スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

在外投票に行ってみた

週刊ポスト連載「ニッポンあ・ちゃ・ちゃ」用に書いた原稿が、イラストが間に合わないということで、ボツになった。
何かというと、在外投票の話。
そんなわけで、ここに、ブログ風に少々手を加えたものを、残しておこうと思う。
なかなか貴重な大変だった。
大使館で投票する、なんてことももうないだろうしね。

*****************

衆院選投開票日を前に、ワシントンDCの日本大使館で、「在外投票」に挑戦してみた。
06年の公職選挙法改正のお陰で、比例選に加え、今回から小選挙区も海外で投票できるようになったんだって。ちょっと得した気分。
おまけに、投票場が日本大使館というのも味がある。

そもそも私、投票場の華やぎが大好きだ。
日曜日に近所の小学校や図書館なんかに家族連れがワイワイ集まってくる。
会場の周囲には選挙ポスターがずらり。メディアの出口調査員やテレビカメラなんかもいたりして。
ああ、選挙ってあの「お祭り気分」がいいのよねえ。

そんなわけで、在外投票の日は朝からウキウキ。
何しろ投票場は天下の日本大使館。普段は滅多に会わないような在米日本人が集まり、「あら~、○○さん、お久しぶり!」「今度また一杯やりましょーよ」なんて社交サロンと化してるかも。やっぱり、お洒落して行くべきかしらん。と、ところが……。

投票に行ってみたら、肝心の日本大使館は、シーンと静まりかえっている。金属探知器でぐるり自家用車の周囲からトランクの中までチェックされ、車を降りて館内に入れば、今度は空港同様、手荷物をX線でチェック。ようやく重厚な大使館の建物に入ってみれば、何やら重苦しい沈黙の中、立会人や職員ら10人ほどがずらり並んで座っている。
一方、投票にやってきた一般市民は私と夫だけ。
な、なんだ、この静寂は?

実は、在外投票には事前登録が必要だ。この手続きをしたのは海外の有権者のわずか13%程度だったらしい。せっかく制度ができたっていうのにねえ。

さあ、気を取り直して投票だ。
私の場合、渡米前に暮らしていた東京2区に投票することになる。
が、あちゃー。
日本のニュースにとんとご無沙汰なもので、候補者の名前をど忘れしちゃった。焦っていたら、脇のテーブルの上に、全国分の小選挙区候補者氏名のリストが! 助かった~。

さて、投票用紙に名前も書いたし、これを投票箱にポイ……と思ったら、そう簡単ではなかった。用紙を小さな封筒に入れ、厳重に封をし、これを少し大き目の封筒に入れ、また封をする。さらにこれを日本国内郵送用の封筒に入れる。都合3重も封をするってわけ。
何だかエラソーな「清き一票」だ。

こうして完成した投票用紙入りの封筒を、姿勢の良い立会人の女性にしずしずと差し出した。彼女は無表情なまま、小声で「ありがとうございます」。
気づけば私まで、「いえいえ」と深く頭を下げちゃっていた。
「ありがとうございます」
「いえいえ。お疲れさまでごさいます」

なに、この重苦しさ?
選挙特有の「お祭り気分」はどこに行っちゃったのよ。

大使館の場違いに荘厳な内装のせいなのか、投票にやってくる人が少ないせいなのか。この雰囲気、何かに似てる、と思ったら、
ああ、葬式の香典受付なのだった。

「ご愁傷様でございます」
「本日はありがとうございます」 みたいな。

神妙な顔で静かに頭を下げ、時折沈痛な表情なんか浮かべたりして。
ああ、調子狂うなぁ。
それにしても、「政権交代選挙」の投票と葬儀が、どうして似ちゃうかねえ?

*****************

いよいよ、日本では投票が始まるんだなあ。
何が悔しいって、日本の選挙報道ラッシュを見られないのが残念!

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

そうそう。在外選挙、なんとも沈んだ空気なのよねーー。
でも私が行った時は 他のコーラスのメンバー夫妻もいらしてた。説明を聞きながら、「え?こっち?こっちの封筒?」とかって。^^;; なかなか面倒で ご年配にはちょっと難しいかもね。
去年の大統領選の時、娘のコーラス部のファンドレイジングで、投票所(娘の高校)でクッキーを売ったのだけど、その日一日で$2000以上も売り上げたのよ。ほんと、人は多いしお祭り気分だし、よく売れるの。
この違い!
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。