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ジャパン・クラブに呼ばれて/前編

ひょんなご縁で、とあるミドルスクールの 「ジャパンクラブ」 なる部活動に呼ばれ、日本文化紹介の1日講師をお引き受けすることになった。
ほんとにひょんなご縁というやつで、コミュニティーカレッジの先生つながりで、とある教育学部の先生から 「うちの娘が部長をしているジャパンクラブで講師を探してるんです」 という話が舞い込んだわけ。

この教育学部のゼポリアという先生にまずは会ってみたのだけれど、最初の10分で、一目惚れしてしまった。っていっても、女性なんだけどね。
私も教育学部出身で、教育畑にはあれこれ関心があるもんで、この国と日本の教育制度について、あるいは人種や民族の多様性について、あるいは、人種・民族という要素が若者のアイデンティティーの確立にどんな影響力を持っているか、なんて話についても、話し始めたらもう、お互いすっかり相手の話に夢中になってしまったというわけ。

ゼポリア自身、貧しい黒人家庭に生まれながら、カレッジに進み、そこでスペイン語を学んでスペインに留学。小さなスペインの田舎町や、旅先のヨーロッパで、アフリカン・アメリカンという存在をまったく知らない人たちに囲まれ、暮らした体験を持つ。

「そりゃ、すごかったわよ。お店でコーヒーを飲んでたら、そのへんのおばちゃんがそっと近寄ってきて、何も言わずに私の黒い肌をこすり、それから、こすった自分の指に何かついてないか、じーっと確認して、不思議そうに首をふりふり立ち去ったりね」

「バルで飲んでたりするじゃない? たまたまそのお店にピアノがあったりすると、カウンターに座ってる見知らぬ人からリクエストが入っちゃうの。『何か一曲、歌ってよ』 って。黒人=ピアノ弾いて、歌える、と思い込んでるってわけ。一番、腹が立ったのは、当時の夫 (スペイン人) まで一緒になって、『そうだよ、何か一曲やってくれよ』 って言ったことよっ!」

その体験談の、おもしろいこと、おもしろいこと。
そんなわけで、久しぶりに、何時間でも、何十時間でも、話していたい相手にめぐり会った気がした。話をしているだけで、聞いているだけで、細胞がどんどん活性化していく感じ。
こういうのに、国籍やら、言葉の壁って、あるといえばあるけれど、ないといえばないんだなあ。
(「ない!」 とは、やっぱり断言できないけどね)。

別れ際に、私が 「あと1年半くらいしか、アメリカにいられないけれど、とにかく私は、この国をもっと知りたい。この国をできるだけ知ってから帰りたいの」 と熱っぽく語っちゃった時のこと。
ゼポリアは、真顔でこう言った。
「私もよ。私も、この国をもっと知りたい。でもね、それだけじゃない。私は、この国に、私をもっと知ってほしいと思う」

胸にずしーんと来る言葉だった。
そんなわけで、ジャパン・クラブでの顛末は、後編につづく。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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