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★友だちいないと不安だ症候群につける薬(著・齋藤孝)

★友だちいないと不安だ症候群につける薬(著・齋藤孝)

ご存じ、声を出して読む日本語の人、齋藤氏が、「友だち力」について書いた本。

友だち力、とは「友だち関係の距離を自分でコントロールできる力」で、「友だちを作る力とは少し違う。時には、離れることもよしとします。」だそうで。
友だちになる一番の近道は「好きなものについて語る」のが一番近道で、そのために必要なのは「質問力」で、「自分と相手で趣味が一致しなかったとしても、質問力さえあれば盛り上がれます。」なのだそうだ。

で、ツールとして挙げるのが「偏愛マップ」。これは別の著書に詳しい。
お互いに好きなことをいっぱい書いた紙を交換し、それらについて質問したり答え合ったりして会話を盛り上げると、簡単に「ほどほど」の距離感のある友だちになれる、というわけで、齋藤氏はあちこちで偏愛マップを使ったワークショップなんかもやっておられるそうですな。

総じて言ってることはよく分かるし、概して当たってると思うけど。
なんだか、企業向けの人材開発セミナーの子ども版、みたいな匂いがして、ちょっとな。
私、この手の、「初対面の相手でも、とりあえず、共通の話題を見出して盛り上がる」っての、かなり得意な方だけど、それでも、思春期の時はすっごく友人関係で悩んだし、「友だちいないと不安だ」だったぞ。

「友だちいないと不安だ症候群につける薬」なんて、タイトル決めが上手だよな、と思う。結構、これにドキっとして本を手に取る若い人、多いんじゃないかなあ。
で、タイトルにもなっている「友だちいないと不安だ」への処方箋を書いたのが第三章。

「誰とでも1本の線でつなぎあえる能力を持て」というのがその処方箋。
蜘蛛があちこちに糸を出すように、「誰とはこの好きなものについて1本結びついていて、誰とはあの好きなものについて話す、というふうに結びついていける」と、いじめられても、セイフティーネットがあるから大丈夫、なんだそうで……。
そして極めつけは、「ほどほど」でいいんだ、というメッセージ。
「一生友だちでなくてもよいのだということ。友だちというのは、その時に好きなものについて話せばいいんだということ。友だちというのは、時期のものだというかんじがします。」
おっしゃる通りなんだけど。

「友だちいないと不安だ」の人は、そう思えないからやっぱツライんじゃないかなあ。

さらにこの本の終盤では、「友だち力の力量が就職試験での採用、不採用を決める」なんて方向に行っちゃう。ここでいう「友だち力」というのは、「大人の友だち力」で、それは同世代の友だちがいっぱいいる、とかいうのではなく、「自分とは異質のものや、自分とは利害関係を異にする人たちに対して、積極的に距離を縮めることのできる力」だったり、「利害が対立している仲を調整できる力とか、無関心の人に関心を持たせる力」だったりするわけで。

その「大人の友だち力」をつけるためには、鉄は熱いうちに打て、で子ども時代が大切、なんだそうで。ニートも「友だち力の欠如」で、「社会人に必要な『大人の友だち力』が中学校・高校時代に意識されないと、後から急に付けようと思っても難しい」んだそうで。

言いたいことは分かるし、一つひとつのメッセージに救いを感じる人ももしかしたらいるのかもしれないけど、私はむしろ、「結構救いのない本だよなあ」と思ってしまいました。
「友だちなんか一生のもんじゃない。ほどほどでいいんだぜ。気楽にいけよ」と言っているようで、最後は「就職試験も、ニートも全部友だち力で決まるんだぜ」と言うんだもの……うーん。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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