スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「くやしいと思いました」のDS紛失事件!

本日、自宅の鍵を総取っ替えした。
原因は……息子のDS紛失事件。とほほ。

事の始まりは昨日。
週に1度の「学童保育を休んでお友達の家でDSデー」が再びやってきた。
息子はもう3日前からうきうき。早速お友達と遊ぶ約束を取り結び、前夜からDSを充電し、準備に余念がない。
そんなわけで上機嫌だったわけだが。

待ちに待った「DSデー」の夕方。
帰宅途中に私の携帯電話が鳴った。お友達の家から、息子がかけてきたのだ。
「母ちゃん……(ここでこれまでこらえていたらしい感情があふれ、涙声に)。大変なことになっちゃった。神社でキャッチボールして、そこに上着を忘れて帰ってきたんだけど、今、見に行ったらもうなかったの。ポケットにDSが入ってたのに……」

久しぶりに聞いたなあ。息子の涙声。
やはり母ちゃんというのは息子の涙声に弱いのだなあ、とあらためて実感。
「すぐに迎えに行くから待ってなさい」と答え、神社に遺失物の上着が届いていないかどうかを電話で確認。やっぱりダメ。
次に近くの交番に寄って事情を話すと、「その件ならすでに、息子さんがお友達のおばあちゃんと一緒に届けを出されましたよ」とのこと。
交番までお付き合いしてくださったとは!、と慌てて、息子の友人宅に持って行く和菓子を購入し、いそいそとその友人宅へ。

友人宅では息子はさすがに泣くまいと我慢しており、できるだけ平然と振る舞っていた。
「原則自宅では禁止。遊ぶのは友だちと一緒にいる時のみ」というルールを作った時点で、家の外で遊ぶわけだから、壊れるか、なくすか、盗まれるか、というのは想定内だったんだけど、それにしても、わずか2回目の「DSデー」でなくすというのは想定外だったわ。
一応、真っ暗な神社を一通り探し、それから帰宅。

DS出費がムダになったのは痛いけれども、我が家からこれで晴れてゲーム機が消えたわけで、まあいいか、と割り切っていた私に、しかし、息子は追い打ちをかけるのである。
「実はね、上着の中には、鍵も入ってた……」
どっひゃーーーーーーん!!
今度は私が動揺する番だった。
DSにはしっかり息子のフルネームが書いてある。
ということは、拾った人によっては我が家の住所や部屋番号を十分特定できる、ということ。ピッキングにもカム送りにも強い防犯性の高いKABA鍵をせっかくつけてあるのに、それを落としたんじゃあ、防犯も何も、あったもんじゃない!

自宅に戻ると、部屋の片隅で私に背を向け、鼻をすすりあげる息子。
一方、私はといえば、鍵の取り替え業者をネットで検索し、電話し、どうにか翌日の出勤までに来てもらえないか、必死の交渉。
どうにかこうにか交渉成立。すすり泣く息子に声をかけた。
「大丈夫。明日には鍵を替えてくれるって。これで泥棒の心配はなくなった。でもあなたがなくしたせいで鍵を取り替えることになるんだから、費用の1万4700円は自分で負担しなさいね」

息子はぐっと涙をこらえ、小銭をためこんだ大きな貯金箱を開き、100円玉を一つひとつ数え、1万4700円分を探し出している。その間に、私は夕飯作り。
鍵問題を解決できたところで、私はようやく心の余裕を取り戻す。

思い出しては涙ぐみ、ティッシュで目頭を押さえ、でも号泣だけは意地でもせずに、箸を動かす息子を見ていると、少々哀れ。
DSを家から持ち出す時は、上着のポケットなどに入れず、きちんと鞄に入れて持って行きなさい、管理は重々慎重にやりなさい、とこれまでも口酸っぱく説いてきたこと、それを守っていれば今回もなくならなかっただろうことを説明し、ゲーム機をめぐっては色々なトラブル、時には暴力事件や盗難事件だって起こりうるわけで、その管理はとても難しいんだということを一通り説明してやった。

