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★写真展 荒木経惟 -東京人生-(@江戸博)

★写真展 荒木経惟 -東京人生-(江戸東京博物館)

10月17日からの写真展の内覧会に行った。
どうしても見たかったから。
少し遅れて行ったら、なんと会場でアラーキー氏ご本人が作品に解説を加えながら会場を歩き回っておられた。
なんたる幸運!

墓地を近景に、六本木の再開発現場を写し込んだ写真を前に「ね、墓場になっちゃったでしょ。墓場を建ててるんだよ。今は防衛庁跡地に墓場建ててる」。
春の幸せそうな人々の写真の前で「桜の木の下には死体なんてないよ。幸せがあるんだよ」。
女性たちの写真の前で「すべての女性は美しい。私がそれを引っ張り出す。江戸の絵描きは愛がない。着物にばっかり力いれるから」

ああ、やっぱりだめ。
こんな風に書いてしまうともう、あの瞬間の彼の言葉のきらめきは消えてしまう。
写真の前を精力的に歩き回り、大きな身振り手振りとともに、ひらめく言葉をどんどん口にし、それが一瞬、ぎらぎらっと光って、すっと消える。
そんな感じ。

彼の言葉のシャワーを浴びながら、何度も、頭の中で、インタビューすることを想定したけれど、そのたびに「きっとこの『ぎらぎらっ』は紙媒体ですくえない」と思わずにいられなかった。

新聞は、文字媒体は、言葉を固定してしまう……そんなことをふと思った。
きちんと定義された言葉、固定した言葉でないと、他の空間でそれを読む人には伝わらないのだから、仕方ないことだけど。
でも、アラーキー氏の言葉の持つ「ぎらぎらっ」とした強さ。
どうしたら、あのかしこまった活字の中に詰め込むことができるんだろう、としばらく悩んでいた。

インタビューを申し込んだことすらないのに。
勝手に思い悩むなんて、なんとも変な話。

で、写真展の話。
「さっちん」以来、東京で撮影してきた写真を通して、60年代から今にいたる東京を描いている。
東京の街の風景も大きく変わったわけだけれど、そこに暮らす人の表情の変化もまた、よく分かる。
特に60年代前半の東京の下町の写真は、60年代後半に大阪の文化住宅(という名の長屋)で育った私の記憶を妙に刺激する。
町の風景より、人々の表情が。

途中、「人町(ひとまち)」という写真集のために、東京・谷中を撮影したものが数枚あって、すべて歩き慣れた街角であることに、心がうきうきした。
写真の中に、知った顔まで見つけた時は、さすがに驚いたが。

一番うれしかったのは、近所の公園の写真があったこと。
「あ、ここはパンダ公園!」
思わず、小さくつぶやいてしまった。
その公園には、パンダの置物がある。
雨風に流されたか、黒いペンキがはげかかっていたのだけど、息子も息子の通っていた保育園の仲間たちも、みな「パンダ公園」と呼んでいたのだった。
ところが数年前、このパンダが茶色いペンキできれいに塗り替えられてしまった。
最近は、「くま公園」と呼ばれているらしい。

できれば息子に、「さっちん」の一連の写真を見せてやりたい気がした。


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ここのモニターが止まってるー、これが外れたー、などとばたばたしていたのですが、
わたしも会場にいたんですよーー。
わたしもさっちんはいいなぁーと思います。
またゆっくり感想を聞かせてくださいね!

DORIさん。

あの場におられたんですか。
お仕事ですものねえ。
実は、上記のような熱い思いのたけを綴った取材依頼書をアラーキー氏になげております。
結果は……乞うご期待。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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