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読書日記7〜10月・下

イチオシ!は、赤坂真理さんの「東京プリズン」。何度も何度も書きなおし、それでも最後まであきらめなかったインタビュー記事でした。
あと、園子温さんの著作もいいです。私にとっては彼の映画より、彼の言葉のほうが好きです。
岡野雄一さんの「ペコロスの母に会いに行く」もお勧め。


■橋下語録(産経新聞大阪社会部)
■どうして君は友だちがいないのか(橋下徹)
■まっこう勝負!(橋下徹)

 橋下現象を知りたくて資料として読んだ本。案外とおもしろかったのが「どうして君は友だちがいないのか」。たとえば、

 <「空気を読む」行為を、いやらしくて子どもらしくないと考える大人は少なくありません。子どものうちぐらいは「イヤなことはイヤと言え」「周りのことなんか気にせず、自分を素直に出しなさい>なんてアドバイスする大人は多いでしょう。しかし「空気を読む」のは非常に重要なことです。子どもたちが小学校、中学校、高校を通して一番に学ばなければいけないこと、それは勉強というよりも人間関係を築く基礎能力だと僕は考えます>

 なんて一文とか。
 あと、彼の独特の友だち論は極めて興味深かったです。友だちなんてためにならない。友だちなんていらない。「本当の友だちがいない」なんて悩む必要はないんだ。友だちのハードルを下げてごらん。他人と一緒にいること自体、難しいことなんだから、苦なく一緒にいられるならそれで十分友だちと言えばいい。友だちなんて人生の一部だし、長くつきあえる友だちって実は大人だってほとんどいない。信じられないなら、自分の親に聞いてごらん、「パパやママは今、親友って呼べて、頻繁に一緒にいるような友だち、何人くらいいるの?」って。

 そういう文章の後展開される、彼なりのサバイバル方法……強い者を見つけ、そこにくっついて、ドラえもんのスネオのように生きて行け、というメッセージも、極めて興味深かったです。そうやって生きてきた人が、長じて、ああいう政治スタイルを採っているということにも。
 彼の友だち論は、決して多くの子どもたちを幸せにするものではない気がしますが、友だち関係に悩む一部の子どもには、福音になるのかもしれない、と感じました。

■「東京プリズン」赤坂真理
 これはもう、御本人のインタビュー記事が私なりの読後感のすべてです。まだ毎日新聞のサイトで読めるようです。http://mainichi.jp/feature/news/20120910dde012040065000c.html

■「学校における自傷予防」
 図書館で借りたら、文京区にはなくて、都立図書館から借りることになった。悲しいことに、DVDの貸し出しは許可が降りなかったみたいで、DVDはなし。だめだ。しかたないので、これは後日購入しよう。

■「原子力と宗教 日本人への問い」 鎌田東二&玄侑宗久

 京大の宗教学者と、福島の寺に暮らす作家で臨済宗住職の対談集。主に、どちらかというと、玄侑さんの言葉が光っている対談集ですから、玄侑さんファンは必読、とおもいます。以下、それぞれの言葉で印象に残ったもの。

<鎌田さん>
*絶対に揺るがない確固とした信念というものは怖いものですよ。「安全神話」というのがそうでしたでしょ? 「絶対、大丈夫です」と電力会社はひたすら言い続けた。(略)そもそも「安全神話」などという言い方が気に入りません。神話というのは、ちょっとやそっとのことでは崩れるものではありません。簡単に崩れるようなものは、神話ではない。神話が壊れる時は、人間が壊れる時なんですよ。

<玄侑さん>
*……(略)混乱とか混迷とかいうのは大きな変化のときです。とりあえず、提案したいのは、自分が違和感を持つ考え方や反対意見に積極的に耳を傾けること。揺らぎを受容すること。へんに「絶対この判断が正しいんだ」などと思い込まずに肩の力を抜いて、由来で、たゆたっていくことが大切ではないでしょうか。(福島で見られる多くの分断、主に、避難をめぐる住民同士の分断を語った後での言葉)39ページ以降

