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記事153◆中高年に同窓会が大ブーム、の記事

■2004年07月14日
■中高年の同窓会ブーム
■ホテルの夏物プラン、思わぬ大ヒットに

◇僕ら幾つになっても…♪あーあー高校3年生


 同窓会の話題を耳にすることが増えた。といっても私のではない。上司や親、つまり50、60代の話だ。どうやら中高年で同窓会がブームらしい。団塊世代が50代後半に入り、同窓会人口がさらに増えているようなのである。

 ◆「この年だから楽しい」

 日曜日の昼下がり、帝国ホテルでは東京都立竹早高17回生の同窓会が開かれた。あと2年で還暦という男女約80人が集まった。卒業から40年。20年前から4年に1度開いている。懐かしい再会に、女性たちは抱き合い、涙ぐむ人も。
 代表幹事の永長さん(58)が壇上に立った。「卒業して40年が過ぎ」と切り出すと、一斉にどよめき。「あと2年で還暦……」と続けたところで今度は苦笑い。別々の人生を送ってきても、同じように年を重ねた者同士の一体感が会場に満ちていく。
 74歳になる恩師がマイクを握り、「君たちは新幹線ができて日本が突っ走った時代を生きた」と語りかけると、出席者の表情がふっと素直になった。いくつになっても先生の前では生徒の顔だ。

 同窓会の魅力とは何か。
 「いくつになってもすぐに学生時代に戻れるからうれしい」と女性たち。男性たちは「僕らは30分かかるなあ。でも30分あれば学生時代に戻れる。顔も名前も自然と思い出すんだ」。見回すと、さっきまで女性パワーにおされ気味だった男性たちもアルコールの力を借りたか、昔の調子を取り戻している。ひじ鉄を食らわせたり、肩を抱き合ったり、腹を抱えて笑い転げたり……。遠慮が消え、身ぶりも表情も若々しく変化してゆく。

 話題はもっぱら昔話だ。それから孫の有無と趣味。仕事の話はしない。「よほど羽振りが良く見えるヤツには『おい、もうけてるだろ~』なんて冗談も言えますが。相手の状況もわからないのに、仕事のことなど聞けないでしょ」。思慮深いのも年の功だ。「38歳で初めて同窓会をやったときは、互いの地位とかを気にしてギラギラしてたもんなあ」「年のせいか妙に学生時代が懐かしくてねえ」「卒業して40年もたつともう卒業後の人生を詳しく尋ね合うこともない。この年だからこそ、の気楽さでしょうか」。男性陣は口々に言った。

 最後は校歌斉唱だ。歌詞カードを見ずに歌う人たちに驚いていたら、「メガネがなきゃ見えないの。見え張ってんだ」と隣の男性がこっそり教えてくれた。

 ◆ネットビジネスも

 同窓会の主役は中高年だ。帝国ホテルは93年、「夏はホテルで同窓会」というキャッチフレーズで同窓会プランを打ち出した。結婚式が減る6~9月の夏場対策だったが、これが思わぬ大ヒット。今では毎年期間中に1万6000人が利用する。圧倒的に多いのが40代後半~60代だ。「団塊世代もメーンターゲットに入った。今後さらにニーズが期待できる」(広報課)という。
 同窓会を扱うネットビジネスも好調だ。「同窓会ネット」(大阪市北区、http://www.dousoukainet.com/)は02年秋に同窓会のトータルサービスを開始した。幹事が一番苦労する名簿作り、案内状発送、出欠名簿作成、会場手配から当日の準備進行、思い出のホームページ作りまでやってくれる。
 利用者は月十数件。お盆には毎日約10件の予約が入っている。利用者の多くは30~50代だが「これからは中高年の利用者が増えていくと思う。人は出世や社会的立場に先が見えると、ヨコのつながりがほしくなるのでしょう」と伊丹正人社長はいう。

 288万人を超える登録者がいるウェブ同窓会「この指とまれ!」(http://www.yubitoma.or.jp/)は、小学校から大学までの約5万校から母校を探して登録すると、同窓生と掲示板などでやりとりできる参加型サイトだ。96年の開始当時、会員のほとんどが20、30代だった。しかし最近になって40、50代の新規入会者が増えているという。
 運営会社「ゆびとま」(長崎市)の蒲原幸也副社長は「年を重ねるほどに同窓生が懐かしくなるもの。『会社でパソコンを使わされ苦痛だったが、同窓生とネットでつながりたいので、このサイトのためにパソコンを買った』という中高年からのメールも頻繁に届きますよ」という。

 ◆「大衆化した青春」

 中には深みにはまる人も。夫(64)の定年後の様子を夫に秘密で「サンデー毎日」に連載中の作家、小川有里さん(57)は「4年前に退職した夫は今や同窓会命。今月は高校の、来月は大学の……と毎月出かけていく。男の人は退職しても新しい関係を作るのが下手だからかな」。夫の「同窓会症候群」が深刻になったのは、定年退職後だ。「今年は故郷の高知に行くほか、同窓生のいる中国・上海にもみんなで行くそうで……」と小川さんもあきれ顔だ。

 同窓会ブームが中高年に広がっている背景に、時代と世代という二つの要因があると竹内洋・京大大学院教授(教育社会学)は指摘する。「ノスタルジックな雰囲気に包まれた時代、世の中が同窓会を求めているといえます。昭和懐古ブームと似ています」。さらに「今の50代は、高校教育が大衆化し、青春を謳歌(おうか)できた最初の世代です。青春は学校と不可分ですからね」。

 なるほど高校進学率(通信制を除く)が7割を突破したのが65年。歌手舟木一夫さんの「高校三年生」が流行したのが63年だった。「濃密な青春を送った最後の世代かもしれませんよ。それ以降の人は学校にそれほどの輝きをもう感じないでしょうから」と竹内教授。

 ひとたび集まれば輝かしい青春を取り戻せる世代。少々うらやましい話なのだった。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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