スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリスマスの奇跡

去年のサンタクロースは、なんとホンモノの煙突からやってきて、 「さすがはアメリカだ」 と息子を驚愕させた。ならば、今年はどうするか?
何しろ、25日からフロリダ旅行だし、明日は5時半出発だし、25日朝は、下手にサンタのプレゼントを朝見つけたところで、それを開く余裕すらないのだ。

そんなわけで、今年のサンタは、あまりに安易だけれど、玄関先にプレゼントを置いていくことにしたらしい。
24日夕方、すでに玄関先にプレゼントをこっそり設置済み。
問題は、どうやって息子にこれを自然と見つけさせるかだ。

と、偶然、私がアメリカでの家探しでお世話になった不動産関係の日本人女性からクリスマスカードが届いているのを見つけた。お返事書かなきゃ! とわざと大騒ぎして、返事を書いて、そのまま忙しかったので、息子に、「おーい、これ、玄関先のポストに出しておいて!」 と頼んだのだった。
ああ、わざとらしい~!

(アメリカでは、家のポストに手紙を入れて、旗を立てておくと、郵便屋さんが回収してくれるのだ。すごーく便利!)

息子は、了解了解、とポストに手紙を入れに行き、玄関から戻ってきたかと思うと、
「母ちゃん、やっぱり、サンタさんは来てない……」
と肩を落とした。
へ? あんた、玄関先のプレゼント、見つけなかったの? と動揺しつつ、
「仕方ないよ。まだ夕方じゃん」 という私。
しかし、その数秒後、
「あれれ、何か外で物音がしたぞ」 と家族で大騒ぎとなり、息子が玄関のドアをあけると、あら不思議、玄関のドアの隣に、息子へのサンタのプレゼントが置いてあったのだった。

息子にしてみれば、信じがたい出来事だったらしい。
なにしろ、自分がほんの数秒前、外にいた時、そこにはプレゼントは影も形もなかったのだ。
(と、息子は信じているのだ。ばかめ)
それなのに、ポストに手紙を出して戻ってきてから、物音がするまで、わずか数秒。
今度はプレゼントが忽然とあらわれたのだ。
「絶対にサンタさんはそのあたりにまだいるはず!」と、息子は外に出ると、必死で周囲を探し回るのだった。

それからも、しばらく、うんうんうなっていた。
「やっぱり空からかなあ。サンタがいないか、ポストに手紙を入れながら、空を観察してたら、空が光ったんだよねえ」 なんて言ってる。
そっか。
あんた、空を見てたのかあ。
だから、気づかなかったんだね、ドアの前のプレゼント。

息子のプレゼントには、こんな手紙がついていた。
サンタからの手紙らしい。英文の手紙。今年は、親の手を借りなくても、自分で意味がわかったらしい。
実に悲しそうな顔をして、私に見せてきた。
「母ちゃん。俺、もう、クリスマスプレゼントをもらえない年なんだって……」

手紙には、こう書いてあった。

アメリカに来てからの色々な困難をよく頑張って克服したね。僕は君を誇りに思うよ。
君はもう10歳だ。強くて優しい子に育った。もう、世の中の色々なことを理解できるくらい成長したね。だからきっと気づいているはずだ。世界には、君と同じ年まで生きられないような子どもたちが何千人もいることを。
ねえ君。僕は一つ、君に言わなければいけないことがある。
今回のプレゼントが、僕から君への最後のプレゼントになる。
今度は、君が、ほかの誰かを幸せにする順番なんだよ。
いつか君が、自分より幼くて、弱くて、幸せでない誰かのために、サンタクロースになってくれたら本当に僕はうれしいと思う。
君のこと、ずっと見てるよ。

君の友だち、サンタクロースより


だけど、強欲な息子は、サンタの手紙にしみじみするでもなく、単純に、「ちくしょー」 と悔しがってるのだった。まあ、そんなもんか。ちぇっ。
今年のサンタのプレゼントは、レゴのスターウォーズシリーズのインペリアル・スター・デストロイヤー。すでに発売していない、1600パーツ以上ある難物だ。
息子、黙々とレゴにはまるクリスマス、なのだった。

サンタさん、10年間、お疲れさまでした。

スポンサーサイト
プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。