*(漁師さんたちは海の側でしか暮らせない。高台移住しても、一列目の海が見える場所ならいいが、二列目以降は嫌だという、というエピソードを紹介した後で)アジアの人々は懲りないところがいいんです。そもそも高台といえば聞こえがいいですが、そんなにいい条件の土地が、今まで手付かずであるはずがありません。不便で開発できそうもないから残っていたり、神々がいる山だったりするわけですね。(これを受けて、鎌田さんが笑いながら「神々がいる山、なかなかいい言い方ですね。要するに、人間が住めるとは思えない土地」と答えている)

*(15メートルの津波がきた南相馬で新たに築く防潮堤が何メートルになるか、と玄侑さんが問うたのに対し、鎌田さんが「16、17メートル?」と予想する。これに対して)違うんです。7メートルから8メートルです
中途半端だと考える人がいるかもしれませんが、私は、それはけっして悪くないと思いました。むしろ15メートルを越える防潮堤なんかが造られることにならなくてよかった、とほっとしました。そんな防潮堤のある海辺は、もはや遊び場になりませんよ。泳ぐ場所でもないし、自分の船も見えなくなる。(略)なんだか「いじらしい」数字だと思います。(略)逃げるしくみというと、経済第一主義の人は、敗北だと考える傾向があります。我々祖先は自然を勝負の相手だと思ってこなかった。逃げることを負けとは考えて来なかった。そういう民族なのに、です。(67ページ以降)

*被災者の心のケアというのはとても大切です。ただ、そこにも節度やマナーが大切だと思うんですね。なかには、ランダムにいきなり仮設住宅を訪ねてくる人もいるそうです。ある仮設住宅の玄関の横には、「心のケアお断り」と書いた紙が貼ってありましたよ。(91ページ)

 少し間を置いて、再読しても良い本かな、と思いました。

■青山ファーマーズマーケット畑レシピ  農家が教えてくれたおかず100
 なかなかおいしそう。個人的には、パルメジャーノチーズの代わりに、薄くスライスした生のカリフラワーを、出来立てのペペロンチーノパスタにかけると、チーズみたいに食べられる、というのに興味津々。ほんとだろうか。

■凛として 花田憲子
 離婚して、藤田憲子さん、そして改名して、今は藤田紀子さんの古い著書。インタビューに先立ち、読みました。いきなり、本の冒頭に「勝と光司は、まぎれもなく、花田満と私の息子です」と書いてあって度肝を抜かれた。そもそも芸能ニュースに疎い私。ここまで色々な噂の中で生きてきたのねえ。
 インタビューでの印象は……。一言で言うなれば、「短すぎた青春」と「プレシャーの強いおかみさん生活」の後、いまだに「自分探し」が終わらない、という切実さとまっすぐさと痛々しさ、でしょうか。

