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★マオ 誰も知らなかった毛沢東(著・ユン・チアン)

★マオ 誰も知らなかった毛沢東(著・ユン・チアン)

著者ユン・チアンが、祖父母や父母がくぐりぬけた激動の時代と、自身が下放された文化大革命時代をつづった前作「ワイルド・スワン」に、ものすごい衝撃を受けたこともあって、彼女の書いた毛沢東ものは読まねばならぬ、と手を伸ばしたのですが。

いかんせん、すごい分量だし。おまけに、佐野眞一さんの「阿片王」に続いて読んだから、もう、ヘトヘト。
毛沢東が生まれてから、蒋介石を台湾に追い出すまでを上巻に収めているわけですが、一次資料にあたって未発掘の事実を積み重ねたというその「新しい歴史」は、確かに、「え? ほんと? 学校で習ったのと違うじゃん」という驚きの連続。

毛沢東はそもそも、中国共産党の創立時には下っ端だった、とか、長征は単に毛沢東が共産党内の権力争いに勝つために知恵を絞りながら、あちこち歩き回って、多くの兵隊を死に追いやっただけで、本人は担架の上に乗って楽していたとか、とんでもなく人望のない男だったとか、毛沢東は実は「抗日」になんてまったく興味がなく、むしろ日本が攻め入ってくれれば、ソ連が中国に攻め入る格好の理由ができるし、ソ連をバックにつければにっくき国民党をつぶすことができると考えていた、とか、全然、教科書で習ったのと違うわけです。
それとも、最近は学説でもこうなっているのかなあ。実際、ソ連崩壊以後、色々なあたらしい資料
が公開され、知られざる歴史に光が当たっている、というのはよく聞くけれども。

きっと歴史書としては極めて価値を持つ本なんだろうな。
あちこちの評判も良いです。

ただ私は、読んでいて、読書として楽しくなかった。こんなに長い本なのに、読んでいる中身は常に「毛沢東は女にだらしなく、勇気もないくせに権力ばかりほしがり、他人を陥れることばかり考えていて、毛沢東の偉業とされているものはたいてい後から作られたニセの歴史で、この男のせいで、あの人も、この人も、名もなき大衆も残酷な方向で殺された」ということばっかり、と読めてしまう。
必要以上に「毛沢東憎し」の感情がにじんでしまっているからか。あるいは読み手の私に知識が足らず、そういうわかりやすい記述ばかりが目に入ってしまうからなのか。

そもそも、評伝ノンフィクションなんて、著者がほれこんだ人間を描いたほうがおもしろいにきまっている。著者の思い入れや発見の喜びが詰まっているから。

ただ、ちょっと後悔しているのは、読み始める前に講談社のサイトで注釈や参考文献がダウンロードできるので、これをプリントアウトしてから読んでもよかったかな、という点。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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