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「母ちゃん、ちゃんと起きてる?」

仕事始めの日の朝。
午前8時に私の携帯電話が鳴った。
「母ちゃん、ちゃんと起きてる?」
遠方にいる7歳の息子にモーニングコールしてもらうまで起きられない私ってどうよ?

夕方、念のため仙台に電話を入れたら、息子が出た。
「あ、母ちゃん。今ね、お寿司屋さんに行ってきたんだよ」
なんでも、猛吹雪の仙台で、雪深い蕃山に登り、そり滑りを楽しんだ後、みなで寿司屋に行ったらしい。
なんだか楽しそうでよかった。
それでも心配性の母ちゃんはついつい聞いてしまう。

「寂しくないかい?」

ドキドキしながら返事を待ち受けていると、突然、電話から、変な電子音。

ピーピョロピョロピョロピョロー

あほ、ボケ!
肝心な場面で、間違えてファックスボタンを押すな~>息子。
かくして、「寂しくないかい?」の返事を聞けぬまま、再び電話を掛け直して「困ったことがあったらいつでも電話するんだよ。じいちゃんとばあちゃんにありがとうと伝えてね」とだけ言ってバイバイしたのだった。

まあな。子どもは他人(今回の場合、他人ではなく祖父母だが)のメシを食わせてもらっただけ成長するもんだ……と自分に言い聞かせている母ちゃんのほうは、実はかなり寂しいのであった。


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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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