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読書日記7〜10月・上

仕事忙しくてブログ放置していたら、コメントまで記入不可となっていたのですね。すみません。
最近は、フェイスブックにかまけております。身辺雑記はともかく、自分の書いた新聞記事の多くに関しては、「友だち」でなくても、誰でもよめるように設定してあります。

では、たまりにたまった、読書日記を。
イチオシ!は、……やっぱりこれかなあ。
「娘よ、ゆっくり大きくなりなさい ミトコンドリア病の子と生きる」(堀切和雅)
このエントリーの一番最後に取り上げています。


まずは、松田聖子さんの記事を書くのに、参考図書として読んだ書物群

■松田聖子 絶対にまけない女の生き方/松田聖子研究会
■青色のタペストリー/松田聖子
■魔性のシンデレラ/大下英治
■松田聖子論/小倉千加子
■耳のこり/ナンシー関
■何様のつもり/ナンシー関
■ディアセイコ/佐藤秋美
■素顔の松田聖子/成川照美
■歌って踊って大合戦/林真理子
■アイドル工学/稲増龍夫
■人気者の社会心理史/市川孝一
■おばさん未満/酒井順子……40代になると独身で仕事を持つ女性と結婚し専業主婦に■なっている女性との「友情の再統合」現象が起こる、という指摘
■松田聖子と中森明菜/中川右介
■女装する女/湯山玲子……この「女装」という概念、ものすごく興味深かった。しばらく湯山さんの本を読み漁ることに決める。

■逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録/市橋達也
 オウムの菊地被告が捕まり、まだ高橋被告が逃げている最中に、妙に「逃亡」という行為が気になり始め、読んでみた本。もちろん、遺族やそれに連なる人々にとっては、大変残酷な内容でもあるので、出版することに賛否あっただろうけれど、逃亡中の記録としては、ものすごく興味深いし、誤解を恐れずにいえば、ものすごく面白い。 警察官を振り払って逃げてからの数日間の、彼の記憶の欠落と、一方でものすごく詳細におぼえていることの両方が、とてもリアルだからか。菊地被告も、平田被告も、逃亡中にうさぎを飼っていたというが、市橋被告は無人島にいた時、野良猫にずっと餌をやっていたらしい。そのあたりも興味深いと思った。

 2年7カ月を逃げ続けること、危なくなったら無人島でサバイバルし、一方で、整形手術を受けるための費用を稼ぐために日雇いを続け……なんというか、そのすごい能力、別の形で生かせなかったのかい、と溜息が出た。

■ひとりで死んでも孤独じゃない 「自立死」先進国アメリカ/矢部武
 ここのところの「孤独死」報道に何となく違和感があったもので、読んでみた本。私個人としては、死ぬ時は一人、という覚悟ができている。だから、死んだらある程度すぐに発見してもらえるように、緊急連絡システムのようなものをお金を払って利用することになるだろうな、とも。それさえやっておけば、社会の側から見れば、一人で誰かが死ぬことで大きな損害って一つもないんじゃないだろうか。あとは、本人の生き方の選択の問題じゃないだろうか。
 孤独の中で死にたくなければ、生前から、煩わしさも引き受けて、他人と関わっていけばいいのだろう。もちろん、病気や障がいその他の理由から、孤立しやすい人に対しては、ある程度福祉の側からアプローチする必要があると思うけれども。少なくとも、ここのところ「孤独死」やら「単身世帯」が、やたら騒がれた背景には、「男の単身世帯が今後数十年間で急増する」という現実がある気がする。
 それまでも、女は、夫に先立たれればどーせ一人になるわけで、結婚してようと、子どもを産んでいようと、最後は一人で死んでいく覚悟と、家族以外ともつながっていく努力を、女性は比較的積み重ねてきた気がするんですけどね。そんなわけで、男の単身世帯が増えるとなった途端に、わいのわいのと騒ぎ出したのを見て、「甘えんなよ」という冷めた思いがどこかにあったのでした。