すると息子は、たぶん自分を納得させる理由がほしかったんだろう、こう言った。
「そんな嫌な目に遭ったりもするのがゲーム機なら、早いうちになくなってよかったのかもね」
ところがところが。
今度は私、息子のこの一言で切れてしまいました。
はい。

「そんなことあるわけないでしょ。なくなったほうが良かったモノなんてないの。モノをなくすってそんな簡単なことじゃないの。母ちゃんは、そもそもあんたのゲームには反対だったけれど、あんたがお友達と遊びたいというから、たくさんの人に相談して、相談に乗ってもらって、父ちゃんと話し合って、悩んで、それでもあんたが約束を守れると言ったから、今度はどうにか買ってあげたいと思って、毎晩毎晩パソコンで調べたり、あちこちのお店に電話したり、朝から買いに行ったりして、たくさんの時間を遣って、DSを買ったの。あのDSは、そうやって買ったDSだったの」

気付けばポロポロと泣いてました、私。

「モノをなくすのは仕方ない。誰だって失敗はある。だからなくしたことは母ちゃんは怒らない。でも、モノをなくしたことを簡単なことのように思ったら母ちゃんは許さない。お金で買い直せば済むなんて問題じゃないの。お金で買えないものだっていっぱいあるの。少なくとも、母ちゃんはあのDSに、いっぱい色々な思いをこめていたの」

泣いて諭すなんて、1年に1度もない事態ですから、息子も相当にびびったらしく、目を真っ赤にしてました。
で、しばし2人で、ティッシュのお世話に。

息子とその後話し合い、「週に1度の学童休みはそのまま続ける。でもDSがないままお友達と遊ぶことを我慢する」という話に落ち着いたのでした。

ところが、ところが。
鍵交換のことで電話を入れておいた夫が、その後、仕事の合間に電話を寄越し、私が「鍵交換台はあの子に払わせるから」と言ったら、「おまえ、そりゃあ違うだろう」と。
「鍵は、大人だって子どもだってなくす時はなくす。なくしたことは仕方ないことだ。それを子どもに払わせるのはいかがなものか」というのが夫の理屈。
まあ、確かになー、一理ある。

さらに夫曰く、「鍵の金は大人が払えばいい。それより問題はDSだ。もし、あいつがDSをもう一度ほしいというなら、今度は自分の金で買わせろ」。

は? もう一度、買わせるの?
思わず私は電話口で反論。

「私は反対。結局自分で管理できなかったわけだから。まだ持たせるのは早いのよ。こういう失敗をしなくなる年まで、やっぱりゲームはもう買わないし、買わせない」と私。
「じゃあ、また、あいつが友達と一緒に遊べなくてもいいのか。友だちと遊ぶための道具だったから、ああやって色々なルールも決めて、あいつもそれを守ってきたんだろう」と夫。

ぐぐぐ、と心が揺れるあたりが、私の弱いところよね。
確かに、そうなんだな。
親との約束を破り、こっそり家で遊んでいたとか、ルールを破ったとかいう事ならば、話は早い。即、ゲーム禁止。これがルールだ。
でもなあ。
今回の場合は違う。
息子はゲームを手に入れて2週間足らずの間、ゲームの在処を知っていながら(私もあえて隠さなかったし)、自分から触ることもなかったし、ルールもよく守ってきたんだよな。ただ、不注意でなくしてしまった。不注意は誰にでもあることで、肝心なのは、その体験からどのくらい学んで、同じ過ちを繰り返さないか、ってことなんだよな。
普段は、夫が「怖い叱り役」で、私が「優しいフォロー役」を分担することが多い我が家なんだけれど、今回は逆でいってみようか、と夫婦でも相談した。

