おぐにあやこの行った見た書いた

再び野球漬け

結局、土曜日のダブルヘッダー2試合目は、アナポリスのセレクトチームと対戦。
いやはや。
9歳以下のチーム、なんだけどさ。
体の大きさがまるで違う。
日本で言えば、6年生と3年生が試合をしてるのを見てる感じだった。
強烈に強くて、素振りなんて、ブルンブルン音がなって、何でもかんでも外野までガンガン飛んでいき、完敗したのだった。

午前のチームも午後のチームも、子どもだけでなく親までそろいのTシャツや帽子をかぶっていて、もう、力の入り方が違う〜。

ここで、一つ、懺悔せねばなるまい。
実は私、とある週刊誌のエッセイで、こんなことを書きました。

 今回はアメリカの少年野球の話。米国の野球少年はとにかく積極的だ。キャッチャーの子は、盗塁と見ると必ず二塁にボールを投げる。内野手が多少下手でも、全然迷わない。だから、内野手はすぐボールを後逸するし、その間にホームを突かれることも多い。私なんかは「あっちゃー」と悲鳴を上げてしまうけど、応援席の親たちは「グッド・トライ」と拍手し、ほめまくる。日本だったら大人たちが「間に合わないから投げるな〜」などと声を張り上げていそうな場面なんだけどなあ。

 この国では、空振り三振しても「グッド・スイング!」とほめてもらえるし、無謀な盗塁でアウトになっても「グッド・ハッスル!」だ。一方、見逃し三振だけは注意される。子どもが積極的になるわけね。

 ベンチの風景も日米で全然違う。少なくとも息子のチームメートたちは、味方の攻撃中に、日本みたいにベンチ前にずらりと立ち並び、「○○のヒットが見たい〜」とか「ホームラン前のナイスカット〜」とか声をそろえて歌ったり、応援したりしない。というか「みんな一緒に」ってモンが全然ない。一打逆転の場面ではさすがに応援するが、大差がついた試合の行方なんかまるで見向きもしない。ヒマワリの種を飛ばしあって遊びほうけている。これってどうかと思うよ。日本じゃ「声で負けるな」なんて言うんだけど、こういう哲学は米国には存在しないみたい。


これ、実はあくまで、レクレーション目的の我がチームの話でありまして。
今回のオールスターのチームは、全然雰囲気が違うのだった。

とんでもない球を空振りしても、「グッド・スイング!」とは誰も言わないし。(当たり前か)。
外野からセカンドバックせず、とんでもない所に送球すれば、熱くなったコーチが怒鳴りまくるし。
こっちのオールスターチームはただの寄せ集めだったけど、相手チームはそれぞれ、節のついた歌で一斉に応援してたのだった。
味方の攻撃中は、ちゃんと立ち上がって応援してるし。
なーんだ、日本のチームと変わんないじゃん。

おまけにすごい光景を見てしまった。
ある子が一塁に出塁したはいいものの、ぼーっとしてて、牽制球でさされちゃった。
あっちゃー、でも、まあ、ああいう小さい子だとそういうのもあるわよねー。
そんな感じで見てたら、突然、その子がベンチに戻ろうとした時、一人のコーチが歩み寄り、その子のヘルメットを取り上げると投げ捨てた。
それから、バコーンと、その子の肩を突き飛ばした。
(これ、私は実は見逃した。うちの夫が全容を見てたんだけどね)。

遠くにいたから、何を言ってるかはわからなかったけれど、怒りを爆発させ、子どもをしかりとばしてるのは丸わかり。
たぶんこのコーチ、この子のお父さんなんだろう。
しっかし、試合中に、子どもを突き飛ばすか〜?

