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★14階段(著・窪田順生)

★14階段
 検証 新潟少女9年2カ月監禁事件
(著・窪田順生)

事件後、監禁に一切気付いてなかったという母親にインタビューを重ねて書かれたノンフィクション。
衝撃的な事件だっただけに、つい手に取りました。

著者は事件後、母親の独占インタビューを狙って張り込みし、母親に接触しようとします。ところいがそこに、ズカズカとワイドショーのテレビクルーに割り込まれ、カメラを向けられた母親がびっくりして著者の背中に隠れたもんだから、つい、「いくらなんでも酷いでしょ。嫌がってるじゃないですか」とテレビクルーに抗議し、母親をかばったことが、この著者が母親からの信頼を得るきっかけになります。
この展開、すごくリアルで、「あるよな、こういうことって」と思ってしまった。

一方、筆者が被害女性の入院中の病院でまで取材を試み、被害女性の父親に思い切って取材を申し込むが、完全無視する父親の「深い悲しみと怒りを宿した静かな目」に、足がすくみ、「感傷」にとらわれ、しょせん本当のことなんて分からないと思い、週刊誌の記者を辞めた、という下りは、なんだかすっきりときれいな物語に作られすぎてる感じがした。

筆者は本書の中で、母親のインタビューに加え、あの家に入れてもらって長い時間を過ごし、見聞きした2階の部屋や古いアルバムなどの品々を咀嚼し、解釈を加え、自分なりに作り上げたストーリーを語るところまで踏み込んでいる。
そのストーリーは結構強引だし、こういうノンフィクションは実はそこまでやらず、事実だけを淡々と積み重ねていくほうが力強いという気もする。
でも、私は結構、最後のほうの父親に関する筆者の「ストーリー」に興味を覚えました。

スポーツカーのカタログや大好きなアイドルの番組録画ビデオなどを収集し、几帳面に整理していた息子と、美しい女性の写真を切り抜いて額に納め、その額縁の裏には無修正の女性の裸体写真なども収集し、一方で図鑑から切り抜いたらしい大好きな小鳥のイラストも収集していたという父親。
この類似点には驚きました。
筆者が指摘するように、大人の女性にこだわった父親への反発から、息子が「大人の女は汚い」と少女に向かっていったのかどうかは別にして、この事件、子離れできない母親だけに目を向けていたのでは最後まで理解できないんだろうな、とは思ったのでした。


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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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