夫との電話を切った後、息子に告げた。
「鍵代を子どもに払わせるのは父ちゃんは反対だって。確かに、母ちゃんも考えてみた。鍵がなくなったことで家族全員の安全が危うくなった。それはあんたの責任だけれど、家の安全を守るのは大人の仕事だ。だから鍵代は母ちゃんと父ちゃんでなんとかする」
息子は真剣な表情でうなづいた。
「さらにもう一つ。母ちゃんはDSをもう一度買うという気にはもうなれない。なくしたことは仕方がないけれど、一生懸命時間と手間を使ってあんたのために頑張って買ったDSがなくなって、母ちゃんは母ちゃんで実はかなりショックだったからね。なくしたからまた次、という気持ちにはなれないの。でも父ちゃんは、あんたのDSでなく、これまでと同じように、大人が管理するDSを、あんたのお金で買い直したい、というなら、それは許可する、っていってる。ただし、どこも品切れでなかなか手に入らないからね。これからどうするかは父ちゃんと相談しなさい。母ちゃんは一切手助けしません」

息子は、ようやく希望の光を見たんだろう。どんなに時間がかかっても我慢して探す、と言ったのだった。

まあ、頑張ってくれたまえ、と私は内心思う。
「君の父ちゃんは、母ちゃんのように凝り性で集中力のあるタイプじゃあないから、DSを探す、といっても、買えるころには春が来てるぜ」とも。

またいつかDSを買うことができる、と知り、俄然食欲を発揮し始めた息子に、せっかくだから色々な話をしてやった。
私も実は去年、取材相手から借りた大切な写真を、社内の銀行のATMの中にうっかり置き忘れ、翌日真っ青になったこと。翌日、遺失物預かりに届けられていることを知った時は、涙が出るほどうれしくて、届けてくれた人に心から感謝したこと。
「一番なくして怖いのは、お金で買い直せないもの。特に、お友達など他人から借りた大切なものをなくした時なんだよ。今回のことは悔しかっただろうけれど、ちゃんと覚えて起きなさい。同じ失敗を繰り返さないためにね」とも。

こうなったら今回のDS紛失体験(被害総額は、鍵とDSとソフトと上着で総計4万円くらいか)から、できる限りの学習をしてもらおうと思って、学校の宿題の日記にも正直にDS紛失を書いてみなさい、と息子に命じた。
ちらりと息子の日記を見てみれば、なんと「今日、○○くんの家でDSやテレビゲームで遊びました。たのしかったです」と書いてある。
ウソ書くな、ウソを!
「真実を書け」と迫る母に、息子は、「ええええ!」と本気で嫌そうな顔。

「あんたがDSをなくしたことは当然、先生の耳にも入ること。隠すようなことじゃない。落としものは誰だってすること。楽しいことやうれしいことばかり書くのが日記じゃないの。こういう悔しかったことや、後悔していることをきちんと自分で文章にすることこそが大事。日記に書いておいてごらん。同じ失敗をしないためにも役に立つから」と説得した。
作文大嫌い少年の息子が、「何を書けばいいかわからない」「自分の気持ちを書け、って母ちゃんはいうけれど、自分の気持ちって何だよ」などと文句をいいつつ、何十分もかけて書いたのが、次の一文。

僕は、くやしい、と思いました。

く~~、何十分も悩んで、これだけかよ。
でも実感のこもった一文なのだった。
そりゃ、悔しかろう。
実質3日。10時間と触ってなかったDSだもんなー。

帰宅した夫が、息子の寝顔を見ながらポツリと一言つぶやいた。
「この日のことは、こいつ、絶対に一生忘れないんだろうなあ」
なんだか大変な一日だったけれど(特に息子にとっては)、最後は夫婦でくすくすと息を殺して笑い合ったのだった。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

うーん、すばらしいね、全力対応の小国家は。鍵代金は大人が払うというオトーサンの考え方に賛成。それにしても約束をよく守るボンだこととよそんちの子ならそう思いません?

