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★メリーゴーランド(著・荻原浩)

★メリーゴーランド(著・荻原浩)

県庁の公務員が、赤字で真っ赤っかのさびれた第三セクターのテーマパークに出向し、それを立て直そうとするが……って話。
県庁の星」は公務員がスーパーに出向させられる話だったけれど、こちらはテーマパークです。
「県庁の星」と同じく、こちらの「メリーゴーランド」も映画化に十分耐えると思うなあ。

県庁職員の主人公・啓一が、悪戦苦闘しながらも、子どもに恥ずかしい仕事をしちゃあいかんと踏ん張り、上に楯突き、責任の一切合切をおわされて、それでも鶴の一声でなぜか救われ、ところが次の市長選で大どんでん返しがあり……とまあ、浮き沈みの激しいこと激しいこと。

市長派でもなく、反市長派でもなく、とりあえず、目の前にあるテーマパーク再生のため、無駄をはぶき、つてをたどり、折衝を重ね、時にはタンカを切って、イベントを大成功させたところで、何か「功績」を挙げてしまえば、それは派閥の手柄になるわけで、それだけで必ず敵が増える。
どうやっても派閥抗争に巻き込まれていく。
いやはや。

相変わらず、萩原さんは組織人の哀愁を書くのがうまい。
あの日にドライブ」のほうが、より哀愁に満ちて、おもしろかったけど。主人公が「メリーゴーランド」みたいに「いい人」でない分、読み応えもあった気がします。

最後のほうで、クリーンなイメージの女性新市長が登場し、市民にわかりやすいところからぶっつぶしていくところなど、長野県でかつて起こったことをふと思い出してしまった。
理念は100%完璧でも、壊すことは簡単でも、何かを生み出すことはとても難しいんだよな、と思ったりもね。

長野支局で新聞記者をしていたころ、県庁担当をして「なんとこの人は仕事ができる人なんだろう」と驚いた何人かの職員は、現知事にたてついたのか、地方事務所をぐるぐる回されている。
本当にもったいなく思う。

でも私が長野支局にいたころにも、こうやって実力があるのに前知事から飛ばされた人たちがいっぱいいたんだろう。そういう意味で、私はきっとあの時、多くのことを見落としてもいたんだろう。

長野県知事選、もうすぐなんだなあ。

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(書評)メリーゴーランド

著者:荻原浩 メリーゴーランド価格:¥ 1,785(税込)発売日:2004-07

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県職員の世界では、一般職員が直接知事にたてつくなんてムリですよ。直接話をするなんて機会はほとんどない。地方事務所をぐるぐるまわっているのが、なぜ、もったいないんですか。本庁で仕事しているだけが仕事ではありません。公務員は、全体の奉仕者です。おぐにさんは、本庁の仕事の方が立派だと思っているのかな。

おぐにさんも長野県で働いていたんですね!!
私、実家が長野県なので長野ときくとついつい反応してしまいます。

そういえば、水谷先生がおぐにさんに長野のおいしいお寿司屋さんを聞いたってどこかで聞いた事がある気がします。今でも長野には行ったりしているんですか?

はじめまして

こんにちは。
トラックバックさせていただきます。

何だかリアルティある話ですね。

さるたさん。

それがいたんです。何人か。
実際に知事に引き立てられ、きちんと物を言った人。Yesマンではなく、既得権益がどうこうではなく、是々非々で意見を言おうとした人。
でも、見事に閑職(地方、も含め、とにかく閑職)に追い払われた。
本庁>地方事務所、というような話ではなくて。「この人にもっとアイデア出して、県民全体のために働いてもらえたら、県民の財産だろうに」というような人材(そして、上司にもきちんと物を言える人材)を十分に活用せず、閑職に置くのは、県民にとって「もったいない」話だと思ってしまいました。

さなさん。

水谷さんは結構長野出没率高いですよね。
中野市や須坂市あたりはとても相性が良いみたいです。

常夏さん。

これからもよろしくお願いします。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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