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お誕生日のスリープオーバー

アメリカのお誕生日会は、派手だ。
アイススケートリンクを借り切るとか、クライミングセンターでパーティーとか、農場でヘイライドしてキャンプファイヤーとか……。
たいていの商業施設や子連れOKレストランが、「お誕生日会パック」 なるものを提供している。
そりゃそうだよね。
まとまって予約が入って、日程がずれることもほぼなくて、おまけに、「将来の顧客」(つまり子ども)への宣伝効果も抜群! こんないい商売ないよね。

それでも小学校も高学年になると、あんまり派手派手パーティーとかをやらなくなっていくみたい。その代わりに増えるのが、スリープオーバー(お泊まり会)。
凝ったのだと、広い裏庭にテントを張って、子どもたちをそこで寝袋で寝させ、パパとママが交代で寝ずの番をする、という企画も聞いたことあるけど、そんなこと、とてもとてもできません~。

この5月、うちの息子は今年11歳になった。
去年だったら、派手派手パーティーもありだったんだろうが、ちょうど家族で旅行中だったし、野球シーズンも真っ直中で、親子ともそんな余裕まったくなし。
ただ、この1年、数軒からスリープオーバー(お泊まり会)や誕生日会に呼ばれることもあったので、今年は、やらざるをえまい、と思っていたのだった。

息子を軽く説得し、あっさりとスリープオーバーでお茶を濁すことに。
一度にまとめてやってしまいたかったのだけれど、私としても、男の子ばっかり6人とか7人とか呼ぶのもしんどそうだし、せいぜい3~4人がいいなあ、と。
さらに保守的で慎重な息子は、「やんちゃなザックと、クラスメートのおとなしいファイークを一緒にさせられない」 と主張。結局、野球チームメートのザックだけ別枠で先週スリープオーバーし、今週、というか今日、というか、今、クラスメートの少年3人が我が家で大暴れしているのであった。

宗教上、肉だめ、とか、おそろしく偏食持ちで、あれがダメこれがダメといって、この前のプレイデートでは、我が家でなんとレタス3切れしか食わなかったヤツとか、まあ、色々いるわけで、今回は2回とも安易にピザ。
ホームベーカリーを2度回し、ピザ生地を作り、これを少年どもに分け与え、ピザを作らせてみた。
ピザ職人の技を真似てみたい息子がまず、ピザ生地を空中に投げ上げると、残りの野郎どももこれに参加。
「落としても洗えないからねー。別の生地もないからねー。自分で食べなよー」 と言い渡したら、案外慎重な少年達で、誰も一度も生地を床に落とすことがなかった。

トマトソースやらチーズやらマッシュルームやらサラミやら、あれこれ好きに選んでピザを作るだけで大騒ぎで、おまけに、それが焼き上がったら、また、「俺のはどれだ~?」「これじゃないか」 とか大騒ぎ。
やっぱり男はつくづく子どものころからアホなんだと思う。

2階の客間で枕投げをし始めたから、「バタバタ暴れるんだったら、地下でやってくれ」 と地下室に閉じこめた。このまま、地下室で寝かせてしまってもいいくらいだが、地下室は、ものすごーく寒いので、やめておくしかないか。

地下室での大騒ぎの様子が、嫌でも耳に入ってきて、今夜という今夜ははっきりと分かった。
わかったのは2つ。

1、息子は結構えらそうである。
  英語がまともにしゃべれないくせに、いたずらものケビンを叱り倒している。
  叱り倒す時の英語ばかり上手になっていくのは、ケビンのお陰か。

2、息子の英語力は、恐ろしいほど貧しい。
  結局、男の子の遊びで叫ぶ言葉しかしゃべれないじゃないかーっ! 
  論理的な話をしてるのをついぞ聞けなかった。
  日本の幼児で言えば、いわゆる3語文を話してるだけ、って感じ。

ま、それでも楽しそうだから、いいか。
あれれ、地下室が静かになったぞ。
誰か怪我してたりして。あ、悲鳴が聞こえる。
ぞぞっ。
ちょっと見てきます~。

(中略)

とりあえず、みんな生きてた。よかった……。

ケーキ、食べさせた。アメリカの少年は、砂糖のかたまりみたいなアイシングのケーキは食べるけれど、生クリームは食べない、と聞いていたが、ほんとにそうだ。
ラティーノの少年ケビンは、最初から 「いらない」。
サウジアラビア生まれとはいえ、幼い時からアメリカで暮らしている、でも親はインド人というファイークは、「一番小さいのちょうだい」 と言って食べ始め、「あ、これ、俺きらい」 で終わり。
結局、生クリームのスポンジケーキって、日本人の味だったのか~。

先週来たザックは、うまいと言って食べてくれたけどな。
まあ、彼の家は、フランスパンにオリーブオイルやバルサミコ酢を付けて食べるというから、フツーじゃないもんな。
絶対に今、我が家にいる少年3人は、バルサミコ酢自体を知らないと思うもん。

どうせケーキは、味わってもらえないと思ったので、最初から、こっちもそのつもりで、生クリームだけ塗ったところで、彼らにデコレーションを任せた。
鉛筆状になっていて、青や緑色のジェルのような甘ったるいのが先から出るのを子どもに与えたら、ケビンがスペイン語で、日本のお友達が日本語で、ファイークが英語で、それぞれ 「お誕生日おめでとう」 と書いてくれた。
……ぐしゃぐしゃで、ほとんど読めなかったけど。
それでも、なかなか心温まるケーキが出来上がったのだった。

cake



ところで。
あとでこっそり、この青や緑のジェルをなめてみたら、むちゃくちゃ甘くてまずかった。
げげっ。あんなにたくさん表面にジェルであれこれ書いたケーキなんか、誰が食えるというのだろう……。

当然のごとく。
誰もまともに食べられなかったのだった。
ま、いいか。デコレーションのあいだじゅう、みんな、むちゃくちゃ盛り上がってたし。

(でも来年は、せめてカラフルさに欠けたとしても、チョコレート味のを探そうっと。)

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プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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