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息子のプレゼン、無事終わる

4年生息子が悪戦苦闘してきた1カ月がかりのプロジェクト系宿題のプレゼンが、ようやく終わったらしい。
「とりあえず、まあまあ、ちゃんとできた」 んだそうだ。
なんにせよ、自分で自分に、OK、と言えたなら、そりゃ良かった。

しっかし、豪華絢爛な宿題だったのよ。
題して、creat a country.
何かというと、「自分で国を創れ」 というわけ。

主に社会の宿題なので、基本的には、地図について学んだことを生かしましょう、という宿題。
まず、自分で好きな国を考える。
その国の地図を2つ描く。
一つの地図には、国境や10個のオリジナルな都市、そのほかの地図記号など。
もう一つの地図は、地形が分かるように、標高線を入れる。
縮尺やら、等高スケールやら、色々とカラフルに仕上げて、終わり……だったら、ラクチンなんだけどね。

2つの地図とは別に、ブックレットを作れという。
ここに、自分の作った国の歴史についての文章を書き、さらに、国旗、国花、国木、国の昆虫、国の動物、国のスポーツの絵をそれぞれ描き、一つ一つにその由来の説明文を付けろという。

おまけに。
ここからがスゴイ。
国歌を作れ、だって。
曲は、出来合いのものでいい。
でも歌詞はオリジナルに限る。

そして、プレゼンテーションの最後に、この歌を歌え、という。
ひええええええ。
最初にこの課題を読んだ時は、卒倒しそうになった。

あんた、英語もままならない息子が、英語で歌詞を書いて、おまけに人前で英語の歌を歌う????
ちょっと、ありえねー。
ただただ笑うのみ。

それでも、この手の宿題が、息子は実は好きだ。
絵を描いたり、地図を描いたり、何かを考えついたりするのが楽しいらしい。
実に楽しそうに、あれこれ描いていた。
しばらくたって様子を見てみたら……ははは、地図やら、国のシンボルの類の絵は全部ほぼ完成しているというのに、文字部分はまったくできてないのだった。

息子の創り上げた国の歴史やら、それぞれのシンボルの物語を説明させ、それを親子で必死に英訳し、これを息子の家庭教師に見せて、正しい英語に直してもらい……。
さすがに歌詞だけはとうてい我が親子には歯が立たず、家庭教師姐が丸ごと作ってくれた。
まあ、アメリカの小学生の宿題というと、日本と違って、「親の手伝い」 が前提みたいなもんだから、こういうのもありかな、と。

家庭教師のクリスティーナが溜め息を付きながら、
「しかし、いくらなんでも国歌を作れとか、歌えってのはどうかしらねえ。昔はアメリカでも、子どもの宿題に親が手を出すなんてありえなかったの。でもある時期、親が手を出したほうが、子どもの学力が伸びる、というような研究やら調査があったらしく、積極的に親が手出しするような宿題を学校が用意し始めたってわけ。でも最近は行き過ぎも見られて、共働き家庭には対応できないとか、色々な意見も上がってるんだけどねえ……」。
宿題一つにも、お国柄が色々見えるからおもしろいもんだ。

まあそんなわけで、息子の宿題が完成した。
国の名前は、 The Republic of Ballpark。
隅から隅まで野球ネタオンリー。

息子の宿題によると、この国は島国で、丸いボールの形をしている。全世界の人が使い捨てた野球のボールが長い年月をかけて積み上がり、この島ができたという。船が難破したA・ロッド船長が発見し、それ以来、野球選手や野球ファンばかりが移住を始め、後に独立宣言をした。
国には10つの都市があり、それぞれ米国大リーグのチーム名がついていて、人々は自分の好きなチーム名の都市に暮らす。都市ごとに野球チームを持っていて、ペナントレースで勝利した都市が、1年間、首都になる権利を得るという。

一番笑えたのは、Bally という動物。
見れば、足はバット。耳やしっぽは野球のボール。
息子の説明によると、子どもがバットやボールをなくしたり、買ってもらえなかったりしていたら、この動物があらわれて、自分の足やしっぽを取って、子どもたちにプレゼントしてくれるんだと。
で、この足やしっぽや耳は、自然とまた生えてくるらしい。

