ。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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