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算数を教えちゃった

3度目の教室ボランティアの日。
コピーや教材作りなら、いいな~、楽だし。
と思っていたら、いきなり、算数プリントを生徒たちが解くお手伝いをすることになった。
なにしろ、各学校の評判はもちろん、学区の不動産価格まで左右するというメリーランド州の一斉テストは間近に迫っているし、学校としても、テスト科目である算数とリーディングにひたすら時間を割く時期なのだ。

最初の問題は、こんな感じ。

テラさんは、壁にタイルを貼ります。毎回、白いタイルを3枚、黒いタイルを2枚ずつ貼って模様を作ります。合計30枚のタイルを使いました。白いタイルは何枚使いましたか?

最初に思ったのは、「おおお、美しい問題だ」 ということ。
単純な掛け算や割り算ではない。計算の意味がわかってないと解けない問題だ。

最初に相手をしたのは、アメリカ生まれのラティーノ少女。
いきなり回答欄に、「3枚」 と答を書いて、私をびびらせてくれた。

「ちょっと、待って待って。まず絵を描いてみようよ」

□□□■■ □□□■■
□■■□□ □■■□□
□■□□■ □■□□■

ここまで書いたところで、「ほらね。どんな模様を作るにしろ、毎回白は3枚、黒は2枚。つまりこの5枚を1セットとして考えてみようよ。すると、30枚のタイルを作るのに、何セットいるかな?」

30÷5

を導き出す質問だったはずなんだけど、いきなり少女は私に聞いてきたよ。

「掛け算か割り算かどっち?」

あああああ。
ここにもいたか、計算の意味を考えず、与えられた数字を足したり引いたり割ったり掛けたり、それで答を求めた気になってしまう輩が。
まるでうちの息子にそっくり。

ああでもない、こうでもないと説明し、ようやく、5枚一組のタイルを6セット使うことまで理解させた。
「すると、1組のセットに白いタイルが3枚ずつあるわけだから、6セットだと、合計何枚になるかな?」

これはわかるだろー、と思ったんだけど。
彼女はまたしても聞く。
「掛け算、割り算?」

これまた必死に説明し、

3×6

の数式を導きだした。
が、彼女はさらに問う。

「3×6なんて、答の出し方、わかんないよ」

そっか。掛け算の九九を覚えないのが、この国の新しい算数のありようだったっけ。
仕方なく、絵を全部描かせた。

□□□■■ □□□■■ □□□■■ □□□■■ □□□■■ □□□■■

彼女は白いタイルを1枚1枚数え、「18枚だ!」 と大喜びで答を回答欄に書いた。
めでたしめでたし。

気になったので、20人クラスの半分くらいの子の解き方もチェックしてみた。
てんで関係のないむちゃくちゃな式で、答も間違えてる子が数人。
タイル30枚を全部描き、白いタイルを数えてる子がほとんど。
解けてない子も結構いた。
きちんと正しい数式が2つ並んでたのは、私の見た限りでは誰もいなかった。

一人だけ、私を驚かせてくれたのが、息子をハグして、カルチャーショックを息子に与えてくれたジェイコブ君。
問題用紙に書いてあった、

□□□■■

という5個のタイルの中に、いっぱい点が打ってある。
なるほどー。

1、2、3、4、5
と数えながらまず、タイルの中に1つずつ点を打つ。
次に、
6、7、8、9、10
と、最初からまた、5枚のタイルに点を書き加える。
さらに、
11、12、13、14、15
と最初からやる。
こんな風に、30まで点を打ち続けると、それぞれのタイルに6個ずつ点が打たれることになる。
あとは白いタイルに書き込まれた点 (各タイルに6個、それが3枚分) を数えれば、18、となる。
なかなかオリジナリティーあふれる解き方よね。
打ち間違いや、数え間違いが頻発しそうな解き方で、決して推奨はできないけれど。

いずれにせよ。
これじゃーだめだな、と思った。
そもそも問題用紙に、「自分で30枚のタイルを描いてみよう。それから白いタイルの数を数えてみよう」 とヒントが描いてある。だからほとんどの子はタイルの絵を描き、白いタイルの数を数えて、それでおしまい。

算数の問題を考えるために絵を描くのは大切だけれど。
絵を描くことで、どんな風に考えれば良いかを考案し、数式を導きだしてこそ、応用力が付くというもの。そこまでの作業を、ほとんどすべての子が全然できてないように見えた。

つまり、ほとんどの子は、

□□□■■□□□■■□□□■■□□□■■□□□■■□□□■■

こんな風に絵を描いて、数を数えてるだけ。
そうじゃなくって、

□□□■■|□□□■■|□□□■■|□□□■■|□□□■■|□□□■■

上のように、5枚を1セットとして考え、割り算や掛け算を使えば解けることを自分で導き出し、数式にできるかどうかが、この手の問題のカギだと思うだけどなあ。

え? うちの息子は解けてたか、って?
ぜーんぜん。

そもそも。
問題文の英語自体がまったく分からず、ぼーっと座ってました。
あまりにたいくつだったのか、別の日本人の生徒のところに立ち歩いて行き、おしゃべり。
しっかり先生に注意されてました。あーあ。
先生なりに息子にも一生懸命解き方を教えてくれてるんだけど、その先生の英語自体を息子がまったく理解できてないようなのよね。
どうしたもんだろ。

ボランティアに入ってみて、よその子の勉強の相手をしつつ、ちらちらと息子を観察してる。
ようやく、いかに息子が、まったく言葉が分からないままに、授業を受けてるかが、よーく分かったよ。先生がどんなに気を掛けて説明してくれても、説明してくれている英語がこれまた分からないんだもの。
どうしたらいんんでしょうねえ。

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息子さんの行っている学校にはESLのサポートはないんでしたっけ?なかったらまず学校にそういうサポート(teacher's aide)をつけてもらえるか聞いて見るとか、個人的にチューターを探して一対一で英語で勉強を見てもらうのはいかがでしょう?おぐにさんが勉強をみるときはやっぱり日本語になっているから、ここはネイティブに頼んだ方がいいでしょうね。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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