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2005年のメッセージ集 後編

■11月7~10日夕刊連載「この人この時 俳優、吉岡秀隆さん」より。

 悩んだ末、役者はもうやめようと思った。街で「純」「満男」と声を掛けられるのも苦痛だったし、有名になりたくもなかった。高校卒業後、俳優をやめる決意をしたところに、黒澤明監督から映画出演のお話をいただいて「もうちょっとやってみようかな」と。だから実は今にいたるまで「役者でやっていくぞ」と決意表明をしたことないんです。あまりカチッと決めたくないな、という思いがまだあるんです。35歳になっても。

 今の子役って、プロですね。自分自身と自分の演じる役柄とを上手に切り離し、違いをきちんと理解している。
 僕は子役時代、それができなかったからつらかったんでしょうね。役柄と自分自身をいつもだぶらせていた。「北の国から」も「男はつらいよ」も、僕の成長に合わせて脚本を作ってくださったので、なおさら、演技ではなく、いつも本気を要求されました。
 今の子役たちもいつか僕と同じ壁にぶつかるのかな。きっと僕は何も言えないだろうな。「自然でいいよ。無理するのが一番つらいんだよ」ぐらいしか。

■11月11日 「この国はどこにいこうとしているのか 数学者、森毅さん」より。

喜寿を迎えた森さんの目に、今の若者はどう映るのか。
 「幼く見えませんか」と尋ねたら、早速、人をけむに巻く語り口で「むしろ『おじさん化』が進んでるねえ」。「おじさん化」とは何ぞや。
 「やたら『みんなこうするもんや』とか『誰でもこうしてるんや』と物事を単純に断定したがる人のこと。世間のおじさんは一番忙しい年齢層やから、ああでもない、こうでもない、と考えをめぐらせるヒマもないのよ。こんなおじさんの言説を原資に、時代の常識は作られているわけ」
 そこで、ぷかりと一服。
 「そやけど若者は違う。若者が『おじさん』になったら時代は止まってしまう。若者の良さは時代に背を向け、行動すること。学生運動かてそう。若者の勢いで世の中って案外動くんよ。だから若者は時代からちょっとずれてるのがよろしい。ところが今の若い人は言うことなすこと、おじさんそのものや」

。「大阪の下町には世話焼きバアサンがいて、両隣の家の前の路地まで掃除する。ありがたいけどうっとうしい。一方、東京ではきっかり自分の家の前の路地だけ。気楽だけど冷たい。京都人はどうするか。『ついはずみで』って感じで時々、思い出したように他人の家の前も掃除する。常に境目が揺らぐ。極端に走らない。『ほどほど』を知ってるのよ。僕がこの街で生きやすいのはそのせいかなあ」
 つまり「ええかげん」に見えて「良い加減」ということか。
 「大事なのは多様性。極端にどちらかに偏らないこと。生態系もそうよ。森で棲(す)むやつは、鳥は鳥、虫は虫のリズムで生きてる。だからお互い食い違うに決まってる。違いをなんとかやりくりして生きている。みんなが一緒になったらあかんのよ。人の心も。いろいろあったほうがいい」

■11月16日夕刊「ベルギー版ニート映画の監督、ダルデンヌ兄弟に聞く」より。

。「子供の欲望を先回りし、満たしてしまってはいけない。それは欲望が生まれる前に殺してしまうのと同じこと。欲望というのは、何かが欠けた時に生まれてくる。争いや葛藤(かっとう)を避けようと、社会が先回りしすぎているのではありませんか」

では、何が人を変えるのか。何が、大人になれなかった若者を成長させるのか。「それは他者との出会いです。私たちの映画の登場人物は、自分の殻に閉じこもっている人が多い。しかし他者と出会うことで、立ち直っていく。特に、同世代の他者との出会いや友情、助け合いでね」

■11月24日夕刊 「『あらしのよるに』の読まれかた  作者の木村裕一さんに聞く」より。

 多くの子供が、大人が、身近な人間関係に重ねて2匹の物語を読んだ。 
 木村さんは言う。「ガブもメイも相手に真剣に立ち向かい、思いを率直にぶつけて、互いの違いを許し、認め合い、乗り越えることで心のきずなを深めた。でも、私たちはそんな本音の関係を身近な人々と結んでいるでしょうか。こんな時代だからこそ、大人にも子供にもガブとメイの関係が新鮮に映ったのかもしれませんね」

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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