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高い声 低い声

ブログに、甲高いお声の持ち主、という方から、「不快です」 というコメントをいただきました。
嫌な思いをさせちゃって、いやはや、申し訳ないです……。

何のことだか分からない方も多いだろうから、事情を説明しますね。
実は、先日、週刊ポストに書いた、「アメリカと日本で好まれる女性の声の傾向」 みたいなエッセイが、「ポストセブン」 というネットサイトに抜粋転載されたのです。

でもって、この抜粋部分の中身をめぐっては、あれこれ色々な方が、ご意見を寄せてくださっているようです。
(英国の女性の声も甲高いんだよ、など、私の知らなかった内容も多く、とても勉強になりました。感謝。)

ただ、これらのご意見の中に、「だからアメリカが正しいのか?」「文化の差異ってもんがあるだろ」「記事には欧米崇拝が見て取れる」 などのお声があって、はてな???? と戸惑ったのでした。
というのも、私、エッセイに、アメリカのほうが正しいと書いたつもりもないし。
おまけに、私自身はもともと、天下無敵の甲高い声女であるわけだし。
アメリカでは子ども扱いされたくない一心で、英語を話すときは低い声を心がけたわけだけど、日本に帰ったら、間違いなく、あの甲高い 「電話声」 を取り戻しちゃうぞ、と思ってますし。

どうして、こういう誤解を受けたんだろう。
私、また、誤解を受けるような書き方をしちゃったんだろうな……と反省しつつ、抜粋転載されたポストセブンの記事を読んで、ああああ、と頭を抱えたのでした。
確かに、これだけ読んだら、「アメリカのほうが正しい」 と私が思ってるように感じ取れてしまいますよねえ。

ちなみに、ポストセブンの抜粋転載はこんな感じです。

実はこれ、もともとの週刊ポストのエッセイのちょうど前から3分の2を抜粋転載したものです。
ちなみに、週刊ポストには、上記リンクにある文章の後に、以下のような文章が続いてました。

ちなみに、日本人女性が丁寧な受け答えをする際に声の周波数を上げる傾向があるのは、「高い声=女らしさ」という日本の社会規範の影響らしい。日本人の被験者に周波数の異なる女性の声を聞かせ、その印象を尋ねた結果、高い声には「かわいらしさ、美しさ、優しさ、丁寧さ」、低い声には「わがまま、強さ」のイメージがあると分かったんだって。

かくいう私も、日本で働いていた頃は、受話器を握った瞬間、誰より高い声で勝負してたっけ。電話で取材先にアポ取りをしていると、同僚がよく肩を震わせ、笑ったもんだ。「おまえの声、そりゃ詐欺だぜ」と。実際、取材先の男性に「えっ! あなたが? 電話のお声と余りに印象が違う……あ、いや失礼」などと、何度言われたことか。どーせ、「電話声にだまされた~っ」とか心で舌打ちしてたんでしょ。
今ではすっかり低い声になっちゃった私。日本に帰ったら、「電話声」の練習が必要かなぁ……。


日本の社会で、高い声に 「かわいらしさ」 や 「丁寧さ」 を感じさせる力があることは、実体験から知ってましたが、低い声に、「わがまま、強さ」 のイメージがある、っていうのは、私自身、調べていて、びっくりしたもんです。
私自身は、なんとなく、丁寧な感じを相手につたえたくて、初めての電話の相手などには、高いトーンの声で話してたんだけど。
日本では、低い声の方が、変に誤解を受けたりすることもあるのかなあ、と。

私自身は、アメリカに来たばかりのころ、「丁寧さ」 を相手に伝えたい一心に、日本流の甲高い声を多用していたはずなんですけど、幾多の誤解や子ども扱いを経験した末に、いつのまにやら無意識に自然と声が低くなっていったように思います。
その、「声のトーンの変化」 には、先日、日本に電話するまで、ほとんど自覚してなかったんですよね。
社会規範や文化や音に対する感性などの違いって、面白いなあ、と感じました。

 
なにはともあれ。
週刊ポストのエッセイから、ポストセブンへの転載は、先方の編集担当さんが短く編集しなおすことが非常に多いため、数ヶ月前に、「せめて、抜粋転載、と明記してください」 とお願いした経緯があります。
一部だけを転載したためにトーンが変わって、それがもとでトラブルになることなど、十分に考えられたからです。
最近は、エッセイ1本を前後2本に分けて、丸ごと転載してくださることが増えていたのですが、さすがに今回は、後半部分は転載する意義なし、と判断されちゃったのかもしれません。
(確かに、後半部分だけを1本の記事として転載するのには、若干無理がありますもんね)。

