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アメリカのお誕生日パーティー

野球シーズンが始まって間もない4月上旬、突然、息子にお誕生日会 (5月22日) のお誘いがありました。
誘ってくれたのは、野球チームの監督の息子で、息子と同い年のブライアン。
ブライアンのお誘い、というよりは、
新メンバーの外国人である息子を気遣った監督の奥さん (つまりブライアンのママ) からのお誘い、というのは、火を見るより明らかでした。
本当にありがたいなあ、と感謝しつつも、いきなりお誕生日会というのは、英語をまともに話せない息子にはハードルが高すぎやしないか? と思ったり、いや、誕生日会までの1カ月ちょっとの間に野球を通してブライアンと仲良くなってるし、きっと大丈夫だ、と思ったり。
親として、随分と心が揺れたものです。

そもそも、ちょうどその頃は私、まだ息子の、「号泣事件」 をまだ引きずってもいたしね。
さらにさらに。
友人からこんな話を聞かされた後でもあったの。
そこの娘さんは、アメリカの保育園に行ってお友達もたくさんいたんだけど、お誕生日にお呼ばれしたので娘を行かせてみたら、その夜、「明日から保育園に行きたくない」 と号泣したんだそうです。
なんでも、保育園の中では先生が上手にフォローしてくれるお陰で、娘さんは自分があまり英語がわからない、ということを意識せずに済んでいたのね。それが子どもたちばかりの空間で、突然、疎外感を感じ、みなと同じように英語ができない自分に気付いた、というような話。

「大丈夫かなあ」
「1カ月もあれば、野球のチームメートだもん、仲良くなるよ」

あれこれと思い悩む我が夫婦。
そんな両親の期待と不安をよそに、息子の1カ月は飛ぶように過ぎました。
チームの中には、息子に積極的にアプローチしてくれる子が何人かいて、その子たちとは言葉を介さなくてもなんとなく楽しそうに遊べるようになっていた息子なのですが、肝心のブライアンとは……

まったく、会話なし。

こんな状態で、お誕生日会に行くのかよ……とほほ、といった状態のまま先週を迎えました。
そろそろ、お返事をする期限も迫っていたわけで、息子に、
「あんた、どうするの? ブライアンの誕生日、行くの? 行かないの?」

私の詰問に、息子は
「うーん、どっちでもいい」

行ってみたいけど、やっぱりちょっと怖い……というのが本音だったみたい。
さらに息子は、

「だって、ブライアンって話したこともないし、何が好きかも知らないから、お誕生日のプレゼントに何を持っていっていいかだって分からないし」

案外、具体的なことを心配してる息子の様子に、私の心はスパッと決まっちゃった。
よし、こりゃ、行かせてみよう。
それで私のほうから、ブライアンのママに 「ぜひぜひ、参加しま~す。でも、ブライアンのプレゼント選びで迷ってるので、好きなものを教えてね!」 とメールしたのでした。

すぐに返ってきた返事は、
「ブライアンに直接聞いてみたら、日本の野球選手の野球カードがほしいんですって」

これを息子に告げた時の、息子のうれしそうな顔ったら!
さっそく、大事に大事にファイリングした自分の野球カードコレクションをながめ、同じ選手で複数のカードを持っているものを選び出し、なかなかバランスの良い10枚のカードセットを実に楽しそうな表情で作ったのでありました。

ブライアンと、一言も言葉を交わしたことがないくせにね。
野球カードを集めてる同好の士、と思うと、俄然、身近に感じちゃった、ということのようで。
ああ、男って、なんて、単純!

さて、ブライアンのお誕生日会は二部構成。

前半は、みんなで映画館に行き、ナルニア物語(第2作目)を見る。
後半は、映画館の隣のピザレストランでピザを食べ、ケーキを食べ、プレゼント交換、といった具合。

誕生日会に映画かよ、と日本人の感覚だと驚くけど、こっちのご家庭のお誕生日会はなんだかとっても派手派手で、ほかにも、スケートリンクを貸し切ってパーティーとか、クラウンや手品師を雇って子どもたちを喜ばせるとか、いろいろ。
そういえば、船を借り切って、ポトマック河3時間のクルーズパーティー、なんて話も聞いたことがあったな。
スポーツセンターとか色々な施設も、お誕生日などのパーティー向けの貸し切りプログラムを持ってるところが結構あるのね。
いやはや何かとお金がかかるわけで、当然それを前提にプレゼントを選ぶから、プレゼントを渡す方もそれなりにお金がかかるわけです。

