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「その日を境に、彼は変わった」

よく2時間もののテレビドラマとかに、こういうのがあるよね。

その日を境に、彼は変わった……。

何かとんでもない失敗があって、
あるいは父母と心から分かり合えるような出来事があって、
あるいは恩師の涙ながらの説得があって、
あるいは普段ふざけてばかりの親友が真剣にしかってくれて、
あるいは恋人が、「私が好きになった○○君は、こんな人じゃないっ!」とか泣いて。

主人公は、その日を境に心を入れ替え、まるで生まれ変わったかのように歩むべき道を歩み始める……。
2時間ドラマなら、そうだな1時間30分くらいで起こる出来事。

あんなの、うそだ。ぜーーーーーーーーーったいにうそ!
前振り、長すぎますが、何かというと、またしても息子の話。

先日のエントリー「涙ぼろぼろ」以来、お友達の家に遊びに行く前に必ず私の携帯に電話を寄越していた息子だったのです。

そうよねー。さすがにあんなことがあったんだものねえ。
よかったわ、雨降って地固まるって話よね。

などと心の中でほくそえんでいた私でありましたが。
またしても。
金曜日の午後、息子からの電話はついぞありませんでした。

まあね、今回はある程度予想はついたの。
天気予報は久しぶりに快晴。
「今日は○○君と○○グラウンドでキャッチボールするんだっ!」と張り切っていたし、まあ、たぶん、あまりに張り切りすぎて、電話するのを忘れたんだろう。行った先のグラウンドで気付きはしたけど、お友達のおうちと違って電話もないし、「どうしよう。母ちゃんに連絡するのわすれちゃった」と焦りつつ、遊んでいるんだろうな、と。

案の定、○○君のお宅にお電話したら「○○グラウンドに行くと言って出かけました」という。
よかったよかった。
……とはいえ。

息子の場合、「その日を境に、彼は変わった」とはならないわけでありまして。あの時、流した2人の涙はなんだったのよ、と脱力するのみ。

地下鉄を降りて、携帯電話の留守番電話を聞いたら、

「母ちゃん、今日は連絡しなくてごめんね。もうこれからは絶対に気を付けるから許してね」

と、またしても震える声で入っていた。
息子が平然としていない分、私の怒りが収まり、若干笑えた。
というか、かなり笑えた。
何度も聴き直しては、笑ってやった(一人で)。

自宅で。
息子は帰ってくるなり、ばつが悪そうに「ごめんなさい」。
「あんたさー。あんなことがあった後でも、やっぱり忘れちゃったわけ?」と思わず尋ねたら、息子があまりに素直に「うん」と答えたので、これまた、あきれた。
が、自分の子ども時代を振り返ると、やっぱり似たようなことは何度もあったわけで、そのたびに親に叱られてきたわけで。
「人間って 『その日を境に変わった』 りしないよなー」と認めざるを得ませんでした。

今回はアホらしくなって、怒るより、対策を2人で考えた。

息子「玄関のドアの内側に『母ちゃんに電話!』って書こうか」
私 「今、『戸締まり!』って書いてあるけど、あんた、出かける前にいつもあれを見てる?」
息子「見てない……」
私 「じゃあ、意味ないじゃん。それより、出かける前に絶対に見るもんって何だろう? グローブ?」
息子「グローブにマジックで『母ちゃんに電話』って書く?」
私 「……そんなグローブで野球やりたい?」
息子「うーん」
私 「それより、DSliteはどう? 必ず持って行く携帯ゲーム機に油性の赤マジックで『母ちゃんに電話』って書くの。盗難予防にもなるかも」

冗談だったんですが。
ふと横目で息子を見ると、すでにマジックのフタをあけ、DSの真っ白い本体に大きく「母ちゃん」と書きそうになっていて、あわてて止めた。

「ちょっと、待って! もうちょっとまともな案を週末にゆっくり考えよう」

かくして、「パールホワイト」と呼ばれる真っ白なDS本体に、赤マジックで「母ちゃんに電話」と書かれる事態は回避されたのでした。

まあ、あんまり子どもが簡単に、「その日を境に変わった」りしたら、つまんないものね。2時間ドラマより、子育てはリアルでおもしろいってところでしょうか。
まったく、もう~。


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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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