Ball Bug という虫の話も笑えた。
野球のボールに羽根が生えた昆虫なんだけど、息子によると、「サイズはホンモノの野球ボールとまったく同じなので、野球の試合途中で、時々選手がホンモノのボールと間違えて打ってしまう。この虫は、バットで打たれると必ずホームランになる」 だって。

そんなわけで、1カ月、たっぷり楽しませてもらった宿題だった。
が、さすがにクラスメートの前で歌うのは無理かと思われた。一度、担任の先生に会った時、「さすがにハードル高そうです」 と言ったら、「歌をカセットテープに録音してきてくれたら、それで十分」と言われた。
それで、どうせなら、と私のピアノの伴奏付きでカセットテープに録音した。

ところが、プレゼン前夜になって、息子がいう。
「母ちゃん。俺の歌がはいってない、伴奏だけのテープを作ってくれない?」
つまり、やっぱり自分でみんなの前で歌いたい、というのだ。
滅多にみることのない、息子の勇気ある姿に、そりゃ母ちゃんだって一肌脱ぐさ、と録音作業を開始。
ところが、息子の歌声にごまかしてテキトーに弾いていたピアノ伴奏だから、毎回音は違うし、間違えるし、結局完成版を作るのに、何度も何度も録音し直す羽目に。

あたしって、何やってんだろ。

なーんて思いつつ。プレゼン当日。
息子は何度も、親の前で練習をした後、学校へ。
帰ってきたら、平然とした顔で、「別に。なんとかなったよ」 とうそぶく。
でもしばらくしたら、大きく伸びをして、
「あーーーーーーー、終わったーーーーーーーーーっ」
だって。

それからぼそっとこう言った。
「結局さ、テープ使わなかった」

へ?

「だって誰も、テープとか持ってきてるヤツ、いなかったんだもん。だから伴奏なしで歌った」

そっかそっか。
みんなと同じように頑張ってみたかったんだ。
いいさいいさ。
母ちゃんの貴重な時間を、テメエ、よくも無駄にしてくれたな! なーんて全然思わないから。
息子がどんな顔で、どんな声で、みんなの前で歌ったのか、それだけはちょっと知りたいけどねえ。

ちなみに1年前にも、似たようなプレゼン系の宿題があった。
何かモノを作る過程を展示にして、プレゼンしろ、というもの。
過程を言葉で説明するのなんて到底無理だった息子のために、
家庭教師は、「折り紙にしましょう!」 と提案。
折り紙でパンダの顔を作る過程を、何枚もの折り紙で作り、貼り付け、その紙を持って、息子がクラスのみんなの前で言ったのは……

Origami Panda

だけ。
家庭教師の先生が教えてくれた、「これが折り紙パンダの作り方です」 というほんの一文の英語すら言えずに、「オリガミパンダ……」とつぶやくだけで終わったのだったっけ。
それを思えば、今年は、みんなの前で英語で歌まで歌ったんだもんなぁ。
この1年。
よくここまで来たよなあ、と。

海外で子育てしてると、何でも頑張っているように見えて、成長の度合いもすごく大きくて、自ずと、親が肯定的になれるから、ラクチンだわー。
いや、そりゃウソか。
一方で、頭のどこかに穴が開いてるんじゃないか、と思えるほど、次々忘れる、カタカナ、漢字……。
そのたびに、ひええええ、とか、うげえええ、とか。
帰国の日を思うと、頭がクラクラしてくる私。
どうなることやら。

ま、いっか。

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リキがつきそう

いやー、プレゼンお疲れ様でした。こういうのをガキのころからやってると力がつくだろうな。はじからはじまで野球がらみというのも、ボンらしくていいねぇ。こうして親と子の共同作業をやっておけば、巣立ちも早いのでしょう。

いやー、すばらしいよ息子クン。おばちゃんは動物と虫の話、ほんと気にいったよ(アンパンマンとハリポタみたいだね)。プレゼンまでできたなんて、ほんとにすごい。

また泣きました

おぐにの文章、読む度に泣かされてるなー。
その課題、帰国後、必ず見せて下さい。
とっても個性的でユニークないい国だと息子くんに伝えてね。

アメリカの児童書を読んでいると、よく出てきますよね<project。

自由研究よりもずっとスケールが大きい感じですね。

国家を作れなんて、また、なんという・・・。

おぐに息子くんに乾杯したくなったわ~。

プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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