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ハグと日本人

相変わらず、日本人のクラスメートとべったりくっついたまま、現地校でこちらの友だちを作れずにいる息子。
昨年末、業を煮やして、「どんなもんでしょーか」 と、担任のドーブリッジ先生に相談したのだった。そしたら、ドーブリッジ先生も、日本人男児がいつも固まり、ほかの子と交わらない状態を案じてはいたらしい。

「年が明けたら席替えをして、誰か面倒見がよくて、息子さんと友だちになれそうな子を息子さんの隣に座らせ、何かの作業のたびに2人組でやらせるなど、自然と友だちができるように工夫してみますね」

と言ってくださった。

さて、我らがドーブリッジ先生が、息子との 「カップリング」 相手として選んだのが、ジェイコブ君。ドーブリッジ先生曰く、「すごく sweet な少年」 なんだそうだ。
焦りは禁物、と3週間ほど待ってから、先日、息子に聞いてみた。

私  「ところでさ、最近、席替え、あった?」
息子 「あったよ」
私  「隣は何て子?」
息子 「ジェイコブ」
私  「で、どうなの? どんな子?」
息子 「気持ち悪い」
私  「……は???」
息子 「なんかさ。すぐ抱きついてくるんだよ。女子にも抱きついたり。この前はアヤンナに抱きついてた」
私  「で、アヤンナは嫌がってた?」
息子 「……。いや、別に嫌がってなかったけど」

ああ、なんということ!
きっとドーブリッジ先生に、「英語が分からない日本人のクラスメートに優しくしてあげてね」 と言われたんだろうジェイコブ君。言葉のいらない愛情表現として、一生懸命、ことあるごとに息子をハグしてくれたに違いない。
それなのに。
ハグ文化に慣れてない息子は、いきなり抱きついてくる言葉の通じない相手に、戸惑い、違和感を拭えず、「気持ち悪い」 と思ってたというのだ。

がぁああああああ~ん!!

まさに、カルチャーギャップだよなあ。
確かに、日本の教室で、所構わず男女構わず相手に抱きつく子がいたら、間違いなく、気持ち悪がられるもんなあ。

とりあえず、息子に ハグ について少し説明を試みた。
ジェイコブは、言葉のわからない君に、どうやったら優しい気持ちが伝わるか考えた末、そうやってハグしてくれてるんだと思うよ、と。
さらにカルチャーギャップについても。

曰く、
この国では、学校に見送りに来たお母さんたちは、誰も子どもに人前で平気でキスするでしょう?
あんたと母ちゃんとは、家ではハグしても、人前ではしないよね? ましてキスなんてしない。
それぞれの社会によって、それぞれの国の人たちによって、何を大事に思い、何が良くて、何がいけなくて、何が好まれるかは違う。それを文化というの。
外国に暮らしたからといって、別にその国の文化に同化しろ、なんて思わないけれど、逆に自分たちの常識だけが正しいんじゃない、ってことはお互いこの国で覚えて帰ろうよ。
お互いの文化や考え方の違いを大事にしながら上手に仲良くなっていこうよ。

とりあえず、私としては、息子に過度に assimilation しなくて良い、ってことも伝えたいが、それ以前に、絶対に ethnocentrism には陥らないでほしいのだ。
(この2つの単語、社会学の授業の予習に出てきた。ははは)

しかし。
まいったなあ。
ドーブリッジ先生に、正直に全部伝えてみるか。
日本人のハグ観ゆえ、ジェイコブの愛情表現を 「気持ち悪い」 と思ってしまった息子と、それについて家で話し合った内容とを説明した上で、「長い目でフォローよろしく」 と手紙でも書いてみるのが良いのかなあ。

ふと思う。
息子の隣で、愛すべきジェイコブ君は、ハグしても無反応な息子のことをどんな風に受け止めてるんだろうか、って。
あーん、ごめんね、ジェイコブ君。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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