スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2、3月の読書日記

恐ろしく忙しい2、3月でした。
おかげでちっとも、満足に本が読めなかった。読みたい本、目の前に山積み状態。とほほほほ。
それで3月後半、twitterのフォローをだいぶリストラし、twitterを読むのに遣っていた時間を読書にあてました。どうも私にはそっちのほうが向いているみたい。

今月のいちおしは、「河北新報の一番長い日」と「世代論のワナ」でしょうか。

*******

■青山・国連大学前ファーマーズマーケット男子野菜部「これからの野菜の食べ方」ファーマーズマーケットが教えてくれた30の真実

 書名も、著者名も、長すぎる……。というのはさておき。印象に残った彼らの主張を列挙しておきます。
・お客さんでも「化学肥料はいや」という意見を持つ人が増えました。しかし、色々な農家さんと触れ合う中で「有機肥料か化学肥料か」というだけで野菜の良し悪しを判断するのはモッタイナイのではないかと思い始めています。なぜなら有機肥料が必ず安全だとは言い切れないからです(略)よく知りもせずに否定するのはいやだなと思うのです。
・(無農薬だと断言することは誰にもできません。)現代の農家さんは、ほとんどのタネを種苗会社から購入していますが、そのタネのほとんどにあらかじめ農薬がかかってしまっています。(略)誤解を怖れずに言うならば、「無農薬ですか?」という質問だけではあまり意味がないように思います。
・Q 野菜を食べて東北を応援できますか? A 「応援したいから」より「おいしいから」が本当は嬉しいのです。
 写真やらレシピもところどころに入っています。
 福井で専業農家をしている義弟も作っている、黒や黄色のニンジンの写真も。彼の作るニンジン、本当においしかったなあ……。

■岩科司「花はふしぎ」

 日本で春を告げる花(マンサクやフクジュソウなど)はなぜ黄色いのか、という謎への答を探しているうちに行き会った本。

■山本直人「世代論のワナ」

・就職活動をRPGに例えて、このゲームに勝つ学生像(=ゲームに強いキャラクター)について「全体的な体力・気力がある/複数の特技やセールスポイントがある/圧迫面接などへの耐性が高い/一緒に頑張れる仲間がいる」を挙げる。RPGは、まず弱い敵を倒しながら、成長していく。いきなり人気企業だけに当たるのは、いきなりボスキャラに当たるのと同じこと。就職活動の中で徐々に成長し、強くなっていく、そのリズムに乗れた人が内定ゲッターになれるんだって。
・就職でやたら重宝がられる「コミュニケーション能力」について。コミュニケーション能力の高い若者の特徴とは? 内定ゲッターな学生たちに共通する特徴は、「自信を持っていて、伸び伸びと楽しんでいる(大学に入るまでに〝ダメ出し〟をされていない)/異性との接し方も自然/親が束縛も放任もせず、本人のコンプレックスになるようなダメ出しをしていない/」。つまり、自己肯定感が低くなるような育てられ方をされたり、学校で周囲にいじめられたりした人は圧倒的に不利、ということか。根が深い問題。
・著者は一方で、「伸び伸びした=コミュニケーション能力高そうな」学生ばかりを採用することの副作用についても述べている。一見「コミュニケーション能力の高い」若者に限って、「ダメ出し」された経験がないから、「打たれ弱い」。なるほどなあ。
・著者曰く「『コミュニケーション能力があって、かつ、タフな学生』が理想になる。しかしこの条件にかなうものはそういない。そもそも、そういう人物を『エリート』というのである。だから、ビジネス現場でやるべきことは、「ダメ出しされなかった若者を現場で鍛えていく」か「ダメ出しされた者に再度自信をあたえてやる」か。著者は「前者が起業の役割であり、後者は主に教育の役割だと思う。ただし、それは社会全体で支え合っていく問題だろう」と。
・実は就職シーンにおいては、家庭のバックグラウンドが大きな意味を持つ。著者によると、「親からダメ出しされていない」学生というのは、「親から信頼されている、と言う意識を持っている」学生なんだそうだ。「自信を持っている者は他者を信頼する」から、親子間で、「自信の相続」あるいは「自信喪失の相続」が起こっている、と。実はこれ、ものすごく大切な視点だと思う。

