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オバマ大統領就任式・パレードを見にいく 前編

就任式、見にいくしかないよな、やっぱり。
そうは思っていた。
何しろ、今や、世界中のどこにいても、就任式のスピーチをリアルタイムに見たり聴いたりできる時代だし、下手すりゃほぼリアルタイムにスピーチの日本語訳が出てくる時代だ。
ならば、私がアメリカの、それも首都DCのすぐ近くにいる意味ってなんだ?
「その場に行って、その音を聴き、匂いをかぎ、何かを感じ取る」 ことしかないじゃない。

とはいえ、無計画な性格なもので、なーんら計画も立てずにいた。
すでにDCのホテルは満室、キャンプ場すら予約が殺到してるという。日中も氷点下のこの寒さの中で、オバマ見たさにテントを張るなんて、信じられない。
おまけに、DC界隈では、就任式前後の混雑を避けて旅行に行っている間、自宅をバカ高い値段で他人に貸す商売が大流行。3ベッドルームの家が3日間で3万ドル(30万円)で貸しに出てたのを見た時は仰天した。
100年に一度の経済危機のさなかに、DC界隈の賃貸市場だけバブル到来、というわけだ。

そうこうするうちに、今度は当日の凄まじい交通規制計画が耳に入り始めた。
DC入りするために渡らねばならない橋がすべて閉鎖?
市民は、車を乗り捨てて、橋を歩いて渡れ?
となると、頼りは地下鉄だけだ。
しかし、こんな噂がまことしやかに流れる。
「誰も彼もが地下鉄に殺到し、駅のホームに入るまで半時間待ち。電車が来ても、たくさん電車を走らせすぎて、途中で何度も止まるから、30分で到着するはずのDCまで、たぶん2時間も3時間もかかるだろう……」
ひええええ。

車と地下鉄を乗り継げばDC入りまで1時間弱、とたかをくくっていた私は、「やっぱり前夜からDC入りしないとまずいのかしらん」 と急に不安になってきたのだった。
それが就任式の1カ月前。

そんな時、夫の職場の同僚の妻仲間 (こういうの、何というんだろう? ママ友ならぬ、妻友?)からご連絡をいただいた。
夫職場の年下特派員クンは、単身者で、まさにDCのど真ん中に部屋を持っているという。就任式前夜は当然、職場に泊まり込む予定で、その間、お部屋はがら空き。
これを、3組の妻子で借りちゃおう、という計画だという。
地図を見れば、この特派員クンのアパートは、なんと、パレードのあるペンシルベニアアベニューに面して建っている。彼の部屋こそ、ペンシルベニアアベニュー側ではないそうだが、建物から一歩出れば、そこはパレードの会場、というわけ。

す、す、すごい立地条件じゃーん。

聞けば、この特派員クンのもとには 「1泊1000ドル出すから、部屋貸してくれ」 とアメリカ人の友人が頼み込んできたこともあるとか。
1000ドルといえば、10万円?
なんかもう、10万円もトクした気分でホクホクしていたら、就任式の2週間前になって事態が暗転した。

またしても妻友からお電話。
「カレの部屋、使えないわ。住民以外の出入りは規制されるんだって」
えええっ!
計画、白紙撤回か。

ところが、この妻友さんは、大変優秀な方で、すでに対案を用意しておられた。
「それでね、デュポンサークル近くに住んでいる ○○さんのお部屋に行かせてもらえることになったの!」
ちなみに、○○さん、とは、前支局長の奥様。
なんと素晴らしい、妻友ネットワーク
おまけに、年下の特派員クンのおうちのようにワンルームじゃないから、お部屋もたくさんあって、ベッドもあって、寝袋なんか持ってこなくて良いからね、と、おっしゃっているというじゃあないか。
心から、感謝、感激。
そのお部屋から、就任式の舞台までは、歩けば半時間。
地下鉄に乗れたらそれ以下で到着する。
なかなかの立地なのである。

そんなわけで、
前夜にDC入り→翌日、就任式とパレードへ
という目処も立った。
盤石な計画、と思っていた。

がそうでもなかった。思わぬ伏兵……それは、風邪。
渡米2度目の風邪を、よりによってこんな時にひいてしまったのだった。
これがひどい風邪で、頭がぼーっとして起きあがるのもつらい。
就任式までに治ったとしても、下手に息子にうつしたら、どっちにしても足止めを食らう。
病院に行って、さくっと治したいところだが、我が家は無保険なので、なかなか気楽に病院にも行けないのだ。無保険者の医療費って、有保険者の医療費の2倍くらいふんだくられる国なんだから、もう。

風邪はぎりぎりで山場を越してくれたけど、これがきっかけに咳喘息が始まってしまい、ほんと、周囲からは 「もうあきらめたほうがいいんじゃないの?」 となんども言われた。
でもなあ。
毎日小学生新聞の連載を引き受けちゃっていたから、これはもう、何が何でも取材するしかないのだ。
だって、いきなり、日本の小学生読者に、「風邪ひいちゃってたから、家で寝ながらテレビで就任式を見てました」 とは書けないじゃない?

そんなわけで就任式前日。
私と息子は極力減らした荷物を持って、DCに地下鉄で出掛けたのだった。
防寒は完璧。カシミアの帽子。えりまき。セーター。ダウン。私なんか、毛糸のズボン下にレッグウォーマーに厚手の靴下2枚。巨大化した足に合うスノーブーツ(たぶん普段より2センチも大きなサイズ)だもんねー。
地下鉄は思いの外空いていた。
混雑を嫌って、普通の客はほとんどいない。
乗ってくるのは、もう、みんな、就任式狙いの観光客だけ。
すでに地下鉄の中からして、和気あいあいって感じ。
私たち親子はまず、本番を翌日に控えた就任式会場のキャピトルヒルの前に広がる 「モール」 (巨大芝生広場) に出掛けた。

(中編につづく)
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待ってました!!続きが楽しみです!

わーい!

早速書いてくれてありがとうう!

無理な注文しちゃったかなぁって
某所でちょっと反省してたのだ。

ありがとうね~。
続きも楽しみです。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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