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★砂漠(著・伊坂幸太郎)

★砂漠(著・伊坂幸太郎)

また出た!伊坂さんの本。最近、ペースがむちゃくちゃ速い。
でも質は落ちてない。それどころか、「重力ピエロ」以来、一つひとつ、新たな挑戦を重ねているような感じすらする。「砂漠」もそんな一作。

一言でいうなら青春小説+サスペンス要素。
主人公たちは、合コンだバイトだデートだと青春を謳歌する地方都市の大学生。タイトル「砂漠」は、学生生活の先に広がる「社会」を示しているらしい。
主人公格の5人の男女がよく描けているし、春、夏、秋、冬、そして再び春、という時系列の章立ての中で、あっちこっちに「リンク」が張ってあって、お得意の「同じセリフを決めの場所で多用することで醸し出す効果」もあざとくならない程度に上手に使ってあって、悲惨な話もあくまで前向きで、でも誠実で軽すぎず、伊坂文学らしい本だと思う。

思わず、自分自身の大学時代を思い返してしまった。
今の私にとって、あの学生時代が「オアシス」で、今いる社会が「砂漠」とはとうてい思えないけど、そうそう、大学生のころは「きっと実社会ってもっと冷たくて、カラカラで、競争が激しくて、砂漠みたいなところ」というイメージを持っていたのかも。

西嶋という登場人物はインパクトがあります。いそうでいない。
合コンの席でいきなりイラク戦争と反戦を語るまっすぐさと、「世界平和のために僕ができることは、麻雀でピンフ(平和)でしか上がらないこと」などと本気でいう不思議さと、他人からどう思われても意に介さない突き抜けたところと。
「このまっすぐさは、魔王に登場したお兄さんにも通じるなあ」と思った。
単に小説をおもしろくさせるためだけに登場した人物ではきっと、ないのだろう。

この前、友人に伊坂さんの本を紹介する時、こんな風に説明してみた。
「サスペンス出身だけど、男くさいハードボイルドとは無縁。鼻につかない程度にくさいセリフをきちんと口にできる登場人物が必ず登場し、ジェンダーフリーなハードボイルド(あるのか、そんなの?)のかっこよさが味わえる」

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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