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ジョイントコンサートを終えて

昨日、日本から来られた合唱団との合同コンサートがあった。
昨年末に、こちらの合唱団に入れていただいて以来、約半年近く、このジョイントコンサートを最大の目標にみんなで頑張ってきたものだから、終わった時にはもう、涙と抱擁、というような具合となり、一夜明けた今日はもう、なんだか気持ちが抜け殻状態、なのだった。

今回は、色々と悩んだことも多かった。
これまでの私の習い事は、一人で時間のやりくりが可能なものばかりだったから、仕事を抜け出したり、睡眠時間を削ったりしながら、どうにかしてきた。仕事を抜け出した時は、その分、夜中に自宅で帳尻を合わせば良かったし、そういう意味では、息子との時間を大きく削らなくても済んだのだ。

でも、今回の合唱は違った。
一人でどんなに練習したところで、目指すべき場所には、みんなと練習しなければ到達できない。
合唱の難しさは、そこにある。
週に1度の平日の定期練習も、別の平日にやるパート練習も、自分の都合をどうにかすると参加できたが、メリーランド州側とバージニア州側との合同練習だけは困った。日曜日の午後を丸ごと使った練習だったから。

息子は土曜日に補習校に通っているので、私たち家族にとって、日曜日は唯一、一緒に過ごせる貴重な日だ。まして、このブログにも何度も書いているように、渡米後の息子はとても不安定で、ストレスをためていて、日曜日の家族デーにエネルギーを充填しては、どうにかこうにか次の1週間を乗り切っているような状態だった。
だから、とても、息子との日曜日を捨てて、合唱の練習に行く、という選択はできなかった。

日本では、週に1度はベビーシッターさんを頼んで、飲み歩いたり、コンサートに行ったり、遊び回っていた 「悪妻・悪母」 の私だったんだけど。
あれは、やっぱり息子が安定していて、赤ちゃんの時からお世話になっているシッターさんとの信頼関係もバッチリだったゆえに、成立していた暮らしだったんだな。

そんなわけで、合唱団の中では新米の身でありながら、肝心の合同練習にまったく参加できない日々が続いた。
今の状態の息子を残して、日曜日に家を出る選択は、どうしてもできなかったからだ。
迷いに迷った挙げ句、私の合同練習への欠席が問題になったら、その時は舞台をあきらめよう、と気持ちを固めた。
いわゆる「舞台」とか「本番」とかへの執着心は、とことん強い方だと自分でも自覚している私だから、そういう結論を出すまでには、実は結構悩んだ。

それでも。
仲間を見回せば、私だけでなく、色々な人が色々な事情を抱えていた。
事情を抱えながら、何かを犠牲にしたり、無理したりしながら、必死に時間と気持ちを持ち寄って、練習しているのも分かった。
だからいつも後ろめたかったし、申し訳なかった。
中途半端、と言われれば、それは事実には違いなく。
でも、誰もそんなことは言わないわけで、結局は自分で自分に 「中途半端ではないか」 と言ってしまい、その言葉に自分で思い悩むような日々が続き……。
つまり、自分の中で、気持ちにうまく折り合いを付けられなくなっていたんだと思う。

何がつらいといっても、合唱というのは、自分一人で練習するだけでは、どんなに努力してもうずめられないものがある、ということが、ものすごくつらかった。
誰かと一緒に何かをする、ということは、こういうことなんだな、と思い知らされた。
つくづく、そういうのに向いてないな、とも。
「みんな」 で創り上げる喜びは、もちろん、まぶしいくらい感じられたけれど、その過程で何度、「みんな」 の難しさを痛感したことだろう。

色々な人の助けを受けて。
色々な人の支えを受けて。
色々な人の許しも受けて。
そして、家族の応援も受けて。

それでも、一度はあきらめた舞台に立つことができた。
それは、本当に本当にありがたいことだった。

私自身はちっともうまくないのだけれど、周囲の美しいハーモニーに包まれて歌い、下手なりにそこに溶け込み、一部になっていくプロセスが、ものすごく感動的なんだということも知った。

「みんな」 はしんどかったけれど、
「みんな」 は難しかったけれど、
一人では届かない何かに、触れることができるんだと知った。

ほかにも、心に残ったことはいろいろ。
大好きな嶋田先生のレッスン。
香織先生のピアノ。
日本から来られた合唱団の、舞台本番のものすごい集中力。
日本から来られた友清和親先生に、本番前の2日間、レッスンをつけていただけたのも、とても貴重な体験だった。なにしろ、友清先生は、「水のいのち」の作曲家、高田三郎先生から直接学んだ方。そのレッスンは、高田先生の生きた言葉がいくつも散りばめられていて、とても心に残るものだった。

でも。
課題だった 「みんな」 には、今一歩及ばず。
ここのところが、今回の宿題。

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プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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