ああ一気に読んでしまった。

そうだねえ、きっと息子君、一生この日のことは
忘れないだろうねえ。

息子君が大人になって自分の子に「むかし父ちゃんが小学生のときにね・・」と語る時の顔を見てみたいなあ。

え~!!!???ぎゃあ~!!!!と
心で叫びながら読みました。
#そして、息子くんが最初に書いた日記に爆笑。

うちはおぐに家とは逆で、DSは持ち出し不可。
買って1年になるけれど、守っているようです。

いい人が拾ってくれていればいいんだけど・・・。

ちなみにうちのムスコの貯金箱はカサ貯金(毎月の
ようにカサを壊すので)と化しています。

ホント、見つかるといいね。
高い授業料だけど、この件で彼が
学んだことは大きいよね。

しかし、作文・・・
うちのは最近ようやくどういうものなのか
わかってきたようだけど、読書感想文とか
はいまだにまったくだめ。
すごく本好きだというのにね~


読みながら、ハラハラしました。うー、息子さん、どんなに無念だったことか。
今回のお父さんの発言、感じ入りました(おぐにのが悪いっていうんじゃないけど)。
学生時代、図書館でお金だけとられたとき、母は怒ったけど、普段そっけない父が「東京ではそういうこともある。困ってるだろうからすぐその分おくってやれ」って言ったのを思い出しました。

子どもって、こういう失敗を重ねて、大人になっていくんだよね。

お小遣いの使い道

おひさです。
そうだな、うちの子が「ベンショー」にお小遣いを使ったのは、お風呂のたらいにしりもちついて底を抜いたときかな。彼が100均で買ったのを今使っています。
しかし手持ちに1万円以上の小銭ってすごい。うちの子は500円たまるとテレマガ買ってしまいます(苦笑)
でも、このごろは「テニスの王子様」にはまってきたので、古本屋で買いためていくつもりで、ようやくヒーロー卒業のつもりらしい。
ゲームはわたしが禁止続けて、「ほしい」とは絶対言わないけど、この先はどうなのかな。戦いはまだ先かも。

冷奴さん。

いざというとき、夫婦で役割分担できると子育てってホントに楽だと実感します。特にうちの場合、夫が警視庁担当だった時は平日だけでなく週末もいつも息子と私の二人きりでしたからねー。

ゆりうすさん。

絶対に一生忘れないと思う。
でも私もたぶん、一生忘れないわー。

うららさん。

わずか30分で上着もろとも鍵やDSが消え、戻ってこないことは、あらためて冷静に考えると、やはり悲しいことですよねー。
メキシコ帰りの同僚が、「東京はモノが消えたら戻ってこない。メキシコのほうが治安は悪くても、案外、ちゃんと届けてくれてたりするよ」と言ってた。
とおもったら、不思議なくらいきちんと届けてくれることだってあるんですけどねー。
今回はダメでした~。

まるこさん。

新聞記者の子は概して作文が嫌い、と思う。
「勉強しろ」と言ったことのない親であっても、ついつい、作文や感想文や日記になると、口を出しちゃうの。
反省、反省。

えみゅさん。

>母は怒ったけど、普段そっけない父が「東京ではそう
>いうこともある。困ってるだろうからすぐその分おく
>ってやれ」って言ったのを思い出しました。

そういう時の親の言葉て、怒鳴られるより心に染みるのよねー。わかるわかる。
誰にも失敗はあるものね。

くろにゃんさん。

うちの子、ひとりっこでしょ。
じじばば4人のお財布を一手に握ってるから(従姉妹は2人。どちらもまだ1歳児)、案外すごいの。
ただし、絶対にお金を遣わない。
小銭がいくらたまったか数え上げるのが本人の趣味。
算数は嫌いなのに、2年生で今やってる「100より大きな数の計算」(だったっけ?)だけは得意。
わからなくなると全部「円」を単位につけて、お金を想像するとあっさり解けるんだそうな。
とほほ。


プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。