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Bumper stickers for Hillary ? 行動編

(Bumper stickers for Hillary?集会編、の続き)

さて。
集会はお開きになった。
さっそくあちこちで、色々なボランティアのリーダーの元に、人が集まり始める。
私は、息子の補習校のお迎えまでまだ数時間ほど時間があったので、近所のショッピングモールに行って、ヒラリー応援をうたった bumper sticker (車に張るバンパー) を配るボランティアに参加してみることにした。
「英語、うまくないけど、参加していいよね?」 と聞くと、
「大歓迎!」 と言われたもんだから。

いよいよ、選挙ボランティア体験も実践編、である。
ワクワクドキドキの私である。

車で20分の近くのスーパー前に集合。
集まったのは、ボランティアの中核メンバーが3人。それに初めてこういう行動に参加するという白人夫婦。それから私の6人。
民主党の色である青いステッカーを手に、笑顔で叫ぶ。

Bumper stickers for Hillary??

リーダーの人から、前もって注意事項が言い渡されていた。
「ステッカーはお金もかかってるし、間違いなく車に貼ってもらうことが必要なの。だから、ただ渡すのではなく、その人の車まで一緒に同行し、その場でバンパーの汚れを布で拭き取り、私たちの手で貼らせてもらうのよ!」

だから、ステッカーとボロ布を握りしめ、叫ぶことになる。

Bumper stickers for Hillary??

いやはや、おもしろかった。
日本でこういうことをやると、興味のある人は静かに近寄って来るだろうけれど、多くの人は無視するよね。あるいは、顔の前で手なんかを小さく振りながら、軽く頭を下げちゃったりなんかして、悪意がないことだけを伝え、そのまま立ち去るとか。

アメリカの人はおもしろい。
反対であろうと、興味がなかろうと、ヒラリー大好きであろうと、とにかくリアクションしてくれる。このリアクションが豊かで、バラエティーに満ちている。

「オバーマ!」 と一言、喜びと誇りに満ちた顔で言い、胸を張って立ち去るのは、やっぱりアフリカンアメリカンに多い。それも女性に多い、というのが印象。
(彼女たちの、オバマ氏の名前を本当に誇らしげに口にする表情は、こっちまで感動するくらい美しかった!)
こんな時は、ヒラリー陣営のリーダーも、 「ええ、オバマも素敵な候補者よ!」 と相手をたたえる。

親指を立てて、「ヒラリー! ヒラリー!」 と歓声を上げる人もいれば、駐車場内を車で走らせながら、窓を開け、クラクションをがんがん鳴らして支持表明する、うるさい人もいる。
「私も娘もヒラリー派よ」 という人も結構目立った。
こういう派手なレスポンスをしてくるのは、ほぼ女性に限られている。
圧倒的に多いのは白人女性。

さらに、ヒラリーがヒスパニックに人気が高い、というのも、実感としてつかめた。
女性だけでなく、男性も 「ヒラリー支持」 を口にするのは、ヒスパニックの家族連れなんかに多い。

それに比べると、白人男性は意外なほど冷たかった (気がする)。
中には、すごい剣幕で、
「Don't kill children !」 と何度も叫びながら立ち去った白人男性がいた。
一瞬、なんだろ、と思ったけれど、どうやら、ヒラリーの中絶に対する態度 (確か、「中絶は女性にとって悲しいこと。避けられるなら避けるべきだけど、権利は認められるべき」 だっけ?) を批判していたらしい。

どっちにしても、「ジェンダーや人種が問題なんじゃない」 とどの候補が言おうと、それは嘘だ、としみじみ痛感。
こうやって、街行く人々に声をかけて、その反応を身体で感じれば、そこにジェンダーや人種・民族のバイアスがあるのは、どうしようもなく明かなのだった。

ほかにも、「興味ないわー」 や 「どっちか決めてないし」。
「オバマにもクリントンにもうんざりしてるの」 や 「そうやってうるさく支持を求めるところが嫌いなのよね」。
いろいろなことを、いろいろな人が言いながら、立ち去っていく。
日本で同じことをやっても、これほど面白い体験はできないだろうな。
私の英語力がもう少しどうにかなっていれば、もっと豊かな言葉をキャッチできたと思う。
誰に言うでもなく、サラリと言う、短い、小声の言葉って、一番、私には聞き取りづらいのだ。

「誰に投票するかは、私が自分で考えるわ!」
「俺は共和党支持者なんだ」
そんな風に言う相手に、ボランティアリーダーの女性が必ず笑顔で返していた言葉がある。
それは、

That's America !