もちろん、ブライアンのお誕生日では、映画代もピザ代も、みなホスト側の負担。
ちなみに、ブライアンのママによると、数週間後にはブライアンの妹のお誕生日パーティーが迫っており、この時は女の子たちにパジャマ姿のままで集まってもらい、枕カバーを作ったり、ケーキを焼いたり、いかにも女の子なイベントを企画してるんだそうで。
すごいなー。

さてさて。
でもって、本日、行って参りました。
親子して、アメリカ初のお誕生日会体験!
ブライアンのママの気遣いで、「アヤコが一緒のほうが息子さんも気が楽でしょー」 と映画とピザの両方に私まで招いてもらっちゃった。
ナルニア物語は、そもそも我が親子は第一作を見てないし、おまけに、英語はアメリカのアクセントではないし、私でも分からないところがいっぱいあったわけで、たぶん、息子はチンプンカンプンだったはず。
さらに、ピザレストランでも息子は、ものすごい勢いでしゃべくりまくる少年たちの隅のほうで、ぽつねんとピザを食べているような状態だったんだけどね。
それでも、プレゼントの野球カードを思った以上にブライアンに喜んでもらえたことで、息子は本当にほっとしたみたい。
思えば彼が一番心配し、脅えてたのは、「プレゼントを喜んでもらえなかったら、どうしよう」 ってことだったのねえ。

最後にお返しのお菓子なんかを配ってもらい、「ありがとう!」 と言って帰る時には、「あーおもしろかったね」「行ってよかったね」 と何度も何度も言ってる息子だったのでした。
所在なげで、心細い瞬間もいっぱいあっただろうにね。
私も、なんだかほっとしちゃった。
ブライアンとママに、「ぜひぜひ今度、野球カードコレクションを持って、我が家に遊びに来てね」 とプレイデートのお願いもしてきちゃった。

思えば私、息子のお誕生日会なんて、やったこと、なかったのよね。
なにしろ息子の誕生日は5月5日。つまりゴールデンウィーク中なもので、ついつい、それに甘え、いつも家族で夫の実家のある仙台に出かけていたので、友達を招く機会もなかったの。

来年はいっちょ頑張って、息子のために、派手な誕生日会を企画してみようかしらん。
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お誕生日楽しめて本当によかったね。私も息子さんの”疎外感”経験済みだからよーくわかります。留学当時はもちろん、結婚してこっちに来てからでも人が集まるところはすごく苦手でした。疎外感がつのるだけだから。
渡米してから15年たつけど、疎外感がなくなって自分らしくふるまえるようになったのは本当につい最近の
ことです。暗い毎日を送っていたのよ。でも、私は今は苦しいけど来年の今頃はきっと今より楽になっているとそう思って乗り切ってきたのかな。

息子さんに疎外感を感じるのは本当に当たり前のことだから、あせらないで少しづつ進んでいけばいいからと伝えてたくさん抱きしめてあげてください。

お誕生日おめでとう!

息子さんも、「楽しかった!」って言っててよかったですね。今度是非、うちの息子にベースボールカード見せてやってください!!

誕生会楽しめてよかったですね~!
うちも毎年いろいろ趣向をこらしてやっていますが、家でやるよりもどこかを借りてやる丸投げの方がラクチンでした。手品師も雇ったりしたよ(笑)。今年はボーリング場で2時間というのをやってみんなすごく楽しみました。

あとね、プレゼントの値段は本当に気にしないでいいと思います。主催者がお金をかけたパーティをやろうがやるまいが、大抵子供のプレゼントなんて20ドル以下です。一度なんてうちはオモチャが多すぎた年はno gift pleaseって招待状に書きました。まだ息子が小さくてプレゼントのことよくわからなかったからできたんだけどね。

派手な誕生日?

素敵なリクエストだね。
どういうチョイスだったかも知りたいな<カード。

以前、読んだ児童書で、お誕生日に腹話術を読んだら、その人形が呪われてて・・・というのがあったのを
思い出したわ。

プレゼントをもらった喜びを素直に表現するってのも素敵<ブライアン。

野球のおかげで、いい出会いがあったね。
少しずつ溶け込んでいけますように。


プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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