■「覚悟のすすめ」 金本知憲
 阪神ファンとして。引退を知って、あわてて読みました。いつかインタビュー希望。かなうかな。

■香田証生さんはなぜ殺されたのか 下川裕治
 あの時期、イラクで人質になったり、殺されたりした日本人の中で、最も、気にかかっていたのが香田さんの存在でした。世論は「ジャーナリストとしてでもNGOとしてでもないのに、あの時期にイラク入りするなんて」と、バックパッカーの香田さんにとても冷たかったのですが、元バックパッカーの私としては、実は内心、香田さんこそが最も、「自分自身との距離を取れない相手」でありました。つまり、「私にだってありえたのではないか」とか「私と彼との間に何の違いがあったのだろう」とか、そんな風に思わざるをえなかったのです。
 下川さんが、同じような思いを共有し、この本を書いてくださったことにまず、心より感謝します。彼もまた、事件当時、香田さんが「無知」とか「バカ」とか批判されていた時に、いくつかのメディアから元祖バックパッカーとしての立場からコメントを求められ、「僕の返答は要領を得なかった」と本書の中で振り返っています。
 下川さんはだから、ある週刊誌に対して、香田さんの心情について「いかにイラクが危険かということはきっとわかっていたと思う。とてもこわかったでしょう。でも冒険心と『自分を変えたい』という気持ちが恐怖に打ち勝ったのでは。旅の仕方に批判はあるでしょうが、彼のなかで、イラクは行かざるを得ない場所だったのではないかと思います」という談話を寄せて、その後、ちゃんと香田さんの旅を追ってみよう、と考えたのです。本書は、そんな下川さんが、香田さんの足取りを追った本です。
 下川さんが本書のあとがきで書いている言葉が、すべてだと思います。「旅とはそういうものなのだ。確かな目的もなく、知らない国に分け入っていく。旅はそれでいいはずだ」。これはすとんと胸に落ちました。本当にそう思います。
 だからこそ私は、大学時代のバックパッカーの日々の後、旅に飽きたらなくなり、定住すること、仕事を持つこと、自分の立ち位置を獲得することにこだわったのだし、当時たくさんいた、「半年日本で稼いで、半年世界を旅行する」みたいな暮らしを選べなくなったのだし、旅の途中で出会った人々と「旅人」という立場以外で出会いなおそうとしたのだろうし、大学を卒業して新聞記者などになったのだろうし、だから今もこうしてこんな風に生きているのだろうし……。
 香田さんに、その迷いの先にあるたくさんの人生の可能性を、選んでもらいたかった。あの年で、迷いの渦中で、命を断たれたことは、やっぱり私には胸が裂けそうなくらい、切ないことでした。

■言葉が足りないとサルになる 現代ニッポンと言語力 岡田憲治

 今、インタビューしたい人リストの中の一人。帯の「話し始めて考えよう。声帯が震えると世界が浮上してくるよ!」も好き。
 興味深かった点を以下列挙。

*使っていけない幼児語として「うぜえ」とか「ちょーやばくねえ」とかを挙げた後、「感動をありがとう!」も挙げています。この言葉について筆者は、「(これは)幼児語ではありませんが、感動という行為を『まったくもってお大雑把で貧乏臭くさせてしまう』危険な仕様禁止用語です。精神が怠惰になる『やっつけ仕事的言葉』です。締め切りに追われて時間のない雑誌記者などが使い、『感動の涙』と『もらい泣き』の区別に興味のない人たちが飛びつきます」とばっさり。全身全霊で同意。「感動をありがとう!」と使う人の言語感覚を、私は一切信用できませんもん。(9ページ)

*筆者のゼミをやめたい、と言い出した学生の挙げた理由が「嫌いな人がいるから」。筆者は、ちゃんと理由を語れよ、といいます。ちゃんと理由を語らない、語るべき言葉を持たない人が増殖中であるのは、「分かり合うためには必ずいくらかの痛みが伴う」という覚悟の欠如であり、「コストはかかるが、絶対にやらなければならない社会関係の整備をする力、とりわけ言葉の力」がひどく弱まっている、と指摘するのです。(30ページ)

*寂しいくせに、つながりたいくせに、言葉が足りない、と筆者はいいます。筆者はSNSなどに見られる、やたら「いいね!」的な前向きレスポンスの付け合いについて「気持ち悪い」と指摘し、「それはおかしいだろ?」とか誰もつっこまない現状を憂い、「心理的(ときには肉体的)摩擦や葛藤を一切排除して、ただでさえ困難な相互理解にどうして立ち向かうことができるのか」「心のカサブタをいっぱい作る以外に方法はないのではないか」と指摘するのです。(41ページ)

*北川悠仁さん作詞の「逢いたい」という歌を引用し、「圧倒的に言葉が足りない」とばっさり。悲しい気持ちを表現するのに、「悲しい」と書くのは禁じ手中の禁じ手だったろ、と。「逢いたい」からって「逢いたい」を連呼してどないすんねん、と。言葉足らずなベタな歌については、「やっぱり最後に愛は勝つ」というような歌はかつて、中学生以下にしかもてはやされなかったのに、「逢いたい」はもはや、大人にまで人気をはくしている。筆者はいうのです。「あの人に『逢いたい』という気持ちを『逢いたい』というワード・チョイスで歌にされて、『これこそが僕の思っていた気持ちだ!』と共感できることが信じられないのです」と。これまた同感。(210ページ)

