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オバマ演説とお尻の話

CNNが夕方、日本の話題を取り上げた。
何かというと、「日本でも、オバマ大統領のスピーチが大人気!」 みたいな話。

オバマ大統領の顔写真が表紙に掲載されたCD付き演説集が平積みになってる日本の書店の映像を見た時には、目が点になった。
ひえええ、こんなことになっていたのか。知らなかった~。
就任式演説のほうの演説集にも予約殺到、だとか。
演説本やCDを教材に使ってる、日本の高校もあるとか。
指導している日本人の女性の先生が、「単に英語というだけでなく、コミュニケーションの力を学んでほしい」 みたいなコメントをしていて、なるほどなあ、と感心してしまった。

オバマ演説との対比で、日本人の政治家が選挙カーの上で生真面目な顔で演説する映像が一瞬、流れた。よく見てなかったが、誰だったんだろ。お気の毒に。

ところで、このニュースが流れていた時、私は別のことに必死になっていたのだ。
何かというと、ウォシュレットの取り付け……。

実は週刊ポストに以前、こんなコラムを書いたことがある。

**************

息子と2人、ワシントンDC郊外に開店したばかりの日本料理店「さつま」に出掛けた。日本式の焼き肉がウリだ。支払いも済ませ、さあ、と立ち上がったとき、その会話を小耳にはさんだ。「ウォシュレット、付けたんですよ」。見れば店長らしき人が、サラリーマン風の日本人客たちに話している。

ウ、ウ、ウォシュレット!?

その瞬間、息子が帰り支度をやめ、きっぱりと「俺、行ってくるわ」。小走りでトイレに向かう息子。取り残される私の頭の中では「ウォシュレット」の一言がぐるぐる。お尻の辺りがムズムズしてくる。温水の記憶が次々によみがえり、恍惚としてしまう。ほ、ほんとにあるの?

(中略)

息子はトイレに消えたまま、たっぷり15分は戻って来なかった。トイレから出てきた息子の表情はまるで湯上がりのよう。

(以下省略)

************

アメリカには全然ウォシュレットが普及してないのだ。
ニューヨークあたりでは、TOTOの販売店があって、ウォシュレットをつけている日本人家庭も多い、とは聞いていたけれど、実際にこちらで買えば結構なお値段のする 「高嶺の花」 なわけで、あきらめていた。
ところが、ニューヨークで買ったウォシュレットを持っている人が身近にいて、ご帰国に際して譲ってくださるという。
感激。

この方、遠慮がちに 「ウォシュレットなんて、モノがモノだけに、私たちが使ったものを誰かに……なんて、いいのかしら、とか思ったのだけれど」 などとおっしゃる。
私は思わず、ブルンブルンと首を振り、
「いいですっ! 使い込んだウォシュレット! 素晴らしい! だいたい、日本じゃ私、会社のウォシュレットだって愛用してました。誰が使ってようと、そんなの気にしませんっ!」
力強く宣言したのだった。
でもって、我が家にやってきたのよ、念願のウォシュレット。

息子のリクエストで、まずは1階のトイレに取り付けようとした。
最初に、タンクにつながる水栓を閉める……という作業で、いきなり壁にぶつかった。
この水栓、固くて、全然動かないよ。

でもでも、アメリカの家はすごいぞ。
我が家にはトイレが3つもあるのだ。
すかさず2階の寝室に飛び込み、こちらのトイレの水栓を確認する私。
おおお、閉まりますよー。やった~!

で、第二段階。
タンクにつながるホースを外す……でも、か、か、固くて動かない~。
当たり前よね、このホース、固く閉まってなければ、水漏れするわけで、手で簡単に開くわけないのだ。説明書を見れば、レンチで開けろ、と書いてある。
が、我が家のレンチは150ミリと200ミリ。
開けたいネジは直径たぶん250ミリはある。
レンチが小さすぎて、開けられないのだ。

10ステップ以上ある工程の、すでに第一ステップで行き詰まってしまった私は、ほとんど泣きそう。
……と、そんな時、CNNで日本のニュースを流し始めたというわけさ。

いいなあ、あの、オバマ演説本が平積みになった書店にも、ウォシュレット付きのトイレがあるのかしらん。なーんてことを考えつつ、懐かしい日本のニュースをながめたのだった。

あきらめきれなかった私、結局ニューヨークのTOTO製品を扱うお店に電話かけちゃった。
日本語サービスもあって、日本人の技術屋さんのYさんがわざわざお電話してくださったのにはすっかり感激してしまった。
なんでも、この手の工具としては、レンチではなく、水道管専門の 「プライヤー」 という先の曲がった可動式ペンチみたいなのを使うんだって。
それ以外にも、注意事項とか、本当にいろいろと丁寧に相談に乗って下さったのだった。

私は心に決めた。
無事にウォシュレットを取り付けられたあかつきには、
Yさんのことを、私の、お尻の恩人、と呼ぶことにしよう、と。
本当に本当に、すばらしく丁寧で、親切な方だったの。
でもって、技術屋さんらしい、仕事人的な話し方もス・テ・キ!
そうだったよなあ、日本って、この手のアフターサービスとか、ものすごく親切で、手厚かったんだよなあ。
……などと、懐かしく思い出してしまったのだった。

こうなったら、絶対に取り付けてみせるぜ、ウォシュレット。
明日は、プライヤーという工具を買いに行くもんねー。

(しっかし、おかしいなぁ。オバマと日本のニュースの話が、なぜか、最後は、お尻の話になっちゃった……)
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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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