 で、この本について。
 プロローグのところで、日本の「孤独死」やら、死ぬ以前の生前中の孤立について、特に、「仕事や家庭を失って孤立する中高年男性が急増している」と書く。一方、単身世帯の増加なんてものは、ほとんどの先進国で起きていることで、それが必ずしも独居者の孤立や孤独死の増加につながるわけじゃあないぞ、と問題提起している。日本では「2030年には単身世帯が全体の4割に迫る」と大騒ぎしているが、北欧ではすでに4割り近くになっている、とも。これは、私もずっと思っていたこと。単身世帯の増加については、より先を行っている国はいっぱいあるわけで、「孤独死」に結びつける必要はないんじゃないかな、って。
 著者が日本に関して、弱肉強食の小さい政府アメリカ社会より状況が厳しいのではないか、と指摘しているのは、生活保護の受給条件(家族の扶養能力などが審査されるから)▽55歳から64歳までの男性の孤独死の多さ(それより高齢になると、高齢者サービスの対象になるが、それ以前の年齢層が危ない)▽OECD調査によると、日本は社会的孤立傾向が強い(同僚や友人、文化グループなど家族以外の人と「まったく付き合わない」「滅多に付き合わない」と答えた日本人は15%で、調査対象20カ国の中ではトップ!)……などなど。
 思うに、社会的孤立は、日本では男女差が結構大きいと思う。あと、都会と地方でもだいぶ違うんじゃないかな。
 興味深かったのは、シカゴ大心理学部のジョン・カシオポ教授の研究。脳スキャンや自律神経内分泌モニター、免疫機能分析システムを使ってシカゴ市内の中高年を対象に10年間調査したところ、寂しさは高血圧、うつ病、睡眠障害などの原因になることが分かったそうだ。寂しさは副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールのレベルや血管抵抗を高め、それが高血圧につながるんだそうな。社会的孤立は健康にも影響する、というのは、漠然と想像できるけれども、データまであるんだなあ、とちょっと驚いた。
 あと、上記OECD調査で、「近所の人たちにモノをあげたり、もらったりする」「近所の人たちと病気の時に助け合う」という2つの質問に対して、日本人は「はい」と答えた割合が順に51.6%、9.3%。アメリカ人は逆に21.8%と36.2%。本当に困った時にどれくらい手を出せるか、ってことなのかしら。

■「科学の考え方・学び方」
■「科学と人間の不協和音」
■「生きのびるための科学」
■「娘と話す原発ってなに?」
 以上4冊、著・池内了

 池内さんに「娘と話す……」シリーズがあるのは、彼に娘がいるというだけではありません。ご自宅は京都の池内さんですが、国立天文台の教授だった時期、高校生の娘さんと2人暮らしをされていたそうです。その時期、娘さんとは本当に色々なお話をされたそうです。だからそれ以来、何かを語る時、娘さんに説明するように話す習慣ができたんだとか。
 池内さんのご著書は、その分かりやすさと説得力、地に足のついた安定感のようなものが魅力なわけですが、そういう根っこもおありなんだなあ、とあらためて納得しました。ちなみに、その当時、高校生の娘さんが料理を担当し、買い物や掃除や洗濯を受け内さんが担当していたんだとか。口だけ学者ではない、実践派の科学者である池内さん、家事についても「実践派」なんですね〜。
 一箇所、引用しておきます。
 娘「今、アンケートでは原発を止めようという人が半分以上になっているよ」
 父「うん、それは良いことなんだけれど、実際にどうするか考えなくちゃいけないよ。ムードだけで脱原発と言うのではなく、自分の生活を見なおして、節電を実行することだ」

■「ラブレス」桜木紫乃……第146回直木賞候補、第14回大藪春彦賞候補、第33回吉川英治文学新人賞候補

 姉妹もの。姉妹の一生を描いた大河小説風。途中でやめられなくなり、一気に読みました。なかなか良い感じで好きです。次の作品も読んでみようかな。

■「音楽と人生」中田喜直 
 ちいさな秋みつけた、などの作曲家である中田喜直さんの著書。「音楽と人生」とタイトルにはありますが、これ、編集者さんはどういうつもりで選んだんだろう。はっきりいって、中身は3分の2がタバコの害とタバコを吸う人間批判です。それはそれで笑えます。空気を読め、とかそういう馬鹿らしいことを突き抜けた人のすごさ、っていうのでしょうか。うむむ。

■「笑わなそんそん! 南京玉すだれ入門」花丘奈果
 南京玉すだれを練習している際、テキスト代わりに図書館で借りてみたら、ただの、大道芸がテーマのエッセイ集だった。とほほほ。タイトルに「〜入門」とかつけるの、詐欺だ〜。

