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今年も虫との戦い

実はあと3日で渡米1周年になる。
色々と振り返ったり、軌道修正したりしたいんだけれど、時間がない。
だけどだけど、これだけは書いておかないと収まりがつかないっ!
つまりは、虫との戦い、再び、というような話である。

去年、この家に引っ越してきた時、こんなエントリーを書いた。
「一軒家に暮らすということ 4」。
ここで書いた何千匹もの不思議な赤と黒の虫が、再びあらわれたのだ。

うちの裏庭に面するお宅には、太い大きな2本の落葉樹が植わっている。
こいつらのせいで、実は枯れ葉掃除がものすごーく大変とはいえ、春は新緑が美しいし、夏場は心地よい木陰を落としてくれるわけで、これまで、この2本の木をうらんだりしたことは1度もなかった。
が、出たのである。
この木の肌に、あいつらが。

最初はなんだかわからなかった。
遠目にみると、木の肌になにやら赤いものがびっしり。


mushienkei.jpg


なーんか、いやな予感だよね。
と思って、近づいてみると……。
(虫が苦手な方は、以下、読むのをお控えください。でも、どうせなら、私の恐怖を一緒に味わいません?)





mushikinkei.jpg

ギャアアアーーーーッ!

ちなみに、こいつらはまだ完全なる成虫ではないようで、何度かの脱皮を繰り返し、以下のような成虫になる。

mushiseichuu.jpg

でもって、こいつが何千匹も、去年の我が家の玄関の白い壁をおおったというわけ。
1週間の観察の末、なんとなくわかってきたのは、この虫は早朝はいないのに、お日様が出たころにズズズと全員で木の肌に出てきて、いったいどこからやってきたかも分からないんだけれど、見る見るうちに木の肌を真っ赤におおう。でもって、脱皮して大きくなったものから順々に、「さよなら~」 と飛んでいく。

ど、どこへ?

もしかして、うちの家へ?

ご名答。
うちの裏庭のデッキは、せっかくのいいお天気でバーベキューをしたいというのに、ちょっとそういう雰囲気ではなくなってきてるのだった。

ところで、この虫のナゾが昨日、ようやく解けた。
裏のお宅のじいちゃん(弁護士。良い人なのだ)を見つけたので、
「すんません。もしも私が、あんたところの木についてる害虫に、駆除用スプレーとか撒いたら、気にします?」 と聞いてみたのだ。
いわゆる、Would you mind if...って構文を使って。
ね、丁寧でしょ。

そしたら、じいちゃんは、全然知らなかった様子で、「え? 虫なんている?」 という。
どうせなら、現実を間近に見てくれよ、と彼を木のそばまで連れて行ったら……。
彼は全然驚かず、いきなり、こう言った。

「わかったよ。長い話になるけれど、聞いてくれるかい?」

以下が彼の物語。

「私がここに越してきた頃は、まだここは牧場でねえ。このあたりでは比較的最近開発された住宅地だったんだよ」 (なんで虫の話をするのに、こんな昔話が始まるわけ?)

「牧場だった土地だから、当然木なんて一本も生えてない。そこにやってきたのがジプシーたちだ。いや、ジプシーっていっても、ホンモノではなく、ジプシーのようにこの土地じゃない人が物を売りにきた、っていうだけなんだけどね。彼らは、この近所に木を売りに来ていたんだ」

「私は言ったよ。メープルツリーがほしいな、と」
(つまり、モミジとかカエデの類ですな)

「そして私は彼らがメープルツリーだという木を2本買った。それがこの木なんだ。大きくなるにしたがって、秋になっても木の葉が紅葉しないことが分かってきた。つまり、モミジやカエデじゃなかった、ってことさ」

「何年前だったかな。そうだ、5年くらい前。この虫が増え始めたんだ。その年は私の家の側面をびっしりおおってね。あわてて、害虫駆除を呼んだら、彼らが、『どこかにmother treeがあるはずだ』 っていう。彼らが『こいつさ』と指さしたのが、この2本の木だったんだ」

「どうすればいい、と尋ねたら、『木を切り倒すしかないね』と言われた。でも、さすがにそれは過激すぎるだろ? それに、毎年じゃないんだ。天気や雨の量なんかによって、多い年も確かにあるけど、ほとんど気にならない年もある。だいたい家の中までは入ってこないしさ。対して動きも早くないから、すぐに殺せるし」

「おもしろい話があるんだ。この虫の名前は、バックス・エルダリー・バグっていうらしい。なぜか。この木の名前が、バックス・エルダリー・メイプル・ツリーだったのさ。つまり、そういう意味では、まったく『メープルツリー』が間違いというわけでもなかったんだな。わっはっは。でもって、その木で育つから、虫の名前はバックス・エルダリー・バグ。 エルダリー(elderly、年配の、老齢の)って名前はたぶん、この虫たちの動きがよろよろとしてるからじゃないかなあ」

「いやあ、教えてくれてありがとう。色々迷惑かけてすまないね」

ついつい、相手に素直に謝られちゃうと、「とんでもなーい。夏は素敵な木陰をくれた木ですもの。切り倒すには忍びないものねえ」 などと応えちゃう、あまりに日本人な私なのだった。

まあ、とりあえず、じいさんの許可も取ったし、ちょっとずつ夫が害虫スプレーを撒いております。
飛べないうちに、全滅させたいもんだけれど、なんか、全然効果なさそうなんだよなあ。
おまけにウェブで、バックス・エルダリー・バグ、という発音をもとに、

bucks elderly bugとか色々検索してみたけれど、見つからない。
本当にこの虫の名前は、それで正しいんだろうか?
牧場の昔話からジプシーまで登場する不思議なおとぎ話ちっくな物語に、なーんか、私ら、乗せられちゃった気もしないでもないなあ。
また玄関が虫だらけになったら……いやだなあ。
この虫に関して、何かご存じの方がおられましたら、情報提供、お願いいたします。


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プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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