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記事99◆動物虐待に秘められたシグナル、という記事

■掲載年月日 2002年08月14日
■動物虐待、人への暴力予知するシグナル
■全米人道協会副会長に聞く

◇動物虐待「人への暴力を、予知するシグナル」
--全米人道協会副会長のランダル・ロックウッドさん、来日して訴え


 動物虐待への罰則が強化された改正動物愛護法の成立から2年半が過ぎた。しかし、日本ではまだ「たかが動物いじめ」と軽く見られがちだ。このほど初来日した米国最大の動物愛護団体「全米人道協会(HSUS)」の教育担当副会長、ランダル・ロックウッド氏は「動物虐待は人への暴力を予知するシグナルだ」と指摘する。動物に触れる機会の増える夏休み。動物と人間とのかかわり方を考えてみたい。

 <動物虐待と人間への暴力との間には、どのような関係があるのですか>

 ◆米連邦捜査局(FBI)は1970年ごろから、凶悪な殺人犯らの少年期を調べ、重要な共通項を見いだしました。深刻な動物虐待を繰り返していた事実と放火癖の2点でした。例えば、76~77年にかけニューヨークで6人を銃で殺害し、2000件の放火を自供した男は、7歳ごろに養母の金魚鉢に毒物を入れ、死んだ金魚を針で刺したり、鳥を殺したりしていました。91年までにミルウォーキーで少年17人を絞殺し、死体を食べていた男は、7歳ごろから犬や猫を切り刻み、死体を飾っては友人に見せていました。
 FBI元特別捜査官のロバート・レスラー氏は「彼らの多くが小学生時代、あるいはそれ以前から動物虐待を繰り返し、他の生命への支配欲を満たし、快感を感じていた」と指摘しています。

 <神戸市の連続児童殺傷事件でも、加害少年はネコなどへの虐待を繰り返していたと報道されています>

 ◆もちろん動物虐待をする少年が、すべて殺人を犯すとは言えません。特に幼少期の動物虐待は好奇心や通過儀礼的な行動としても起こりえます。が、7歳を過ぎても繰り返し動物を虐待し、快感を感じているケースでは、その少年が家庭や学校で問題を抱えていないかを調べる必要があります。
 動物虐待は人間への暴力行為に向かう前のシグナルです。動物虐待の段階で犯人を捕まえていれば、発生を免れただろう殺人事件も少なくない。虐待対象が動物だから、と軽く考えてはいけないのです。
 また、動物虐待は、児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者の暴力)とも深く関係しています。HSUSが2000年、動物虐待者1624人を調べたところ、特に深刻な虐待を行った922人のうち21%が人間にも暴力を振るっており、暴力の対象は13%が妻、7%が子供、1%が老人だったのです。

 <動物虐待は児童虐待を早期発見するシグナルにもなる?>

 ◆そうです。動物を虐待する子供はおおまかに分けると、(1)未成熟で社会的スキルや認知不足から虐待する子供(2)自身が親などから虐待を受けている被害者(3)将来反社会的行動を取る可能性のある子供――に分類できます。つまり、動物を虐待する少年は将来人間に暴力を向ける可能性があり、ペットを虐待する親は子供を虐待している可能性があり、動物を虐待する子供は親から虐待されているか、親の暴力を目撃している可能性が高いのです。
 私たちは83年、ニュージャージー州で児童虐待のあった53の家族を訪問し、聞き取り調査をしました。すると、60%の家庭で家族の一員が動物虐待を行っていました。
 DVについても同じことがいえます。97年、夫の暴力が原因でシェルターに逃げた101人の女性にインタビューしたところ、夫から「ペットを殺すぞ、傷つけるぞ」と脅された経験を持つ人は70%、実際に傷つけたり殺された人も54%いました。DVのない家庭では脅された経験者が16・7%、実際に殺されたか傷つけられた人も3・5%ですから、大変な差です。
 さらに、DV被害者の女性の61・5%が「子供が動物虐待の現場を目撃した」と答え、この子供たちの3分の2は自らも動物に暴力を振るっていました。親から虐待されたり、DVを目の当たりにした子は、動物やその他の弱い存在に対して暴力を再現する傾向があるのです。

 <動物虐待と児童虐待やDVとの関連に着目し、予防効果を上げている事例はありますか>

 ◆米国では警察当局が動物虐待とDVの関係に注目し始めました。ボルティモアの警察のDV対応マニュアルには「ペットへの虐待もチェックし、動物用のシェルター施設に連絡をすること」と明記されています。DVの被害者の中には、家を出てシェルターに逃げ込もうとしたものの、ペットは一緒に連れていけないと言われ、暴力から逃げ遅れた女性も少なくない。警察がペットの逃げ場を用意することで、DV被害者も家から逃げやすくなるのです。
 これらの対策の結果、ボルティモアの管内のDV絡みの殺人事件は急減しました。95年には年間26件あったのが、DV対応マニュアルが書き換えられた後の99年には5件に減ったのです。つまり動物虐待は凶悪犯罪や児童虐待、DVを察知する重要なシグナルであり、動物虐待に着目することで、人命を救うこともできるのです。

…………………………………………
 ◇ランダル・ロックウッドさん
 1948年米国ニューヨーク市生まれ。ワシントン大で心理学の博士号を取得。同大およびニューヨーク州立大の助教授を経て、84年からHSUSに参加。2000年から現職。動物への暴力と人間への暴力の関連性についての啓もう活動「ファースト・ストライク・キャンペーン」の代表を務める。

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プロフィール

おぐにあやこ

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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