そんなわけで、抜粋転載の部分だけよんで、なんとなく、嫌な思いをしたり、イラッとしたりした方には申し訳ないことをしてしまいました。
よろしければ、週刊ポストのオリジナルをぜひぜひお読みくださいませ。
なんといっても、フジモトマサルさんの素敵なイラストがついています。
(ああ、そういえば、甲高い声の話を書いた回だけ、フジモトさん、ご療養のため、イラストをお休みされたのですが)。


……もっとも。
私もあと1週間で日本に帰りますので、週刊ポストの連載もあと数本を残すのみ、です。
アメリカの多様性に触れ、「アメリカは〇〇だ」 と一般化することのおろかさをひしひし感じつつ、一方で、日本とアメリカを比較して記事を書くたび、日本や、アメリカのことを、一般化してきたわけで、随分と自己矛盾に満ちた連載だったなあ、と痛感してます。

アメリカという国は、知れば知るほど書けなくなる、と聞いたのは、渡米直後の4年前のことでした。
そのとき、知り尽くしてから書こう、と思わず、「書きながら知っていこう」 と思ったのでしたっけ。
気付いたら150本を越えるエッセイを書いてました。
1本書くごとに、皆さんからご意見をいただくたびに、一つひとつ、アメリカという国を知ることができたように思います。

あらためて、皆さんに感謝です。
(あと2本。しっかり書きます)。

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??

なんか「?」です。

『日本の社会で、高い声に 「かわいらしさ」 や 「丁寧さ」 を感じさせる力があることは、実体験から知ってましたが、低い声に、「わがまま、強さ」』

って、日本社会にいますが、そんなこと気にしたことなかったな。だったら生まれもって声の低い人はどうなん?って思いました。実体験されていられるから、そうなのかも知れないって一瞬思ったけど、人間、声一つで計れるなわけないし、もし、小国さんが声が低いことで悩んでいて、声を上げて生きてきたなら、もう、やめません?ココロ疲れるだけですよ?生意気言ってすいません。でも、低音ボイスの自分は、なんとなく気になったので書きました。
話からおもいっきり脱線したカキコミですいませんでした。

ちょっと違うけど

私は、(日本の?)しゃべるおもちゃの甲高い声が苦手です。なんだってこんなに甲高い声を出すんだろう??って思ってました。でも、どこかでニーズがあるんだよね?きっと。それとも開発者の思い込み?いくら母が子に話しかけるときにトーンが高くなるって言っても、これはないだろ~って感じです。

嫌いなので自分では買わないんだけど、娘がキッチンセットをリクエストしたところ、キティちゃんのしか見つけられなかったと母が買ってくれたことがあり、使うたびに「勘弁してくれ~~」って思ってました。
(更に、おもちゃにしつこく「やけたよ」って言われ、娘が「まだだってばぁ~」って悲しそうにしていたのがおかしかった)

仕事ではね、最近、司会とかの声は低いほうが落ち着いて聞こえていいなぁって思って、私は(そんなに機会ないけど)あえて低めの声でやってますよ~。男性陣がどう思っているかは不明だけど、若い子(女性)には誉めてもらったことがあります。

その傾向あると思います~

はじめまして。私自身もアメリカと日本と生活してた時の実感で言えば電話での声はアメリカ人低い、日本人高い、な気がしました。もともと高い声なら別ですが意識的に高い声だしていると全てとは言いませんが多くの場合子供っぽい、幼い=大人として大丈夫か?みたいな受け方をうるひとが多いと思います。日本でもそういう傾向ないわけではないでうがもっと強いと思います。結果意識的に低めに声はだしていましたね。でもそういう風に感じない方もたくさんいらっしゃるでしょうし色々なんでしょうけど・・もしくは日本も最近そんなにあからさまに高い声でという人段々いなくなってきたようにも感じるのであんまり差が無くなってきたかもですね。ところで・・アメリカナウ読みました~ほんとに面白くって一気に読みました、次回作も楽しみにしています♪♪
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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