■橋本徹・堺屋太一「体制維新 大阪都」

■上橋菜穂子「狐笛のかなた」

守り人シリーズにはまった私が、日本に戻って、「こ、こんな本もあったの!」と遅ればせながら手に取った。やっぱり、上橋さん、いい。切ない。哀しすぎるエンディングにしたら、一生恨むぞ……と気持ち入れ込んでしまった。

■世代間格差  人口減少社会を問いなおす ちくま新書 加藤久和

データいっぱい。きちんと隅々まで読みたかったけれど、仕事が忙しくて、つまみ読みしかできなかった。後日もう一度読み直す予定。

■中下大樹「悲しむ力 2000人の死を見た僧侶が伝える30の言葉」

 ホスピスで働く僧侶が、「まだ生きてるのにお坊さんなんて縁起が悪い」などと言われつつも、終末医療に寄り添う中で感じたことを綴った本。出版直前に東日本大震災があったため、現地での活動も急遽盛り込まれた、らしい。詳しくは書かれていないが、著者自身が子ども時代、被虐待経験を持っており (たとえば、祖父から竹刀で殴られている間じゅう、痛みに耐えつつも、どこか冷静に、「あーあ、大樹くん、また殴られてるよ」と他人みたいに自分自身を眺めていたことを覚えています、なんて記述がありました。解離、ですよね)。
 東日本大震災の後に、「悲しむ力を大切にしよう」という本書のメッセージが気になって、手に取ってみました。前向きプレッシャーみたいなものが、ちょっと気になる今日このごろなので。
 大震災の後、「初めて生きる意味について考えた」という声を多く聞いたそうです。これが一時的なものなのか、そうでないのか、見極めたい、と本書に書いてありました。私も興味があります。
 著者のいう通り、日本に足りないのが「悲しむ力」だったとしたら、それは日本の宗教観と深く結びついている気がします。宗教心がなく、それゆえ、合唱なんかでも、第九も含め、宗教曲を歌うのが苦手な私にとって、信教することに信教しているようなアメリカでの4年間の経験は、とても考えさせられるものだったし、宗教の持つ力というのを考えることがとても多くなった気がします。

■「さかな記者が見た大震災 石巻賛歌」高成田享
 いきなり1ページ冒頭に、ワシントンDC時代の知り合いの名前が出てきてびっくり!

■「官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪」牧野洋

■「大丈夫だよ、がんばろう! 私も、乳がんと闘っています」山田邦子
■「邦子の『しあわせ』哲学」山田邦子

■「日本人をやめる法」

■「震災死 生き証人たちの真実の告白」吉田典史

 遺族、検死医、消防団員、救助犬調教師、潜水士、防災学者……色々な立場の方々の証言を並べてあります。つまらない作り込みをしていない分、真っ直ぐな気持ちで読みたくなります。
 ものすごく良い本、という予感がします。なぜ、予感、と言うかというと、5分の1を読んだところで、図書館の貸し出し期限が切れてしまい(仕事がちょうど忙しかったの)、返却しなければいけなかったから。貸し出し予約手続きを取った上で、いったん図書館にお返ししました。今度順番が回ってきたときは、半日、時間を取って、じっくりと感じ取りながら読もうと思います。