■「伊藤みどり トリプルアクセルの先へ」野口美惠
 前半から中盤、よく書かれたノンフィクションです。後半、読者目線を失ったかな、という箇所が多数。ここはちょっと残念。たぶん、著者の登場の仕方が中途半端なんだと思います。この本の場合、ノンフィクション作品としては、著者が登場せず、伊藤みどりさんだけの物語にしたほうがすっきり仕上がったとおもいます。逆に、著者が登場するのであれば、「この作品は、著者が登場するスタイルでなければ絶対に成立しない、そういう本だよなあ」と読者に納得させるだけの説得力がほしい、かな。でも、伊藤みどりさんの今を知りたい方ならば、その部分に目をつぶり、楽しめるとおもいます。
 
■「銀盤のエンジェル 伊藤みどり物語」藤崎康夫

■「あなたに褒められたくて」高倉健
■「想 俳優生活50年」高倉健
■「貧乏だけど贅沢」沢木耕太郎(高倉健さんとの対談)
……高倉健さんのインタビューとりまとめの仕事があったので、これらを読みました。

■「女ひとり寿司」湯山玲子
 これはかなーーーーーり面白い! たぶん、湯山さんのご著書の中では最も面白い、と私は思います。今やどんな場所でも一人で出かけていける女性が増えている中、最後の難関が「高級寿司店」ではないか、と湯山さんはある日気づき、片っ端から、有名ドコロに突撃取材するわけです。女一人と知って、板前さんが、あるいは周囲のお客さんたちがどんな反応をするか、これを独特の観察眼とセンスで、抜群に面白く書きまくっていらっしゃいます。
 彼女の高級寿司屋に対する見方は次の文章に凝縮してます。
 「高級寿司屋というのは、ビジネスに不可欠な接待の有力な場所として、(戦後経済と)ともに成長していった間柄だということを忘れてはいけない。なんせ、やる気も才能もある女子総合職をあれだけ辞めさせた、悪名高きニッポンの社会システムである。そのホモホモ男子結社ぶりを、寿司ワールドは根本に持っている」。
 彼女は高級寿司屋のカウンターで一人寿司をつまみながら、あれこれ板前さんなんかといい感じで寿司談義に花咲かせ、はっと気がつけば、隣のカップルの女性はもはや、相手の男なんかより、湯山さんの話の面白さに夢中だったりして、デートを台無しにされた男の恨みを買っちゃったりするわけ。
 軽い感じで非常に楽しく読めます。

■「偉大なるしゅららぼん」(万城目学)
 「鴨川ホルモー」を手に取った時「ホルモーって何やねん」と思ったが、今度「偉大なるしゅららぼん」を手に取った時には「しゅららぼん」って何やねん、とやはり思った。なんか設定が派手ですな。楽しく読めましたが、このまま同じ路線で延々といってほしいような、全然別のを読みたいような、微妙な読後感でした。

■こども東北学(山内明美)
 若い著者が生まれ故郷で抱えてきた思い、東京に出てきてからもこだわりつづけてきた思いを縦糸に、そして「東北」とは何なのかを横糸に、ていねいにていねいに織り上げられた美しい布、というような書物です。
 著者の祖父の「アルコール依存症」を、周囲が「狐に化かされる」という表現で、「狐」を悪者にすることによって受け入れる、という話には、新鮮な驚きがありました。
 すごいなあ、と感服すると同時に、でも私には良くも悪くもものすごいしがらみだらけのコミュニティーで暮らすことは無理だろうなあ……とも。
 あいかわらず、「よりみちパン!セ」シリーズ、良い本を出してるなあ。

■木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(増田俊也)
 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
 圧巻です。
 もっとも、格闘技にも柔道にもうとい私には、理解できない記述も多く、そのあたりはぽんぽんと読み飛ばしつつ。
 増田さんが、「木村政彦の名誉回復」という明確な意図を持って取材を始め、しかしぶちあたる事実や証言には極めてニュートラルな姿勢で臨み、さらにそれを自分の言葉で再構築する際にはもう一度ぎりぎりのせめぎ合いの中で書き進めていく、その迫力がすごいです。
 いや、力道山も、木村政彦も、ものすごい迫力男だったんでしょうが。私にとっちゃ、書き手の増田さんの、実はぜーんぶ咀嚼した上で絞り出してくるエモーショナルな表現の迫力のほうが、ずーっと心にのこりました。
 おすすめ、です。分厚い本ですが。

