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風に飛ばされたお誕生日カード

私があんまりごねたので、息子が書いてくれた。
お誕生日の手紙。1日遅れだけどね。
「いいじゃん、口でおめでとうって言ってあげるから」とふてくされる息子を、ひたすら説得したら、こっそりと隠れて、手紙を書いてくれたのだった。

夕飯を食べに出かける時も、息子はTシャツの中に隠したり、後ろ手に隠したり、私にばれないように、書き上げた手紙をずっと隠し持っているのだった。
なんと、かわいい~。
思わず、気付かないふりをしちゃう母ちゃんなのである。

ところがところが。
大通りの歩道を歩いていたら、いきなり、息子が悲鳴を上げた。
振り返ると、なんと折からの強風にあおられ、手に持っていたお誕生日カードがヒラヒラヒラと車道を転がっている。
「お誕生日カードが、お誕生日カードが!!」
悲鳴を上げる息子。

思わず、背中をさすりながら、「大丈夫、母ちゃんがあとで取りに行くから」となぐさめたが、いやはや久しぶりに見たぜ、息子の半泣きの顔。思えば昔はよく、顔をくしゃくしゃにして、手足をバタバタさせて号泣してたっけな。いつごろからだろう。滅多に泣かなくなったのは。
なんかすごく懐かしい表情を見た気がして、胸が熱くなる。
車道が赤信号になるのを待って、車道を転がっていくお誕生日カードを拾いに行った。

息子はしばらく落ち込んでいた。
なにしろ、秘密にしていて、ご飯を食べる時に、じゃじゃーん!と私に渡そうと楽しみにしていたのだから。
それでも、私が手紙を開き、大げさに驚いたら、ちょっと気分を立て直したようだった。

手紙の文章はこれだけ。
「かあちゃんへ おたんじょうびおめでとう!! ○○より」
でも、余白に絵がいっぱい描いてあった。
巨大なメロンとぶどう。車。今日、我が家の仲間に加わったイモリ。私の顔。電車。ホームベースとボールとバット。何だか分からない物体。
でも一番大受けしたのは、恐竜。
恐竜が何か食べている。
「これ、何?」と聞いたら息子が一言。
「餃子!」

私の一番の好物の餃子を恐竜に食べさせるなんて。
妙にシュールなその絵が一番気に入った母ちゃんなのだった。
子どもがいると、自分の誕生日までうれしい。
泣きたいくらいうれしい。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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