家の近所の東京・谷中にはたくさんの寺院があって、この街に引っ越してきた時から、いつも我が家の格好の散歩道となっている。
谷中の寺をつたい歩くたび、もう何年間もずっとずっとナゾだったのが、寺院の門に立つ「
山門不幸」の文字。
黒々と墨で書かれたこの文字、どういう意味なんだろう、と不思議だった。
毎回同じ寺院に立っているわけではなく、今日はここ、昨日はあちら、という感じ。でも必ずこの看板を1回は目にするような気がして、目にするたび、「家に帰ったらネットで調べてみよう」と思うのだけど、なぜかしら必ず自宅に帰ると忘れてしまって……そんなことをもう5年も繰り返してきた。
今夜はなぜか突然、それを思い出し、ネットで検索してみた。
なんと。
そのお寺のご住職が逝去された時に立てる札なんだと。
いわゆる「喪中」というわけ。
歩くたびに目にしていた気がするけど、その数の人が死んでいたのだと思うと、ちょっと複雑な気がした。
実は、毎回違うお寺に札が立つものだから、「山門不幸」という何かしら当番のようなものを地域のお寺が回り持ちで順番に担当しているんだと予想していたものだから。
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