スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

★クローズド・ノート(著・雫井脩介)

★クローズド・ノート(著・雫井脩介)

大藪春彦賞を取った「犯人に告ぐ」が秀逸なサスペンスだったので、当然、これもそうかと思うじゃない?
ところがラブストーリー。

最初っから先が見えるし、主人公が全然魅力的でないし、話はありきたりだし、そもそも書き手が恋愛小説を書くのが上手とはとても言えないような中身で、半分くらい読んだところで「おいおい、いつこの小説は深まっていくんだ?」と腹立ちが起こり、9割まで読んだところで、これははやりの単なる「恋人の突然の死」ものであり、今時の「泣ける小説」でしかないと結論づけ、「おい、雫井さん、そりゃないだろ。裏切らないでよ」とすら思った。

実は、そこまで怒っていたわりには、最後に出てくる手紙の中身にちょっとだけじーんとした。
さらに最後の最後の筆者のあとがきを読んで、それまでの本に対する憤りが一瞬にして消えた。ずしんと来た。

筆者がこの小説を書いたのが、決して「泣ける小説ブームだから、どれ、一つそれに乗っかるか」なんて動機ではなかったことを知り、これもまた、「書かずにいられなかった小説」なのだと知った。

小説としての出来を問われれば、口をつぐむしかない。
でも、作者が決して得意ではないはずの恋愛小説を書かずにいられなかった気持ちに少しだけ触れた時、「読んでよかったんだよな。うん」と空を見上げたくなるような気持ちになった。


スポンサーサイト
プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。