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★グッドラックららばい(著・平安寿子)

★グッドラックららばい(著・平安寿子)

この著者の「くうねるところすむところ」がものすごく良かったので。もう1冊読もうか、と手に取ったのがこれ。
変な本。でもおもしろい。

娘の高校卒業式の日、家出をしたまま、旅芸人になったり、旅館の女将代行になったり、「まあいいか」と恐るべき順応性でどこにでもなじんでしまい、家に10年も帰らなかった母と。
「いいじゃないか。母さんは元気なんだし。貯金もしてるし」と全然動じずにちまちまと節約しながら暮らす信用金庫勤務窓際族の父と。
「セックスが好き」とダメ男に貢いで、母の家出にも「関係ないし」と割り切って、飄々と自分の好きなように生きる姉と。
そんな家族全員にいら立ち、母親の家出にも「私がかわいそう」と自分のためだけに泣き、あくなき上昇志向から「金持ちになってやる」とステップアップしていく妹と。

とにかくみんな自分勝手。マイペース。
モラル? 常識? 何それ、というところだけ、そっくり。
ちまたのトラウマ論議だとか、心の傷だとか、そういう話を全部ぶっ飛ばしてしまうような男女の破壊力。

ちまたの書評に「あたらしい家族のありようを描いた本」などとあったりするが、そういう本ではないと思う。
そもそもリアリティーのない話だし。

むしろ、子どもの数が減って、家族関係が息苦しく窮屈で密なものになっているこの時代に、親子関係や姉妹関係で悩み苦しんでる人たちに向けた「ここまで人間は身勝手に生きたくらいでちょうどいい」というかなり乱暴な処方箋、というべきかな。
男性読者より、女性読者に受ける本だと思う。

ネタバレになるのであまり書かないけど、何しろ、この家族、お母さんの鷹子さんの人生がとんでもなくはちゃめちゃでいいの。
10年も家出しておきながら、「おとうさんが一番いい。おとうさんが一番おもしろい」と本気で思っているあたりも。

ただしこの手の本としては長すぎやしないか。
10年の変遷を書くために必要なページ数とは思うけれども、おもしろいなりにあきるし、だれる。もうすこしコンパクトな本が私は好きかも。
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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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