■「迷走する両立支援 いま、子どもをもって働くということ」萩原久美子

 2006年刊行の本。気になったデータや指摘を列挙。新しい数字、今度探してみようっと。
*労務行政研究所のデータ「国内転勤をめぐる最新実態」(2005年)では、5年前より単身赴任者が増加した、と回答した社が30%に。生データが見たかったので探したら見つかった(http://www.zeniro.jp/cgi-local/siryou/upfile/tenkin.pdf)。これによると、減ったのが1割、残り6割が横ばい、って感じ? 最近のデータ探してみよう。
*夫と妻の育児時間について。読売新聞アンケート2003年。「夫が子どもの預かり先や保育の手配をする」と回答した妻はわずか14・4%。「夫が子どもの友人宅などの緊急時の連絡先を知っている」も22%。爆笑。ちなみにわが家では、息子が保育園~小学校時代、お世話になったベビーシッターさんの電話番号を3~4回ぐらい夫に教えたが、そのたびに夫は紛失。夫が直接シッターさんに電話し、手配したことは、ゼロ、です。ゼロッ!!!(今の若い世代のパパには絶対に理解できないだろうけど、わずか10年前だってこんなもんでしたよ)
*かなり古いデータだけど。2001年女性雇用比率について。「男女共同参画に関する調査 女性人材活用と企業の経済戦略の変化に関する調査」(2005年経産省)。育休取得者の比率が平均以上の企業(17・8%、A群とする)より、平均以下の企業(28・8%、同B群)のほうが、女性雇用比率は約10ポイントも高かった。しかも、同年の女性管理職比率も、A群ではわずか1.9%なのに、B群では5・4%。また、女性採用比率のほうもA群では1993年46%から96年37・3%、2001年は28・3%と年々落ちている(!!!)。B群では93年45・3%から、2001年46・9%と微増している。つまりだな、育休を取りやすい職場はそもそも、入り口で女性を絞り込んでるし、長く働けたとしても昇級昇格はなかなか難しい。一方、育休が取りにくい(というか、妊娠した時点で、両立モデルが見えなくて退職しちゃってるんだろうな、きっと)会社では、結構女性を採用してるけど、産んだ女性は辞めちゃって、結果的に昇進してる女性の割合が数字上高くなっちゃってる、とか? そういうことでしょーか。うむむ。
*238ページ、243ページなど。「両立支援」が、「女性社員に対する仕事と育児の両立支援」という脈略で語られていることの問題の指摘。本来ならば、「職場の男女間格差解消」や「男女共同参画」的なプランとして、行動計画策定を企業に義務づけるべきだったのではないか。この辺りの指摘、大事。いつのまにやら、「ワークライフバランス」って言葉が、女性だけの問題だと思っている男性社員の多いこと、多いこと!

■「いじめとは何か」森田洋司、中公新書

 いじめ概論をさくっと読める新書。新書だけにお手軽だけど、もっと突っ込んで知りたい人には物たりないかも。ちなみに、この著者の監修した「いじめの国際比較研究」(金子書房)はとても役に立つ本で、私はいまだ手元に置いてあります。

■「河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙」 河北新報社

 報道に携わる人はやっぱり必読の書、と思いました。
*見出しに「死者」を使わず「犠牲『万単位に』」するまで、どんな議論があったか。
*販売店の方の体験。「これまで新聞を届けて『ありがとう』と言われたことはあっただろうか。『ごくろうさま』とはよく言われるが、『ありがとう』を耳にしたことはない」
*福島が持ち場だった若い記者が、一時的に社の方針で退避せざるをえなかった経験を経て、「自分の追い求めた理想の記者像とあまりにかけ離れ、その落差に言いようのない絶望感を覚えた」といって、退社したこと。
*南三陸町の3階建の防災対策庁舎ビルの屋上に、約30人が避難している写真と、ビル屋上に波がかぶり、退避していた人数が約10人に減っている連続写真。今なお有名なあの写真だが、共同通信社が配信したこの写真を、河北新報社はあえて載せない判断をした。判断を決めた一番の決め手は、現場で取材する記者の「その写真を地元の人が見たら、多分もたないと思います」という言葉だった。「われわれは被災者と共に」と。
*震災孤児の取材がもっとも辛かったという20代の記者。親をなくした中学生の話を聞いているうちに、途中、自分が何を聞いているんだか分からなくなり、頭が真っ白になった、という。「取材にあたって自分が彼らにしてあげたことは何ひとつなかった」と。
 一枚の写真、一つの記事、載せるか載せないか、一つ一つの判断について、今なお自問している、という記述が続く。そうだよなあ、と思うしかない。答えのでない自問が降り積もっていく仕事なんだよなあ、と。
 福島を退避したことを引きずり、最後は退社の決断をしたという若い女性記者さん、今どうしているのかなあ。

