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ハムちゃんが死んだ

あまりに忙しかったのと、風邪でぶっ倒れたせいで、1カ月近く、まったく更新できなかった。
ちまたでは、「いよいよ、おぐにのポンコツパソコンが、本格的に全壊したらしい……」 という噂まで飛んでいたみたい。失礼いたしました。
ちょっとここ数日で、まとめて一気に更新してしまおうか、と思ってます。

気を取り直して。まずは3週間以上前の話から。
息子の飼っていたハムスター2匹のうち、1匹が死んでしまった。

ハムスターの世話は完全に息子の役目になっていたので、それを見つけたのももちろん息子だった。
ある夜、いつもみたいに、息子がハムスターにエサをやろうとして、「母ちゃんっ!」 と叫んだまま、絶句した。
どうしたの、と聞いても、黙っている。
息子の顔が一瞬、奇妙にねじれたので、私は最初、笑ってるのかと思った。
ふざけてるのかな、と。
そしたら、そのまま、うつむいてしまった。
それでようやく、私も、ただならぬことが起こったらしい、と気付いたのだった。

タプとクルという名前を付けたハムスターのうち、タプが床材の中で倒れていた。
少し肩で息をしているけれど、抱き上げたらもう、冷たかった。
親子で、しばらく呆然と立ちすくんだ。

実はその数時間前、タプと遊んだばかりだった。
普段は滅多に、回し車を回そうとしないタプが、カラカラカラカラと音をたてながら、回し車を外側から前脚で回していたもんだから、「器用なことをやるもんだ」 と、親子で大笑いして、外に出してやったのだ。
それから数時間しか経ってないのに。
もう、こんなに冷たくなっちゃうなんて。

翌朝、タプはやっぱり冷たくなって死んでいた。
息子が学校から帰ってくるのを待って、2人で庭にお墓をつくった。
東京のマンション暮らしじゃ、お墓を作る場所にも困ったもんだけれど、庭はいくらでもあるもんね。
ちょうどパンジーが咲き乱れる花壇の隣に、穴を掘った。

息子は、傍目に気の毒になるくらいすっかり落ち込んでしまい、黙り込んでいる。
口を開けたかと思うと、言い始めるのはこんなことばかり。

「母ちゃん、天国ってほんとにあるのかな」

結局、親子でこんな会話となった。

息子 「天国に行ったら、俺、死んだ母ちゃんの母ちゃんと、それからタプを探すよ」
私   「あんたが死ぬころには、母ちゃんも死んでるだろうから、母ちゃんもちゃんと探してよね」
息子 「そっか。分かった」

しばし沈黙。
さらに、展開する 「天国話」。

息子 「母ちゃん、天国にも英語と日本語ってあるのかな」
私  「なんで?」
息子 「天国に行っても、野球をしようと思って。でも、日本のチームとアメリカのチームと、どっちも行けるかなあ? やっぱり天国にも日本とアメリカがあって、遠いのかなあ?」
私  「わからんけど、天国なんだから、日本でもアメリカでも好きなところに行けるんじゃないの?」
    ↑
  ああ、あまりに安易過ぎる返事

息子 「だったら、両方のチームで俺、野球しようっと。俺が死ぬころには、○○監督も、▽▽コーチも
    死んでるよね」
私  「まあ、そりゃそうだろ。チームメートも何人か死んでると思うから、またチーム組めるんじゃ
    ない?」

なんかムチャクチャ無責任な答えを返しちゃった気がするけど、まあ、いいか。

それから息子は、お墓に線香を立ててみたり、割り箸で十字架を作って立ててみたり、あれこれと、工作じみたことをしていた。
残されたクルを、タプのお墓に一緒に連れて行く、というようなこともやっていた。
大人が、肉親や大事な人を亡くした時に、極端に煩雑な葬儀の準備にのめり込むことで、正気を維持するみたいに、もしかしたら、息子も、そうやって、ペットロスから立ち直っていったのかもしれない。

とにかく、あれから3週間がたった。
残されたクルの面倒を、息子はせっせとみている。

「なんか、毛並みが悪くなってきたかも。段々と年老いてきたのかな……」
などと、毎晩のようにクルのことを心配する息子をみていると、ちょっと心が痛む。
なにしろ、日本で犬を飼い続ける自信がなく、寿命が2年程度と短いことを理由に、ハムスターを息子に与えてしまったのは、私だもんなぁ。

「あいつは、いい経験をさせてもらってんだよ」
夫がいう。
きっとそうなんだろう。

1年前、「ハムスターが死んだら、新しいハムスターをまた買ってね」 と平然と言っていた息子だが、今は 「しばらく、新しい子は買わない。今買ったら、タプがかわいそうだ」 ときっぱりと言う。
子どもの、ペットの死の悼み方は、一面、おままごとのようで、一面、本質を突いているようなところがあって、私自身、あれこれ亡くした人を思い出したりする春なのだった。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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