とりあえず、遅ればせながら、ビリーズブートキャンプの24日のイベントに絡めた記事でございます。
今回の記事のコンセプトは、「
おいおい、日本でダイエットといえば、『○○だけでやせる』とか『楽してやせる』が王道だろうに、なぜこんなハードなエクササイズが受けるわけ?」という疑問に尽きます。
記事:
苦行だが大人気、ビリーのDVD夕刊一面記事なので、結構削りこまれちゃって、味気のない記事になっちゃってます。
記事の最後は、スポーツ医学の専門家のコメントを引いて、「メタボ予備軍の中高年は、飛んだりはねたりするより、酒の量を減らしたほうが……」というようなところに落としてます。
実は第一稿には最後の一文に、
でも、あたしは「生ビリー」より「生ビール」がいいな。なんてオヤジギャグを加えていたのですが、さすがにまずかろう、と自ら削除。
そのかわりに、
うーん。エクササイズの後の生ビールは最高なんだけどなあ。と書き加えてみたが、これもデスクにばっさり削られちゃったわん。ははは。
ビリー氏自身より、その魅力についてファンたちから声を集めることを重視して臨んだ取材だったんですが、結果からいうと、ビリー氏のトークは極めて印象的でした。
なんというか……むちゃくちゃ精神論な人なのね。
テレビで「キワモノ」のように扱われると、サービス精神が旺盛なだけにそこに乗っかっちゃう人のようですが、ご本人は実は極めて生真面目な人と見た。
筋肉隆々=脳みそ筋肉、という偏見はダメよダメダメ、と自分に言い聞かせた次第。
いえね。
みなでワークアウトしてるうちは良かったの。DVDの中の普段のビリーと同じ。ずっとしゃべり続け、励まし続ける。
ところがその後のトークタイムがすごかった。
私のつたない英語力ですから、細部は色々と間違えてるんでしょうが。
何しろ、いつものあのテンションで、
Who's got the power?!!!
Who's the boss?!!!
Is it exercise, or you?!!!とか熱く語りかけちゃう。
ところが、通訳さんはこれを同じテンションで語れるわけもなく、おまけに「~ですか?」と丁寧語で訳すし、おのずと通訳のタイムラグの間にテンションは下がっていく。
おまけに、こういう時、私たち日本人って、同じテンションで英語で
I've got the power! とか叫べないじゃん。
英語だって恥ずかしいけど、日本語だったらもっと恥ずかしいぞ、みたいな。
Do you love yourself?
How much?
とか真剣に聞いちゃうし。
この手のトークを通訳することの難しさを今回はまざまざと見せつけられた次第。
最後に、ビリー氏は真剣な眼差しで、
You've got a power! とお互いに大きな声で言い合い、抱き合え、と言うわけ。
それも、できるだけ見知らぬ相手とやってくれ、と。
動揺し、ついつい、恥ずかしがって笑っちゃう参加者たちに、ビリー氏はあの大きな瞳をキラキラさせながら悲しげに、「no laugh...」とか言うんだが、いやはや、日本人にはちと難易度が高いんじゃないだろか。
見知らぬ人とのハグ。
一つ間違えたら、自己開発セミナーの世界かも。
参加者の一人が「道徳の授業みたいだった」と漏らしたのもうなづけました。
ただ、記者会見で、さらに彼の受け答えを見ていて、これは本当にテレビで描かれている人物像とは随分違うなあ、と感じた次第。
200人の記者の囲み取材、という騒ぎだったのですが。
例えば、「日本では楽にやせる、という風潮がありますが」という質問には、
There's no easy success.
まったくおっしゃる通り。
私たちがちゃーんとそれさえ分かってたら「あるある大辞典」だの納豆だのの騒ぎもなかっただろうに。
さらに彼は言うわけです。
I don't train my body. I train my heart, my mind!んでもって、鍛えられた肉体は、鍛えられた精神の単なる結果に過ぎない、と持論をとうとうと述べておられました。みんな、やせたい、とか身体を変えたいとか思いすぎだ、とも。
一言で言うなれば、この記者会見、
禅問答に近かったな。
例えば、
「好きな女性のタイプは?」という質問に、遠くを見つめながらうっとりと言う一言が、
What's in the soul...「新たに挑戦したいことって何ですか?」と問われても、
「
いつもオレは挑戦していたいんだ」(ごめん、英文でメモしてない)
微妙に記者の問いかけと答が食い違っていて、それなのにビリー氏はいくつもいくつも言葉を費やして、極めて誠実に、驚くほど誠実に、心がいかに大事か、魂がいかに大事かを、とうとうと語り続けるのでした。
それにしても51歳の身体とは思えませんでした。
普通、「年齢詐称」って若く年齢を詐称するものだけど、もしも彼が実は41歳(……って私と同年齢か)だったと言われても、「ああ、やっぱりねー」とか納得しちゃうくらい、若々しい肉体に見えたのでした。
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