■娘よ、ゆっくり大きくなりなさい ミトコンドリア病の子と生きる(堀切和雅)

 もしも、あなたがかつて「『30代後半』という病気」という本を読んで、同世代として、うむむむむ、と揺れた過去を持った人ならば、この本は、読み出す以前にまず、「ああ、堀切さん、お父さんになってたんだ……」とそれだけでしみじみとしてしまうと思います。私にとっては、堀切さんはなにより「30代後半という……」の著者でしたし、あんなに真剣な悩みを、あんなにポップに書いちゃうむちゃくちゃバランス感覚の良い器用な、才能あふれる方だったわけで、私なんかつい最近まで、「堀切さん、結局、つかんだはずのアメリカ留学の道までさっさと捨てて、今ごろいったいどうされているのかしら」と1年に3回くらいは気になっていたわけです。
 去年アメリカから帰国して、ひょんなことから堀切さんの名前でぐぐって見る気になり、検索してみてびっくり。この本に出会うことができたのでした。
 ものすごく良い本です。
 最後の付記、にある一文に、「30代後半……」以来ずっと堀切ファンだった私は、ひたすら胸を打たれたのでした。

 <かつて僕は宇宙の零下に怯えて、布団の中で丸くなる人間だった。けれど、もう謎は謎のままでいい。宇宙や存在についての抽象的な問いを、過剰に問うことはもう、なくなった。その態度は、確かに響(注:娘さんの名前)がくれたもの。謎を謎のままに、現実的な解決を探して明日も、僕ら家族は、その日を暮らす。
 大人になったのだ。そして、それも、思っていたよりわるくない。響、お父さんとお母さんはずいぶん大人になったよ。きみのおかげで。だからきみは、ゆっくり大人になりなさい。


 私自身が、息子を産むことで救われ、大人にしてもらったことをひしひしと実感しています。謎は謎のままでいい。本当にそう思います。今日を、明日を、暮らしていくんだな、って。
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No title

「娘よ、ゆっくり大きくなりなさい」これって小国さんがアメリカに行く前に読んでませんでした?
ちゃちゃになってごめんなさい。

No title

sakiさま

まずは最初に。
ちゃんと気づいてくださってありがとうございます。そこまで丁寧にブログを読んでくださっていてありがとうございます。
sakiさんに指摘していただくまで私、完全に、忘れていました。

昔から、読んだ本を覚えていられないんです。
小学校のころから、読み終わった本を覚えられなかったです。推理小説は1年もたてば犯人を忘れ、何度も楽しめたし、5年も立てば、半分くらい読むまで、読んだことすら思い出せなかったりもしました。
だから、読んだ本を覚えていたくて、自分の備忘録のために書評を書いてきたのに。

今回はさすがに、があああああああん!でした。
それでもやっぱり忘れちゃうんだ、と。
あんなに胸打たれても、覚えていよう覚えていたいと言葉にしても、やっぱり私の心にとどめておくことはできないんだ、と。

でも、sakiさんのお陰で、そのことに気づけただけでもよかったです。
丁寧に読んでくださっていて、本当にありがとうございます。
プロフィール

Author:おぐにあやこ
名前■おぐにあやこ
生年■1966年 ひのえうま
仕事■07年秋まで新聞記者。仕事を辞めて渡米。11年、新聞記者に出戻り。
趣味■読書、歌、旅
目標■ちょっと背伸びして、
 疑問符を感嘆符に変える事
苦手■勧善懲悪


著書■
▼「薬(ドラッグ)がやめられない 子どもの薬物依存と家族」(青木書店)
「ベイビーパッカーでいこう 赤ん坊とザックかついでスペインの旅」(日本評論社)
「魂の声 リストカットの少女たち」(講談社)
「いいじゃない いいんだよ 大人になりたくない君へ」(共著、講談社)
「アメリカなう。」(小学館)
「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(径書房、ミズノスポーツライター賞)
「?が!に変わるとき  新聞記者、ワクワクする」(汐文社、読書感想画中央コンクール課題図書、高校生の部)

訳書■
「自傷からの回復 隠された傷と向き合うとき」(みすず書房)

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