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★超・格差社会 アメリカの真実(著・小林由美)

★超・格差社会 アメリカの真実(著・小林由美)

在米26年の経営戦略コンサルタントが書いた、アメリカの経済史。
アメリカを4つの階層(特級階級、プロフェッショナル階級、貧困層、落ちこぼれ)に分け、それが生じた歴史を振り返っている。
特級階級は「純資産10億ドル以上のビリオネア。国内に400世帯前後」と「純資産1億ドル以上の金持ち。5000世帯前後」で構成される特権的富裕層。
その下に位置する「プロフェッショナル階級」とは、「純資産1000万㌦以上の富裕層」と「純資産200万ドル以上でかつ年間所得20万ドル以上のアッパーミドル層」で構成されるという。
この2つの階層の合計が約500万世帯。総世帯の上位5%未満の層に、全米の60%の冨が集中している、と書く。

まあ、つまり、我が家が属するとすれば「貧困層」というわけだ。うむ。

おもしろいのは、それぞれの階層に属する人たちの気持ちについて、「これがいかにもアメリカらしいのだが、どの階層に属している人も、自分よりも下は無能か怠け者だから貧しく、上は金持ちの家に生まれたから金持ちなのだ、と思っている」という部分。
うむむ。

途中、米国の経済史を綴った章は教科書みたいで、経済苦手の私はついつい読み飛ばしちゃいましたが、たくさんのデータが盛り込まれているので、データはじっくり見てしまいました。
最近のでは、アメリカがイラクに侵攻した後、株価が上昇した会社のトップ50社リストで、明らかに石油関連企業が膨大な利益を得ているなんてことが、よーくわかるようになってます。

また、欧州のエリート家系と、米国のエリート家系との違いもおもしろいです。
「欧州では、富裕であることは良いことだが、冨を作ることは悪いこと」で、だから欧州の特権階級は「自らの財産が相続した冨であることや家柄を常に強調する」。一方、米国では、「冨を作ること」こそが良いことで、「個人の価値を計る中心的な尺度」であるため、「出発点は低ければ低いほどその人は優れているということになり、出発点がそもそも高かったこと、すなわち特権的な階級に生まれたことをたいていのアメリカ人エリートは口にしない」んだそうです。

なるほどなあ。うむむむ。

米国の公教育への洞察もおもしろいです。
「アメリカの公教育は、そもそも教育の目的や理念が、勉強や知識にはなり難い」と明言してます。なぜか。
それは「移民が多いし人種や家族の文化的背景も違うから、まずはそれらの違いを脇において、全員がアメリカ人として共通の意識を持ち、『良き市民』として互いに融合し、隣近所で一緒に生活できるように教育しなければならない」から。
そして「この努力があるからこそ、アメリカは膨大な移民を吸収して、多様な人種が共存できる国家となっている」と書くわけです。

日本との相違について考えさせられますよね。
ただし、米国のエリート家庭は、だからこそ、子どもを公教育ではなく私立の学校へ通わせたりするわけ。一方で、そういう富裕層がボランティアとして地元の公教育を経済的にサポートしている、という点もおもしろいな、とおもいます。

これほどの格差社会であってもなお、アメリカは生きやすい、と著書は書いてます。
その理由はたくさんあって……、この部分もまたとても興味深く思いました。


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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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