試合の後で息子に聞いた話によると、その子は泣いていたらしい。
そのコーチにもがっかりだが、「試合中なんですし、やめましょーよ」と言えないコーチ仲間や監督にもがっかりだ。
息子なんかはっきりしたもんで、「おれ、あのコーチたち、嫌い。何かあるとすぐに子どもに当たるんだよ」 という。
あらためて、偶然に太一が配属されたチームの監督やコーチの紳士ぶりを思い、「いいチームに恵まれたわ」 と感謝したのだった。

日本でもそうだったが、チーム運に関しては、息子はとても良いんだと思う。
やっぱりそう。野球の神様っているのだ。

そんなわけで、週刊誌には 「アメリカの野球はのびのびしてて、自由で、大らか」 というのは、あくまでレクリエーション目的のチームであって、トライアウトを経て選ばれたチームになると、監督もコーチも熱くなるらしい。まして、リーグ戦ではなく、トーナメントだと、負けたらお終いなので、よけいに大人は熱くなるというわけ。
日本の少年野球で、親が子ども以上に時に燃えちゃうのは、あれはトーナメント方式だからじゃないかなあ。

それはさておき。
本日日曜日。
息子はとうとう先発を外された。
力のあるホームランボーイのピッチャーを先発に回した。
何となくコーチの思いもわかった。
太一が長打を打たれて、大量失点したら、もう、このトーナメントじゃ1勝もできないのだ。
そんなわけで3−1で2点差を追う3回。息子の出番なく、2番手のピッチャーを迎えた。

この子が、崩れた。連続で四球を出し、押し出しで4失点。
ここで息子がマウンドに呼ばれた。
無死満塁のピンチ。

一人目を三振。ワンアウト。
二人目はショートに打たれ、どこもアウトにできず、さらに1点を失うが、二塁ランナーが走塁中、ボールを蹴り飛ばし、これでツーアウト。
三人目は三塁前ゴロでスリーアウトチェンジ。

昨日よりずっと球が走っていた。
もしかしたら、朝の練習が良かったのかもしれない。

「おまえの球には回転が足りない。手首を強くするしかないんだ」 と力説する夫に従い、息子は今朝、延々とある練習をしていた。
寝転んで、ボールを高く真上に挙げて、落ちてきたボールを捕球する。
それだけの作業だが、手首と指先を上手に使わないと高く真上には上がらない。
最初は数回しか続かなかったのに、この日は何度もやって、40回まで続いた。
この練習もまた、日本の野球チームの監督やコーチたちに教わった練習方法なのだ。
使ってるボールも、硬球じゃ怖いので、日本で使ってた軟球。
こんなところでも、日本から持ってきた軟球が生きているのだ。

次のイニングでは、3個のショートゴロをことごとくファーストの子がエラーして送球を取れず、結局4失点となってしまったが、まともに打たれたのは1球だけだった。
練習すれば、するだけのことがある、と息子もきっとわかったと思う。

ボロ負け4試合、という無惨なトーナメントだったが、本当に良い経験をさせてもらった。
とんでもなく強いチームがいることもわかったし、
投手以外では延々と内野に使ってもらえたから、弱かった硬球のフィールディングも随分と上達した。
初めて野球の試合で悔しくて泣く、という経験もさせてもらえた。
ああ、こうなると、秋のシーズンが楽しみ!
そして、その後に控えている5カ月間もの野球のない冬が、あまりに哀しい〜。

そんなこんなで、息子の野球漬けの1週間が終わりました。
あと数日後には、息子は日本に一時帰国です。
(私? 実は居残りなのだった)。

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

おぐに息子さんのチームとうちの1号のチームって似てる〜。
そしておまけに相手方が上手というのも似てる〜。さらに相手方のお父さんに熱血な人がいて、たんなるリーグ戦なのに(トーナメントじゃないよ?)、判定に不満があると熱くなって、審判に文句を言いに、観客席からやってくるんだよ〜。
うちの1号は、リーグ戦、トーナメント戦が明日で終わるんだけど、さらにその後、リーグの中のトーナメントチームに参加することになり、7月末の一時帰国の前々日までゲームがあることになりました。また新しいユニフォームも作ってもらい、背番号の希望も聞かれ(カブスの福留の1が良かったんだけどねぇ。イチローの51になりました。)、また新しい戦いが始まります。
今年から野球を始めたとは思えない漬かりっぷりです。

ささこ | URL | 2008年07月02日(Wed)10:29 [EDIT]


 

トラックバック