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息子のともだち

長らくブログ更新できなかった3つ目の理由。
それは、息子の大事な 「ともだち」 が消えてしまったこと。
ハムスターのタプ君の、大失踪事件……。

「犬を飼いたい」 と言い続けていた息子に、私が買い与えたのは、2匹の小さなハムスター。
どうせすぐに飽きるだろー、という私の予想を裏切って、息子は何をおいても彼らの世話だけは毎日欠かさなかった。
ある時期、現地校に友達ができなくて、日本語補習校にも友達ができなくて、ベッドの中で夜になると 「もうこのまま目が覚めなきゃいいのに……」 なんて哀しい言葉まで口にし始めていた息子にとって、自分の手の中でエサを食べる小さな、ふわふわした生き物の存在は、唯一の 「ともだち」 でもあったのだ。
また、我が家に新しい子どもが遊びに来てくれた時、本当は人見知りする息子なのだが、ハムスターを介することで、初対面の異年齢の友達とも、なんとなく遊べるようなところがあって、親としても本当にこのハムちゃんたちには感謝してきたのだった。

停電騒ぎに加え、猛暑で大騒ぎしてる時、それは起こった。
段ボール箱をいくつもつなぎ、小さなトンネルで出入りできるようにした、巨大なハムスターのお城を造ったところまでは良かったんだけど、ちょっとした隙間があって、そこから1匹のハムスターが逃げ出したらしい。
彼の名前は、タプ。
たぷたぷと太り気味だったから付けた、先に息子に懐いたほうのハムスターだった。

懐中電灯片手に、
ピアノの後ろも探した。
ソファーの下も探した。
食糧貯蔵戸棚の中も探した。
靴の中も探した。
暗いところ、狭いところ、奥まったところ、すべて探したのに、見つからなかった。

夜中に、あちこちに、ヒマワリの種を置いて寝たら、1晩目は夜中に種を食べた痕跡があった。
「やった、まだ生きている!」 と小躍りした。
2晩目も、あちこちの種を食べていて、夜中に家じゅうを走り回っているだろう様子がうかがえた。
ところが3晩目。
エサにおびき寄せられたハムスターが、そのまま、段ボール箱にぽとんと落っこちちゃうような仕組みを作ってみたんだけど、この夜は、まったくエサに触った形跡がない。

水を飲めず、体力が落ちて動けないのではないか。
どこかの物陰で今にも死にかかってるんじゃないか。
息子の前では口に出せないけれど、嫌な予感ばかりが募った。
息子は毎晩、さめざめと泣き、朝は、戻ってこないタプを思い、がっくりと肩を落とした。

そんな今朝。
息子が、「母ちゃん! いる! タプがいる!」 と叫んだ。
息子が指さしたのは、床の 冷暖房吹き出し口。
その奥で、いかにもハムスターっぽい音がする、という。
地下室にあるヒートポンプに続く、ダクトの入り口だから、そこに落ち込むと大変なことになるはず。
真っ青になりながら、ヒマワリの種を手のひらに乗せ、吹き出し口の奥に手を突っ込んでみたら……。

顔を出したのである。
愛しのタプ君。
どうやら、小さな隙間から吹き出し口に落ち込み、はいあがれなくなっていたらしい。
奥に進んでいたら、そのままダクトを通して地下室まで真っ逆さま、だったはずで (いや、その構造は今一つよくわからないんだけど)、考えるだけでぞっとした。

飼育ケースに戻したら、タプは狂ったように水を飲み、それから、ひたすらケージの隙間から逃げようと頑張り続けた。
よほど逃亡生活が気に入っていたらしい。
こっちの気も知らないで! まったく~。

タプが戻ってきたら、頭の中の霧がすかっと晴れた気がした。
「ああ、ブログでも書くか……」 とパソコンの前にようやく座れた。
それから気付いた。
そうか、何も書く気がしなかった、この珍しき日々の一番の原因は、こいつだったんだなあ。
やっぱり、生き物を飼うってことは、重いなぁ。

息子は 「ああ、今日はなんて良い日なんだろー」 なんて言う。
アメリカに来て以来、「あーあ、良いことが何もない日だった」 とか 「毎日何かぱっとしないよなー」 とか、まだまだネガティブ発言が多い息子なんだけど、今日だけはホント、実にうれしそうだった。

停電と猛暑とハムスター失踪と。
なんか、すごく疲れる1週間がようやく明けた気がした。
さて、明日はシーズン最後の野球の試合。
敵は、1学年上の強豪チーム。息子は先発、らしい。
ぼこぼこに打たれるんだろーなー。
ま、精一杯応援してみようっと。

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よかった!よかった!

あー。。。よくわかるわ。
よかったね~。タプくん&息子くん。
我が家はみんな、犬に癒されてますー。
でも、犬はやっぱり、すっごく大変。
ハムスター、繁殖させるの?

プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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