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★娘よ、ゆっくり大きくなりなさい (著・堀切和雅)

★娘よ、ゆっくり大きくなりなさい
  ……ミトコンドリア病の子と生きる(著・堀切和雅)

1960年生まれ、劇作家でエッセイストで、かつて岩波書店の編集者だった著者。この人の「『30代後半』という病気」(築地書店)という本が好きだったのでした。

この本は、たくさんの人に読んでほしいです。
これまで、難病の子を持つ親御さんの体験記は何冊か読んできましたが、何が違うかというと、お父さんがたまたま、文章のプロであった、ということ。
だから、感情に流されず、自分の動揺や不安や焦りや喜び、そして希望を、一呼吸置いて、咀嚼して、書いてくれています。自分の心の動きを常に観察する「もう一人の自分」がいる感じです。

とてもさりげない一文が、句読点や改行までが、著者の思いを余すところなく伝えていて、胸に染みました。

「響ちゃん」と名付けられたお子さんの人生の意味について書いた文章がとても好きです。

意味。若い日以来、この宇宙の意味について、ずいぶん考え込んでいた時期がある。この宇宙は、意味を持って造られているのか? そしてその宇宙に、なぜ、宇宙そのものについての問いを発する存在が生まれたのか。
結論。世界や宇宙の側には、意味はない。意味も、なぜという問いも、答も、すべて人間の側にある。
(中略)
この世界で、出来事そのものはランダムに、理由なく起こる。しかし、それを受ける側が、そこから意味を、理由を、創り出すことはできるのだ。
(中略)
意味と理由が分かっても、分からなくても、響を育てるというタスクは、僕たちの目の前にある。「待ったなし」で。
だから「考えている場合ではない」。そして、全うされる人生にも、中断される人生にも、その瞬間・瞬間・瞬間……いくらでも微細に分割されうるしべての刻(とき)に、意味は拓(ひら)かれうる。そのはずだ。
そしてもちろんのこと、僕らは別の人生を選べない。ならば、こう考えるのが良い。
「響がいることそのものに意味がある」
いや、少し違うな。
「響がいる人生が、僕らの人生なのだ」「それは選択の問題を超えている」


長めに引用させてもらったのは、自分でまた何度も読み返したかったからです。
たまたま、本当に偶然、この本が手元に届いた日は、まさに息子の小学校の保護者会があった日で、あれこれと悩まずにいられなかった夜で。
この夜に、この本に出会って、よかったと思いました。

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2度の連載をリアルタイムで読んでいました。(>本になったのは、一度めの分だけだったんじゃないかな。)
お子さんとその日を無事過ごせた、ということの感謝で日々を送っていらっしゃることがよ~く伝わる内容で、読むのを毎週楽しみにしていました。
またしばらくして響ちゃんのその後が読めるといいな、と思っています。
 ひるがえって、そんな感謝で自分の子と向き合っていない自分を恥じてます(汗)

くろにゃんさん。

リアルタイムに連載をお読みになっていたんですねえ。

>ひるがえって、そんな感謝で自分の子と向き合って
>いない自分を恥じてます(汗)

そうなんですー。
私も。ちょうど保護者会の後、いろいろと気持ちがささくれ立ってた時だったので、非常に感じてしまいました~。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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