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☆浅草新春歌舞伎

☆浅草新春歌舞伎

昼の部を見てきました。
一幕の「鳴神」がむちゃくちゃすごかったです。
あらすじがわかりやすく、変化に富んだ素人にも楽しめる狂言でした。

あらすじはこんな感じ。
平安時代、戒壇建立を帝に許されず怒った鳴神上人は、世界中の竜神を北山の滝壷へとじこめ、そのため三ヶ月もの雨が降らくなってしまった。その滝にもとに美しい姫が登場。手練手管で鳴神上人に迫り、仮病をつかう。鳴神は「自分の手には病気を治す力がある」と言って女の懐に手を入れ、生まれて始めて女の乳房に触ってしまう。その瞬間、本能ムラムラ、教えを捨てて女と結婚すると決める。結局は、女に酒を飲まされ、酔いつぶれて寝ているうちに、滝壺のしめ縄を切られ、竜神は天へと登り、久しぶりに雨が降る。
裏切られたと知った鳴神は、怒りの姿に変わり、弟子達を投げ飛ばし、大暴れしたあと、雷となって姫を追っていく……。

鳴神に扮する中村獅道さんの最後の怒りのシーンはものすごい迫力でした。ぞくぞくしました。
姫役の市川亀治郎さんのきれいなこと!! 着物もきれいだけど、本人もきれかった。
彼女(彼、か)の色仕掛けシーンは、あれはもう、女でも、万人がやられます。
高木美智子さんのイヤホンガイドの内容もとてもよくて、素人の私でも心から楽しむことができました。おすすめ。

一方、仮名手本忠臣蔵は今回、五段目と六段目。
早野勘平という男が主人公で、もうストーリーの破天荒なこと!(今の時代から見ると信じられない)。かつて赤穂の武士だが、今は貧しき猟師、という勘平は、主君の敵に討ち入る計画があると聞いて参加したいが、金がなくて認めてもらえない。一方、その妻と両親は、婿のために一計をこうじる。なんとなんと、妻が身売りして金を作る、ってんだから。おいおいおいおいおい。
さらに、娘を身売りした金を婿に早く手渡そうとしていた勘平の妻の父親は、途中で強盗に殺され、金を盗まれてしまう。ちょうどそのころ、勘平がそこを通りかかり、真っ暗闇の中、いのししと思って鉄砲を撃ったらそれが強盗に当たる。誰とは知らず、暗闇の中で懐をまさぐると、50両の入った財布が……。勘平は天からの授かり、とその財布を手にしてしまう。
が、家につくと妻から身売りの話しを聞かされ、50両を持ち帰るはずの父がまだ帰ってこないと知らされる。勘平は自分が義父を殺してしまったと勘違いし、おまけに娘を売ってまで自分のために付くってくれた金だったことを知り、大変なショックを受ける。

とまあ、ここまではいいよ。大映テレビ並みの「偶然」の連続が作り上げるあまりに残酷なストーリー。
妻の身売りについても、こういう時代もあったんだろう、許そう。
しかしだな。

義父の遺体が運び込まれ、赤穂の武士仲間からも「金のために親を切るとは」とかなじられて、勘平は死んで身の潔癖をあかそうと腹に刀を差しちゃうわけ。
切腹してから死ぬまでの間に、なんと義父の傷が鉄砲傷ではなく刀傷だということから勘平ではなく強盗に殺されたことが判明。
さて、あなたならどうする?

私だったらさ、手元にある金でまず妻を買い戻すよ。
ところが勘平はまずその金を赤穂浪士に託し、討ち入りの血判状に名前を書いて死んじゃうんだな。妻は売り飛ばしたまま。置いた義母は一人田舎に残される。
こんなのってあり?

と、ストーリーに怒り始めると、歌舞伎は楽しめないと頭じゃわかっているけれど、おい、勘平、つまらん男の意地だか武士のプライドだか義理だかしらんが、私は許せん……となってしまったのでした。ちゃんちゃん。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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