スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

★ララピポ(著・奥田英朗)

★ララピポ(著・奥田英朗)

最初に読んだ「最悪」でも痛感したけど、ほんと、この人は「ダメな人」「情けない人」を描くのがうまい。
この本に登場する人物は誰も彼も、いわば「負け組」。

対人恐怖症の30代のフリーライター。優柔不断ゆえにトラブルに巻き込まれていく20代のカラオケボックス店員。AV・風俗専門の20代のスカウトマン。純文学界に劣等感をぬぐえない50代の官能小説家。こんな男たちに、やっぱり哀しい女たちが絡む短編集……と思いきや、一つ一つの物語が全部つながっているのね。

基本的には、登場人物がやたら自慰とセックスばっかりしていて、この本自体がちょっと出来の良い、工夫された官能小説みたいで笑えるんだけど、それでも、本の最後のほうで「ららぴぽ」というタイトルの意味が明かされた時、ちょっとだけしみじみしてしまう。

「世の中には成功体験のない人間がいる。何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。才能はなく、容姿には恵まれず、自慢できることは何もない。それでも人生は続く。この不公平にみんなはどうやって耐えているのだろう」

なんて文章とともに。

別に「必読」なんて思わないし、重厚で救いのないいつもの奥田小説と比べる気すらしないけど、やっぱりこの人は「だめだめちゃん」を書かすとうまい。
ほんと、実際に面と向かったら口も聞きたくないような卑劣で卑屈な男まで、愛すべき存在のように書いてしまうんだから。



スポンサーサイト
プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSリンクの表示
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。