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「すし太郎」に行ってみた

時差ボケの息子が涙目で「すしが食べたい」と言うので。
ワシントンD.C.在住日本人なら誰でも知っているという日本料理店「すし太郎」に行ってみた。
名前がすごいよね。
回転寿司のチェーンでも、もう少しひねった名前が多いのに。
「すし太郎」とは……。ずばりそのまま。
「スシ・ライス」と同じセンスだなあ、と思う。

行ってみて驚いた。
日本料理店と聞いて、週末だし、近所の日本人客が家族連れでどさっと集ってるものと思いこんでいたら、全然違った。

客はほとんど西洋人。
おまけに、ばっちりフォーマルに決めてる美男美女カップルが、カウンターにずらり。
ああ、V字に開いたドレスの胸元から、見事な谷間が……みたいな女性と、黒いスーツ似合いまくりのイケメン兄ちゃんが、2人して箸持って、醤油にわさびを溶き入れ、カウンターの向こうの店長さんに、「これ、何の魚?」などと聞いたり、寿司についての蘊蓄を語ったり。

店内は、いわば有楽町にありがちな大衆居酒屋風。
そこのカウンターに、フォーマルな服装の西洋人カップルがずらり並んでる、って感じ?
なじみのない私には、かなり不思議な光景なのでした。

それにしても寿司って、随分とこの国に根付いているのねえ。
私が英語を習い始めた30年ほど前には、テキストにこんな会話例がよく載ってたじゃないですか。

日本人「あなたは生の魚を食べますか?」
欧米人「いいえ、食べません。あなたは?」
日本人「私は生の魚を食べます。日本人は生の魚が好きです」
欧米人「それは本当ですか?」
日本人「あなたは納豆を食べられますか?」
欧米人「いいえ、あの匂いはヒドイです」
日本人「日本人は納豆が好きです」

………。
日本暮らしが長い西洋人たちから、よく聞かされた話を思い出す。
彼らは日本で、いつもこんな風に質問されたそうだ。
「あなたは寿司が好きですか?」
「あなたは納豆を食べられますか?」
で、イエスと答えると、「おおおお」と感動されるんだとか。

話をお店に戻すとして。
隣のあんちゃんが、ひたすら寿司についての蘊蓄を連れに熱く語っているので、不思議だなあ、と見ていたら、目が合った。
彼は、父方の祖父母がハワイに移民した日本人で、母親がアメリカ人らしい。
「祖父母の故郷は新潟。祖父の名字は神田、祖母の名字は梶山というんだ。で、僕の名前はタモツ。兄の名前はマナブ」
日本の名前をいとおしそうに語る姿が印象的な彼だった。

「日本にも行ったことがあるんだよ。東京と大阪と名古屋と広島」
答は何となく想像ついてるくせに、ついつい、私は聞いてしまった。
「なぜ、広島に?」
そしたら彼は、静かな表情のまま、「だってヒロシマで何があったかを知ることは僕にとって本当に大切なことだったから。二度と同じことが繰り返されないためにもね」

……とまあ、こんな具合に、渡米早々、日本料理店に駆け込んでしまった我が家。
息子は、鉄火巻と納豆巻とカニ肉巻を食べて、実に幸せそう。
ちなみに息子の「本日の英語」は、隣の日系人相手に語った nice to meet you! でした。

私は、といえば、周囲の米国人がおいしそうに寿司を頬張る姿を見て、ついついうれしくなっちゃう「日本人のサガ」に苦笑い。日本のビールを飲み、ついついリラックスしちゃう自分にも、「ははは」と情けなく笑っていたのでした。

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プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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