■「突然、僕は殺人犯にされた ネット中傷被害を受けた10年間」スマイリー・キクチ

*警察、弁護士、地検の検事……ほとんどの人が、被害を訴えるキクチさんに言った言葉。「だったらネットをみなきゃいいでしょ」「ブログなんてやってるから、中傷される。ブログをやめればいい」「実際に被害を受けたわけじゃないでしょ」。今なお(いや、数年前の言葉が混じっているにしても)、法に関わるそれなりの年代の人の、ネットに対する考え方がこの程度なのか、と愕然とした。なんという無知……。
*キクチさんに「あんた殺人犯。死ね」とか「鬼畜。地獄で焼かれろ」とか「殺す」とか書き、最終的に警視庁に摘発された十数人。その内訳は結構重い。社会的に地位ある人もいた一方、引きこもりなど、心に問題を抱えた人も4分の1近くいた、と。また、取り調べで警察から「キクチ氏はあの殺人事件とは無関係だ」と事実を告げられた時、彼らのほとんどが「ネットにだまされた」「悪いのは嘘の情報を流した人」「自分は被害者」と主張したという。怖い。自分もまた、嘘の情報を流し、中傷した、という事実への自覚があまりに欠如している。最終的に、犯行理由について「離婚してつらい時期だった」「人間関係の悩み」「暮らしがうまくいかずムシャクシャしていた」と供述したって。「キクチ氏が憎かった」みたいな理由じゃなかったことが、何より怖い。
*おまけに、不起訴処分に。この事件を担当した担当検事と、キクチ氏との会話はものすごい。ご本人、icリコーダーで録音していたらしいので、そう嘘はないと思う。ちなみにこの検事さん、キクチさんが「僕にどんな落ち度があったんですか」と問うたのに対し、「中傷されているのを知りながら、ネットを見たり、ブログを開設したりしたこと」「(過去の殺人事件との関連を疑われるような)足立区出身と公表したのも問題になるのでは」と言ったそうな。さすがに度肝を抜かれたキクチさんが「自分が生まれた街を公表して何が悪いのですか。じゃあ、足立区出身で僕と同世代の人はブログもネットもやるなってことですか」と問うたら、「う~ん、え~、そうですね……」と。
 自分が巻き込まれ、検事にこんなことを言われたら、いったいどうすればいいんだろ、と途方にくれてしまいます。
*自分の発言に責任持てない人、それを簡単に流布してしまう人、それはどの時代にもいるんだと思います。インターネットといのは、それを簡単に拡散し、おまけに増幅する機能を果たしてしまっているとも思います。でも、だからネットを批判するのではなく、そういう問題がいとも簡単に起こってしまうことを理解し、問題が起こるたびに早期に解決していける仕組みを作っていくしかないんじゃないか、と思ったりしました。

■「われ日本海の橋とならん 内から見た中国、外から見た日本 そして世界」加藤嘉一

 毀誉褒貶ある人、とはいいますが、私は彼の話、すごく面白いと思います。東大の学園祭で彼の話を聞いたのが初めてでした(http://gendai.ismedia.jp/articles/print/27935)。それで彼の著書を何冊か読んでみよう、となったわけ。彼の著書の中でどれか1冊を読む、というなら、これが一番お勧めかな、と思いました。

その他、ロバートホワイティング氏のインタビュー前に、彼の 「和をもって日本となす」「菊とバット」「イチロー革命」「さくらと星条旗」 など読み返す。特に
■「和をもって日本となす」 は日米相互理解の歴史に残る名著です。
スポンサーサイト
プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。