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★死してなお君を(著・赤井三尋)

★死してなお君を(著・赤井三尋)

図書館で借りている最中に、「自主回収」のニュースが流れた本。
故本田靖春さんが著書「不当逮捕」で描いた先輩記者の名誉毀損容疑での逮捕という実際にあった話を下敷きにして、赤井氏が元地検特捜検事という架空の主人公を軸にして書いたサスペンスのようです。

本田氏の本は「不当逮捕」も「我、拗ね者として生涯を閉ず」も読んでいるんだけど、実はきっちり内容を覚えていないので、「死してなお君を」を読んだ時にも、どこまでが事実でどこまでがフィクションがよく分からなかった。本田氏の著書を読んでない人なら、なおさら、そうだと思う。
確かに、過去に実際にあった事件を下敷きにして架空のサスペンスを書く、というのは意欲的な手法だとは思いましたが、検事から記者まで多くの登場人物が全部本名で登場しているわけで、こうなるとやっぱり、それぞれの当事者に一言もなく出版しちゃうのは、たとえ本の最後に「基本的にはフィクションで、書かれている内容と事実とは、いうまでもなく何の関係もありません」と注釈を付けたとしても、まずいんじゃないか……なあ。
まして、作品の主人公(架空の人物)や架空の物語自体よりも、逮捕された新聞記者(本田氏の先輩記者、実在の人物、実名)とその物語のほうが魅力的(私自身が新聞記者だからそう感じたのかもしれませんが)だったりして、こうなると、やっぱりいかがなものかと思ってしまいます。

私は創作の世界をよく知らないうえ、著作権についても勉強不足だから、厳密なことは言えないけれど、少なくともノンフィクションの世界なら、最低限の「根回し」はするよなー、と思った。
この本を出す前に、著者さんも担当編集者さんも全然今回の事態を想定してなかったのかなあ。それとも、何か裏事情でもあった結果なんだろうか。

ただし、創作と過去の事実の融合というのは、色々なパターンがありうる世界で、どこまでが許されて、どこからが配慮を要するのか、自分でも勉強したほうがいいかな、と思いました。
例えば、過去の新聞記事などを参考に、過去の実際の事件を下敷きにして実名で取り込んだ架空サスペンスはどうか、とか。過去の事件を下敷きに、でも名前は変えてあるし、事実関係もちょっと変えてあって、読者の憶測をあえて誘発するような仕掛けをあちこちに散らばせたフィクションはどうか、とか。

時間ができたら、今回、いったいどういう経緯で何が一番問題になったのか、調べてみなきゃなあ、と思うのですが……なにしろ時間がない。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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