だ。

あなたには、あなたの信じる候補者に投票する権利がある。
私には、私の信じる候補者に投票する権利がある。
それが自由な国、diversity (多様性) を認めてくれる国、アメリカなのよ!
というわけだ。

これを言う時の彼女は、本当に誇らしげで、胸を張っていた。
単に他の候補を支持する人に悪く見られないように方便で言っているというようなことではなく、本気で、それを誇り、信じているのだと、見ていてよく分かった。

さてさて。
肝心の車のバンパーステッカーはどうなったかというと。
これねえ、ほしがる人、すごく多いの。
ところが、「じゃあ、この場で、今、車に貼らせてくれる?」 というと、半分以上の人はその瞬間に言い繕って逃げる。
この逃げ方がまた絶妙。

「あーん残念、私、車を持ってないの」

うそつけ、嘘!
この巨大ショッピングモールに、車なしで普通こられないだろ。
カートにつんだ大量の買い物を、君は本気で歩いて運べるのか?
といったみえみえの嘘。

ほかにも、
「夫の車だから、夫に許可を取らないと」
「今日はバスで来たんだ。あとで車を持ってくるよ」
「車に貼って、取れなくなるといやだなあ」(多くの人の本音はこれだと思う)
などなど。
ここからが、選挙ボランティアの交渉力が問われる。

「大丈夫。お湯を掛けるとすぐ取れるのよ」 とか、「バンパーがダメなら、車の内側から後ろのガラス窓に固定する方法もあるよ。私が今、やって差し上げるわ」 とか。
ボランティアリーダーの彼女は、ここからの押しがものすごく強くて、気付けば相手を納得させて、相手の車に同行する。
英語が苦手な私には、これができない。
だから、

Bumper stickers for Hillary??

と笑顔で叫んでおいて、「1枚ちょーだい」 と誰かが近付いてきたら、「Could I put it on your car right now?」 とか尋ねて時間稼ぎしながら、ボランティアリーダーに合図し、合流してもらう。あとは彼女の交渉力に任せて、一丁上がり、みたいな。
ほとんど、私がやってることは、キャッチですな。

立ち去る時、ボランティアリーダーに 「本当に本当にありがとう」 と感謝された。
圧倒的な言葉の壁にはばまれ、さしたる成果も上げられなかった私なんだけどな。

でも、感謝された中身を、私は実はその2時間で、かなり痛感していた。
何より感謝されていたのは、私が、アジアンだということだったと思う。
同じように、夫婦連れで参加した夫 (つまり男性) も、とても感謝されていた。
私と彼がいなければ、その日のボランティア4人は、全員が白人女性。
一気に、diversity が失われてしまう。
ボランティアメンバーの中に、アフリカンアメリカンがいて、ヒスパニックがいて、アジアンがいて、ちゃんと男がいてこそ、多種多様な人々に支持を訴えやすくなるし、「へええ、色々な人が支持してるんだ」 ということをアピールすることができる、というわけ。
戦略上のそういう理由に加え、たぶん、本気で彼女たちは、diversity を尊び、自分たちの仲間の diversity を誇りたいんだろう。

実に興味深い体験だった。
悪辣な怪文書や怪メールも飛び交うらしい民主党の選挙戦で、それでも「初の黒人大統領候補」 と 「初の女性大統領候補」 の一騎打ちというシチュエーションが、自信を失いかけたこの国の多くの人々を今、勇気づけてるんだと肌身に感じた。
結局、アメリカを世界に誇りたいんだよな。

こうなると、オバマ陣営のボランティアも1日体験したいもんだ。
彼がどんな人たちを惹き付けてるのか、すごくすごく興味があるもの。
なーんて。ああ、節操のない私。
スーパーチューズデーは明日だっ!

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素晴らしい経験をされましたね。私は20年近くもアメリカに住んでいるのに実際にキャンペーン活動に参加したことないわ。

前回も書いたけど、共和党の候補も追ってみてる?
昨日はオバマの奥さんミッシェルがUCLAに来ていて、そのスピーチをTVで見たんだけど、ヒラリーも顔負けの演説で説得力があるの。でもヒラリーにはビルがいるから、対等でしょう?でも共和党の候補者の奥さん達をみると、誰もミッシェルやビルほどキャンペーンスピーチできそうな人がいないんですよ。マッケインの奥さんなんてarm candyそのもの。だからいっつもマッケインにひっついてキャンペーンを回っているみたい(ミッシェルはオバマと別行動でも全然平気でキャンペーンできるのに)。

是非是非共和党のキャンペーンにももぐりこんでみてください。とくにハックビーとかローミーとか。アメリカの別の面が見えてくるはずです。

スーパー原稿

やるねぇ。まさに記者を辞めないと書けない原稿。「行った、見た、書いた」の小国節に感動。次はオバマ陣営で「来た、見た、勝った」の綾子節か。こちらは文芸春秋に前宰相のシンゾー君がおなかピーピー、政権投げ出しの裏を書いておられますが、1年も続く選挙戦だと、資金力だけでなく体力、気力が試されるよなー。
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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