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★優しい子よ(著・大崎善生)

★優しい子よ(著・大崎善生)

この本、「私」は46歳で、妻は27歳。大きなリビングのある部屋に暮らしている。妻はプロの棋士。夫は小説家。
こんな設定であったにもかかわらず、なお、私はずっとこの本を「完全な創作小説」だと思いこんで読んでいた。
10数ページ目に、「私」が亡き棋士村山聖さんのノンフィクションを書いたというくだりが登場し、おいおい、これ、いわゆる身辺を綴っている実話?と気付いたというわけ。

ノンフィクション、フィクション、の両方を手がけている大崎さんの本であるにもかかわらず、なぜこの本はのっけから「創作」と思いこんだのかな。ちょっと不思議。
あえていうなら、それはたぶん、文体のせい。
でも大崎さんの場合、同じノンフィクションでも、一冊目の「聖の青春」と二冊目の「将棋の子」の間にだって、かなり文体とか文章の調子とかに変化が見られるので、もしかしたら、それだけじゃないのかもしれません。

本の中身は切ない話ですが、それ以上のものでもなく、とばし読みしてしまった所すらありました。

あとがきはおもしろかった。
「ノンフィクションを突き詰めていけば、私小説かそれに近いものになるのではないかという予感というか閃きがあった」と書いているところを読む限り、今回のこの本も確信犯的なものなんだろう。

また、あとがきで、インタビュアーから「ノンフィクションと小説で文体を意識的に変えるのか?」とよく質問されることを挙げ、「本書にもしかしたらその答はあるのかもしれない」と書き、「文体のことは難しい。いつも、いつも考えていることだ。それこそ死を考えるように」とまで書いているのを見て、そんなにも文体について考える人なのか……と妙に感慨深く思ってしまった。

私にはあとがきのほうが含蓄深かったかも。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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