■幻獣ムベンベを追え 高野秀行
 早稲田大探検部が、アフリカはコンゴの湖にまで、幻の怪獣ムベンベを探しにいった話。こういうの、高校生あたりが読むと、良いのではないかなあ、と思いました。ちょっと仕事が忙しくて、最後まで読みきれなかったけど。

■AKB48白熱論争 小林よしのり、中森明夫、宇野常寛、濱野智史
 話題の書なので、一応読みました。AKBを苦労して取材したこともあったし、その時には濱野氏にお話をうかがいにいったりもしたので。
 個人的にちょっと詳しく知りたいと思ったのは、
*ムスリムの女性がたくさん見に来ているというJKB48の舞台を見てみたい
*創価学会の励まし合いと、AKB48の握手会とは良く似ている、という指摘(123ページ)
*宇野さんいわく「今はみんな将来が不安だから、自分の生活だけで精一杯なんですよね。でも、だからこそ、自分の利害関係とは離れたところで誰かを『推す』ことが心の支えになるんじゃないでしょうか」(127ページ)。たぶん、私が最後までAKB48を理解できないのは、こういう心情が自分にはあまりないからかも、と思いました。
 概ね、AKB48現象を宗教と絡めて語っているところは面白かったです。握手会や投票権利を獲るためにCDに費やすお金は「お布施」だとか。
 ちなみに84ページで濱野さんが語っている「毎日新聞社からの取材」は私のインタビューのことです。AKB48の総選挙とアメリカ大統領選との相違点。そういう話もそういえばあったなあ……。

■「ご縁をいただいて」「片岡鶴太郎 自伝・描きかけの自画像」「筆のゆくまま、心のままに」 以上3冊、片岡鶴太郎
 彼のインタビューをすることになり、下準備として読みました。
 一番興味深かったのは、彼が「俺たちひょうきん族」自体、迷っていた、ということ。ビートたけし、明石家さんま、山田邦子ら、強烈な個性に囲まれて、「自分はみなと違い、素のキャラクターだけでは勝負できない。誰かの物真似とか、誰かにふんしなければ力を発揮できない」と悟ったのが、役者への道を開いた、という所でした。
 だからインタビューでは、その点を書きました。自分のゆくべき道に迷ったり、自分が何に向いているか分からなかったりした時は、絶対に一人で悶々と悩まないこと。身体を動かし、何にでも挑戦してみること。他人の中でもまれ、他人の中で自分を相対化する中で、おのずと自分の弱みも強みも見えてくる……と。

■「希望の国」「非道に生きる」 園子温
 御本人インタビューの前に読んだ本。どちらもものすごく言葉が生きています。こちらも、私の読後感は、インタビューがすべて、です。http://mainichi.jp/feature/news/20121012dde012040012000c.html

■「日本の巨樹・巨木」「巨樹・巨木をたずねて」「神様の木に会いに行く」 高橋弘
■「巨樹・巨木」「続 巨樹・巨木」「パワーツリーに会いに行く!」 渡辺典博
■「古木の物語」 牧野和春
■「関東周辺の巨樹を歩く」 永瀬嘉平
 念願の巨木の取材、していいよ、と上司からゴーサインを受けて、片っ端から読みました。仕事を離れて、少しずつ見て回りたいと思いました。

■「ペコロスの母に会いに行く」 岡野雄一
 長崎のタウン誌で連載されていたのを、自費出版したところ、地元で大人気に。映画化が決定し、西日本新聞が再編集して出版しなおしたところ、フェイスブックなどで話題になり、10万部も突破する勢い……とか。
 心に染みる本です。介護を抱え込むのではなく、施設を上手に利用しながら、ユーモアでくるみながら、認知症の母親と出会い直していく感じが、とても希望を与えてくれます。超おすすめ。

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プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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