スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カレッジ授業報告 成人しても親と住むという現象

そんなわけで、颯爽と、本日のカレッジ報告。
本日の授業は、「社会学によって分かった今のアメリカにおける家族と結婚」 がテーマだったと言おうか。
つまり、若い学生さんたちに、「社会学で家族や結婚を取り扱うというのがどういうことか」 をイメージしてもらうための導入授業だったんだと思うのだけれど、これは、まさに、外国人ジャーナリストがアメリカの家族や結婚のアウトラインをつかむのに、ちょうど良い内容で、結構楽しめた。

具体的には、社会学的な調査の結果、導き出された8つの事実を列挙し、現在のアメリカの家族や結婚がどんな風に変わってきたか、それがどんなデータによって裏付けられているか、について学んだというわけ。

せっかくだから、簡単に内容をまとめておくと……。

1、結婚する人が減った

 1990年には成人の62%が結婚していたのに、
 今は52%。この20年足らずで10%も減った。

2、結婚する年齢が上がった

 1970年の平均結婚年齢は男が23.5才、女が20.8才。
 2005年のデータでは、男は27才、女は25.8才。

3、結婚せずに一緒に暮らす(いわゆる同棲)するようになった

 1990年から2000年の間に、同棲するカップルは2倍に増えているらしい。

4、ゲイやレズビアンの同棲が増えている

 過去のデータがないので、「増えている」 を裏付けるのは難しい。
 しかし、ゲイカップルの22%、レズビアンカップルの34%が子どものいる家庭を築いている。

5、一人暮らしが増えている

 現在、アメリカ人の4分の1以上もの人が、独居らしい。

6、成人した後も親と暮らす子どもが増えている

 18-24才の男の52%、女の42%が親と同居し、親のすねをかじっている。
 25-34才でも、男で14%、女で7%に上る。

7、子どもを持つ年齢が上がっている

 ちなみに、1人の女性が生涯に生む子どもの数は、1967年で3.6だったのが、
 1976年にはなんと1.7まで落ちた。でも今はだいたい2人くらい、ってな話。
 出生率は持ち直したが、核家族化は進む一方なので、一家族あたりの平均
 人数は2.5人だそうだ。

8、結婚せずに子育てしている割合が再び増えている

 これは50年代にいったん増え、60年代後半から70年代にいったん減少し、
 再び80年代半ばから増え始めているそうだ。
 いったん減少したのは主に、避妊などの知識や技術が広がったため、という。
 いわゆるピルの発売がもたらした変化、というわけだろう。

まあそんな話をもとに、あれこれディスカッションした後、どの事実が一番驚いたか、という話になった。一番発言しやすそうな場面だったので、私も、一言しゃべっておいた。

「私が一番驚いたのは6番目です。日本では、アメリカは個人主義が浸透していて、親は子どもの独立をうながし、子どもも早く独立したがっている、と言われています。だから、成人してもなお、親と住む子どもが増えているってのは、日本だけの現象かと思ってました。まして、男のほうが多い、というのはビックリ。日本では、確か女のほうが多かったはずです」

で、思ったよりサラサラといえたので、ついつい調子に乗って、

「だいたい、今の日本の若い女の子たちは、そもそも、両親と同居しているような男性とは結婚したがりませんもん」

と付け足し、笑いもしっかり取っておいた。
しかし……。

授業を終え、家を帰ってから、大変なことが判明した!
なんと、この授業における記念すべき私の初発言が、大ウソだと分かったのだ。

かつて、山田昌弘氏が 「パラサイトシングル」 ってな本を書いて、大ヒットした頃、確か、彼は、「20代半ばから30代半ばの独身男性の60%、独身女性の80%が、親と同居し、親のすねをかじっている」 みたなことを言っていたと思うの。
日本ではそもそも、女のほうが、「早く自立しなさい」 と言われない傾向にもあるし、いざとなれば 「家事手伝い」 扱いしてもらえるので、女性のパラサイトのほうが多い、というのは当たり前だ、と思ったことも記憶している。

ところがっ!
21世紀に入って、事態は徐々に変化しているらしい。
ある調査によると、「パラサイト」 な若者の男女比を見ると、今や男性のほうが多いんだって。
2003年のデータによると、親と同居している独身男女の割合は、男が55.8%、女が44.2%。おまけに男性のほうが増え方も著しく、30才を過ぎても同居状態が解消しないケースもまた、男性の間で増えている、という。そもそも、親にパラサイトする男性のうち、3分の1が、30才以上らしい。

なーんてデータをみて、ひええええ、と自分の間違いに気づき、自宅から慌てて先生にメールしたのだった。
あ、今回の先生の名前はちなみに、サントール先生、ね。

「サントール先生へ
間違いに気づいたので、あわててメールしてます。
授業中、日本では、親と同居する成人した子どもは、アメリカと違って女性に多い、と言いましたが、どうやら間違いだったようです」

で、2003年のデータについて少し説明し、

「日本では、そもそも10年ほど前に、『パラサイト・シングル』 と呼ばれ、社会問題になったんですよね。というのも、この現象こそが、晩婚化の原因と思われていたし、晩婚化こそが少子化の原因と思われていたからです。この言葉が流行った時代には、多くの識者がこの現象を 『これは日本に特有の現象だ』 と言ってました。そもそも、年功序列ゆえに親世代のほうが若者世代より圧倒的に給料がいい、という社会が背景にある、と指摘されていたんです。中には、『アメリカを見てみろ。アメリカでは、親は子どもに自立を促すし、子どももまた、親元を早く離れようとしている。親元を離れ、早く自立することは、アメリカにおける社会規範だからだ』 なーんてよく言ったもんです」

「ところで、アメリカではこの現象のことを、ブーメラン世代とか言ったそうですが、今でもその用語を使ってますか?」

「しっかしまさか、アメリカでも同じ現象が起こっているとは。やっぱり先入観を取り除くとともに、知識を常にアップデートしなきゃダメだなあ、と本日の授業でつくづく学びました。どうもどうも」

みたいなメール。

しかし、これからは、さらなる予習が必要だ。
議論に参加しよう、とすれば、当然、「日本では……」 というような切り口で話すことも増えてくるだろう。その時に、ウソばっかりついてたら、さすがにまずいもんねえ。
今期この講座でアメリカの家族や結婚の状況について学ぶということは、それぞれについて、「日本はどうだったっけ?」 とデータを探しまくる作業につながるわけで、こりゃ、結構大変な作業を強いられそうだ。

ま、何はともあれ。
「ディスカッションに参加するぞ!」 という今期目標を、本日きちんと達成したものの、結果的にはウソをしゃべっちゃっていた、という、情けない結果となったのだった。
来週は頑張るぞー。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

ちゃんと

律儀に先生にメールして真実を伝えるトコなんざぁ、さすが報道者だねぇ。。^^ サントール先生のクラスでの記念すべき初発言?おめでとう(笑) だんだん慣れてくるとお題をふられてもいないのに、口をはさむようになるよ>そして自己嫌悪におちいる。。(爆)

No title

知り合いの家庭では結婚して子供もいるのに、息子は無職で子供をみていて、お母さんの家に奥さんと一緒に同居とかいうアマちゃんもいます。育て方間違ったねってみんなでいってるけど、親としては孫までできたら突き放せないんでしょうね。

No title

めちゃくちゃパラサイトシングルの言葉に踊らされた一人です。
十年前…高校生で自立や進路に悩んでる時、その言葉にぞっとしたものです。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。