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★イアン・ボストリッジ@東京オペラシティー

★イアン・ボストリッジ@東京オペラシティー

夜の取材の予定が大幅に変更になり、すでにベビーシッターさんも頼んであることだし、と急遽行くことにしたのでした。
ピアニストの内田光子さんが好きで、ボストリッジの前回来日時には内田さんが伴奏した、といういわば「内田つながり」で、ちょっと気になっていたボストリッジだったから。

また、演目に予定されていたシューベルトの「冬の旅」はものすごく好きな歌曲(といっても、生で聴いたことはなかったの。いつもCDで聴くばっかり)で、中でも「春の夢」はもう、最初の伴奏だけで涙が出るほど好きな曲なわけで、今回はもう、行くしかないかな、と。
ただし、普段からピアノのコンサートばかりで、歌は初めてだったので、自分のほうに音を楽しめるだけの耳があるかというと……ちょっとビミョー。

今回、ボストリッジ自身の希望で、演目の順番が「冬の旅」(シューベルト)→「冬の言葉」(ブリテン)に変更になったようでした。
が、私みたいに素人からすれば、全曲耳になじみのある「冬の旅」から入ってくださって、ありがたかったと思います。

ボストリッジが舞台に登場した時の第一印象。
この人、ずるい。
立ってるだけで絵になる系(こんなお顔。おまけに長身)。
見かけで絶対得しているタイプ。
案の定、「本日CDお買いあげの方にはサイン会も」というアナウンスに、休憩時、CD売り場は大混雑してましたもの。

で、肝心の声ですが。
優しい甘い声でした。高音は透明で、低音は見かけのわりには線が細すぎず。
いやはや色気のある声でした。
「冬の旅」ですから、もっと重く歌うのかな、と予想していた部分で、とても柔らかく軽く歌う部分が何カ所かあって、でもそれが不思議と感受性豊かで傷つきやすい青年の心を切なく聴かせてくれた、って感じ。
「こういう人に片思いとかされたら、たまりませんなー」とオバサンはありえない妄想に浸りそうになった次第。

でも、やっぱり気になるのは、ピアノ伴奏のほうで。
たかだか2枚ほどCDを聞きかじってる程度なので、自信を持っては言えませんが、かなり個性的な伴奏だった気がします。
なんというか、歌い手さんと時々背中合わせに立ってる感じ。
目立つんです。
で、ところどころ、びっくりするくらい、ボストリッジと解け合う瞬間があって、そこが本当に美しいの。
好き嫌いはあるのかもしれないけど、私は楽しめました。
特に、「冬の旅」の最初から、「菩提樹」に入った瞬間の2人の「融合シーン」(ちっとも音楽的ではない変な表現だけど)は、胸に染みました。
さらに最後の2曲、「春の夢」「孤独」はすごく素敵でした。

ブリテンの歌曲は初めて聴きました。
おもしろかったです(って小学生の日記じゃなかろう>じぶん)。
こちらも最後の曲への組み立てが見事で、ああ、これを最後に持ってきたかったんだろうな、と思わせる響きでした。
「冬の言葉」は、聴く側の自分の耳がちゃんと育っていたら、もっと楽しめた気がして、ちょっと悔しい思いをしましたが。

アンコールは、野バラ以外は全然知らない曲だったけど、どれもシューベルトだと思いました。あとで調べてみると、「月に寄せて」「野ばら」「別れ」(いずれもシューベルト)だったようです。

やっぱりシューベルトの「転調の妙」は驚きの連続で、そのたびに、こっちの心まで揺れてきて、たまりません。

こうなるともう、来年のピアノ発表会、またしてもシューベルトを選んでしまいそうな予感。
数日前まで、シューマンの歌曲のリスト編で思い切り、甘く、派手に……と思っていたのですが、やっぱり、シューベルトの孤独と心の揺れの魅力には抗えないのかも。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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